【基礎医学大要】解剖・生理・病理・公衆衛生。「人体の地図」を頭に入れろ!

ゆん
「機械のことは分かったけど、肝心の『人間』のことが分からない!」 そんな状態じゃ、医師と会話なんてできません。
ゆん
基礎医学(解剖・生理・病理・公衆衛生)。 これは、私たちが相手にする「人体」と「病気」、そして「社会」のルールブックです。 範囲が膨大すぎて捨てたくなる気持ちは分かりますが、「画像解剖(CT/MRIのみかた)」の基礎体力になるのはココなんです! Linaと一緒に、膨大な医学の海から「技師に必要な部分だけ」を効率よくサルベージしましょう!
🦴 1. 解剖学 (Anatomy):人体のGoogleマップ
全部覚えるのは無理! 技師国家試験で出るのは「画像に写るところ」です。
① 脳血管(ウィリス動脈輪)
これが描けないとMRI(MRA)の問題は解けません。[3]

- 内頸動脈系: 前大脳A、中大脳A。
- 椎骨動脈系: 脳底A → 後大脳A。
- つなぐ道: 前交通A、後交通A。
② 心臓と冠動脈(AHA分類)


- 右冠動脈 (RCA): 1番〜4番。下壁・後壁を栄養。
- 左冠動脈主幹部 (LMT): 5番。ここが詰まると即死級。
- 左前下行枝 (LAD): 6番〜10番。前壁・心尖部。マスト!
- 左回旋枝 (LCX): 11番〜15番。側壁。
③ 肺区域(S1〜S10)

気管支鏡やCTで必須。「右肺は3葉10区域、左肺は2葉8区域」。 特にS6(下葉の上の方)は誤嚥性肺炎の好発部位として有名![3]
腎機能と血圧の番人(RAAS系)
ここ、ちょっと難しいけど超大事! 「血圧が下がった!」と腎臓が察知すると、レニン(Renin)を放出。
- レニンがアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンIにする。
- ACE(酵素)がそれをアンギオテンシンIIにする(強力な血管収縮!)。
- さらにアルドステロン(副腎皮質)が出て、ナトリウムと水をキャッチ! 結果として血圧が上がる。この一連の「レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系」は、循環器の治療の要だよ。

呼吸のメカニズム
- 吸気: 外肋間筋と横隔膜が収縮して胸腔が広がる。能動的。
- 呼気: 筋肉が緩んで肺が縮む。受動的。
- 肺コンプライアンス: 肺の「膨らみやすさ」。低下すると間質性肺炎(硬くなる)、上昇すると肺気腫(ブカブカになる)。
💡 CROSS-OVER LINK
解剖学の知識は、そのまま診療画像検査学(CT/MRI)の「画像解剖問題」に直結します。 「CTで肝臓区域(クイノー分類)を同定せよ」。この問題、解剖を知らずにどうやって解くの? 無理でしょ? 解剖は暗記じゃなくて「スケッチ(お絵描き)」で覚えるのが最短ルートです!
⚡ 2. 生理学 (Physiology):生命の自動制御システム
「動いている体」のルールです。
ホルモンの方程式
「どこから出て、どこに効いて、何をするか」。
- 下垂体前葉: 成長ホルモン(GH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)…司令塔!
- 下垂体後葉: 「抗利尿ホルモン(ADH)」と「オキシトシン」。神経から直接出るのが特徴。
- 副腎髄質: アドレナリン(戦うホルモン)。
- 副腎皮質: コルチゾール(ストレス)、アルドステロン(血圧)。
心電図の電気生理

- P波: 心房の興奮。
- QRS波: 心室の興奮。
- T波: 心室の回復(再分極)。
- 刺激伝導系: 洞結節 → 房室結節 → ヒス束 → 右脚・左脚 → プルキンエ線維。この順番は絶対!

