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はじめに
例年、診療放射線技師国家試験は2月に実施予定です。合格率は70~80%前後で推移していますが、落ちる人は確実に落ちます。「なんとかなるでしょ」という楽観主義者ほど危ない。今すぐスケジュールを立てて動き出しましょう。
📈 合格率推移(過去10年)
6ヶ月前(8月):基礎固めスタート
やること:過去問1年分を解いて現実を知る
まず第76回(2024年実施)の過去問を時間を測って解いてください。「え、まだ早いでしょ」と思ったあなた、それが落とし穴です。現在地を知らずに計画は立てられません。
120点未満なら赤信号。基礎から徹底的にやり直す必要があります。120~140点なら黄色信号、油断は禁物。140点以上でも安心は禁物です。本番は緊張で実力の8割しか出せません。
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やること:教科書を1周読む
使い古した学校の教科書で構いません。「え、今さら教科書?」と思うかもしれませんが、国試の7割は教科書レベルの基本問題です。特に理工学・放射線科学は後回しにすると詰みます。
具体的な進め方:
- 1日2時間、1週間で1科目のペースで読み進める
- 重要公式は別ノートに書き出す(後で見返すため)
- 理解できない部分は付箋を貼って先に進む(今は完璧を求めない)
やること:弱点科目を特定する
過去問を解いた結果、正答率50%未満の科目を「最優先強化科目」にリストアップしてください。多くの人は画像工学・理工学・放射線科学あたりで躓きます。
5ヶ月前(9月):科目別集中攻略
やること:1週間1科目ローテーション学習
月曜~金曜で1科目を集中的に学習し、土日で復習+他科目の軽い維持学習をします。
例:放射線物理学週間の場合
- 月曜:X線の発生メカニズム、特性X線と制動放射
- 火曜:X線と物質の相互作用(光電効果、コンプトン散乱、電子対生成)
- 水曜:減弱係数、半価層、10分の1価層の計算問題
- 木曜:放射線の単位(Gy、Sv、Bq等)と線量測定
- 金曜:過去問50問を解く(この科目のみ)
- 土日:間違えた問題の復習+他の科目を30分ずつ
やること:過去問を科目別に解く
「2025年版 診療放射線技師国家試験 完全対策問題集」などを使い、まずは科目別に過去問を解いてください。年度別ではなく科目別です。同じパターンの問題が繰り返し出題されていることに気づくはずです。
間違えた問題は赤ペンで✓を付け、なぜ間違えたか1行メモを残します。「計算ミス」「知識不足」「ケアレスミス」など。
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4ヶ月前(10月):弱点科目を徹底的に潰す
やること:苦手科目に毎日1時間以上を投資する
この時期に苦手から逃げると、1月になって絶望します。医用工学が苦手なら、毎日最初の1時間は医用工学に充てる。朝の脳が元気な時間帯に苦手科目をやるのがコツです。
画像工学が苦手な人の処方箋:
- MTF、Wienerスペクトル、DQEの計算問題を毎日5問
- 「診療放射線技師 ブルー・ノート 基礎編」の該当ページを音読
- YouTubeで「MTF 画像工学 診療放射線技師」(例)などと検索して解説動画を3本視聴
やること:全科目の過去問を最低5年分×2周
オーム社の「2025年版 診療放射線技師国家試験 完全対策問題集」なら精選問題と出題年別の両方が入っています。まずは精選問題を2周してください。
1周目:時間無制限で丁寧に解く。解説を必ず読む。 2周目:1問2分ペースで解く。間違えた問題だけ解説を読む。
3ヶ月前(11月):過去問の徹底反復
やること:過去問10年分を3周する
ここからは過去問が主食です。「2026年版 最新診療放射線技師国家試験問題集(10年間の問題と解説)」を買い足すのもアリです。
3周の目的を明確に:
- 1周目:どんな問題が出るか知る(正答率60%目標)
- 2周目:解き方のパターンを覚える(正答率75%目標)
- 3周目:確実に正解する(正答率85%目標)
やること:模擬試験を受ける
学内模試や予備校の全国模試を必ず受けてください。本番の時間配分(午前2時間40分、午後2時間40分)に慣れる唯一のチャンスです。
模試の結果で一喜一憂するのは時間の無駄。大事なのは「どの問題を間違えたか」です。間違えた問題を翌日までに必ず復習してください。
やること:暗記カードを作る(余裕があれば)
この時期から本格的に暗記系科目に取り組みます。
暗記必須項目:
- 画像解剖(骨の名称、血管の走行、正常解剖)
- 法規(技師法、医療法、電離則の条文)
- 核医学の半減期と光子エネルギー(Tc-99m、I-123、F-18など)
スマホアプリ「Anki」や「Quizlet」を使うと、通学時間にサクサク復習できます。紙のカードにこだわる必要はありません。
2ヶ月前(12月):実戦力を磨く
やること:本番形式で過去問を解く
毎週土曜または日曜に、本番と同じ時間帯(午前9:30~12:10、午後13:30~16:10)で過去問200問を解いてください。最低4回は実施すること。
注意点:
- 午前中に100問、昼休み1時間、午後に100問
- 途中でトイレに行かない(本番さながらを体験しましょう)
- スマホは電源OFF(これができなければ落ちると思って我慢しましょう)
やること:間違えた問題だけを集めた「弱点ノート」を作る
これまで3周した過去問で、2回以上間違えた問題だけを1冊のノートにまとめます。問題文、正解、解説の3点セットを書き出してください。
このノートが試験1週間前の最強の武器になります。新しい問題集に手を出す誘惑に負けないでください。
1ヶ月前(1月):総仕上げ
やること:弱点ノートを毎日見返す
1日30分、必ず弱点ノートに目を通します。「もう覚えた」と思っても、3日後には忘れます。人間はそういう生き物です。
やること:最新の法改正をチェックする
診療放射線技師法や医療法は毎年のように改正されます。厚生労働省のサイトで「診療放射線技師 法改正 2025」と検索し、最新情報を確認してください。
法規の1問を落とすと、それだけで不合格ラインに近づきます。
やること:予想問題集に手を出さない
この時期に新しい問題集を買うのは悪手です。「不安だから新しい問題を解きたい」気持ちはわかりますが、それは安心感を買っているだけで実力は伸びません。
既に解いた過去問を4周目、5周目と繰り返す方が確実に点数が上がります。
やること:生活リズムを朝型にシフト
試験は朝9:30スタートです。夜型の人は今すぐ朝型に切り替えてください。
具体的な方法:
- 毎朝6:00に起床し、7:00から勉強開始
- 夜は23:00までに就寝(スマホは寝室に持ち込まない)
- 朝食は必ず食べる(脳のエネルギー補給)
試験2週間前:最終調整期
やること:なるべく新しいことを覚えない
この時期に新しい知識を詰め込むと、既に覚えたことが抜け落ちます。弱点ノートと頻出問題だけを繰り返し見直してください。
やること:体調管理を最優先にする
インフルエンザやコロナで試験を受けられなかったら元も子もありません。
絶対に守ること:
- 手洗い・うがいを1日5回以上
- 人混みを避ける(友達との飲み会は試験後に)
- 睡眠時間7時間確保
- 無理な徹夜勉強は禁止
やること:試験会場の下見
試験会場までの所要時間、最寄り駅、トイレの場所を事前に確認してください。当日に迷って遅刻した人、毎年います。
試験前日:リラックスと持ち物確認
やること:軽い復習のみ
弱点ノートを30分見返す程度にとどめてください。夜遅くまで勉強すると、翌日の集中力が落ちます。
やること:持ち物チェック
- 受験票(絶対に忘れない)
- HBの鉛筆5本(シャーペン不可の会場もある)
- 消しゴム2個(1個だと落とした時に詰む)
- 腕時計(スマホ不可)
- 昼食(会場周辺のコンビニは激混み)
- カイロ(会場が寒い可能性あり)
- マスク予備
やること:22:00就寝
「眠れないかも」と心配する必要はありません。横になって目を閉じているだけで脳は休まります。
おすすめ参考書3選
試験対策に役立つ書籍を紹介します。
- 「科学的根拠に基づく最高の勉強法」安川康介 著(KADOKAWA)
- 「2026年版 診療放射線技師国家試験 完全対策問題集:精選問題・出題年別」(オーム社)
- 「2026年版 診療放射線技師国家試験 合格!Myテキスト: ―過去問データベース+模擬問題付」(オーム社)
まとめ
診療放射線技師国家試験は、正しい方法で努力すれば必ず合格できます。大事なのは「今日から始めること」です。
6ヶ月前から計画的に学習を進め、過去問を最低3周、苦手科目から逃げずに向き合い、体調管理を怠らなければ、合格はあなたのものです。
試験当日、自信を持って会場に向かえるよう、今日から一歩ずつ進んでいきましょう。健闘を祈ります!