🦠 3. 病理学 (Pathology):病気の正体
悪性腫瘍(がん)のグレードとステージ
- 分化度(Grade): 「高分化」は元の組織に似ている(比較的おとなしい)。「低分化・未分化」は元の形を留めておらず、増殖が速い。
- 病期(Stage / TNM分類
- T (Tumor): 原発腫瘍の大きさと浸潤。
- N (Node): リンパ節転移の有無。
- M (Metastasis): 遠隔転移。M1があれば即ステージIVというパターンが多い。
炎症と循環障害:画像に映る「変化」
- 炎症の5徴候: 発赤、熱感、腫脹、疼痛、機能障害。
- 漏出液 vs 浸出液:
- 漏出液: 比重が低く、タンパクが少ない(心不全などによる水漏れ)。
- 浸出液: 比重が高く、タンパクが多い(炎症による血管からの染み出し)。膿もこれのひとつ。
- 塞栓症: 肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)などは、造影CTでの欠損像として技師が真っ先に発見すべき緊急疾患!
腫瘍マーカー(国試頻出リスト・強化版)
CA125: 卵巣がん。
PSA: 前立腺がん(スクリーニングに最適)。
AFP / PIVKA-II: 肝細胞がん。
CEA: 腺がん(胃・大腸・肺)。喫煙でも少し上がる。
SCC / CYFRA: 扁平上皮がん(肺・食道・子宮頸部)。
CA19-9: 膵がん・胆道がん。
hCG: 絨毛がん。妊娠しても上がるよ。
😷 4. 公衆衛生学 (Public Health):社会を守るルール
感染症法(1類〜5類)
私たちが病院で遭遇するもの。
- 1類: エボラ、ペスト(やばすぎるやつ)。原則入院。
- 2類: 結核、SARS、MERS。空気感染対策(N95マスク)が必要!
- 3類: コレラ、O157(食べ物系)。
- 4類: 動物由来、など。
- 5類: インフルエンザ、COVID-19(2023年〜)、梅毒、エイズ。
人口動態統計:日本の今を知る
- 出生率: 下がりっぱなし。合計特殊出生率は1.3前後(2.0以上で人口維持)。
- 死亡率: 高齢化で上がっている(死亡数>出生数)。
- 死因順位: 1位:悪性新生物(がん)、2位:心
- ※老衰が3位に入ったのは近年の大きな変化!
産業保健と職業病
私たち技師も「放射線業務従事者」としてこのカテゴリーに入ります。
- 労働衛生の3管理: 作業環境管理(部屋の清掃や換気)、作業管理(マスク着用や遮蔽)、健康管理(健康診断)。
- 特定化学物質: 発がん性のある物質など。
- VDT作業: PC画面を長時間見る作業。目や腰の健康に注意。
疫学統計:感度と特異度の計算を極める
これ、計算問題で本当に出るよ!
| 病気あり | 病気なし | |
|---|---|---|
| 検査陽性 | A (真陽性) | B (偽陽性) |
| 検査陰性 | C (偽陰性) | D (真陰性) |
- 感度 (Sensitivity): 。病気の人を正しく当てる力。
- 特異度 (Specificity): 。健康な人を正しく当てる力。
- 陽性反応適中率: 。陽性と言われた時、本当に病気である確率。
感度が高い』は『見落としが少ない』。だからスクリーニング(初期検診)向き。『特異度が高い』は『誤診が少ない』。だから精密検査向き。この使い分けを理解すると、臨床での検査の意味が見えてくるよ!
- 病気の人:40 + 10 = 50人
- 健康な人:5 + 45 = 50人
- 感度 = 40 / 50 = 80%(病気を見つける力)
- 特異度 = 45 / 50 = 90%(健康を除外する力)

| 略語 | 正式名 | 意味 | 状況 |
|---|---|---|---|
| TP | True Positive(真陽性) | 正しく陽性 | 病気あり → 陽性判定 ✅ |
| FN | False Negative(偽陰性) | 見逃し | 病気あり → 陰性判定 ❌ |
| FP | False Positive(偽陽性) | 誤診 | 病気なし → 陽性判定 ❌ |
| TN | True Negative(真陰性) | 正しく陰性 | 病気なし → 陰性判定 ✅ |
※文字だとわかりにくいから、必ず「2×2の表(田の字)」を書いて計算すること!
👁️ EXAMINER’S EYES:出題者の狙い
ゆん
「有病率(Prevalence)」の罠。 感度・特異度が高い検査でも、その病気にかかっている人(有病率)が極端に少ないと、陽性適中率(陽性と言われて本当に病気である確率)はガクンと下がります(偽陽性が増えるから)。 「検診(スクリーニング)には感度が高いもの」「確定診断には特異度が高いもの」を使う理由がここにあります!
🎓 結論:人体へのリスペクト
🎯 FOCUS POINT
どんなに高価なMRI装置も、使い手が「解剖(どこを撮るか)」と「病理(何を探すか)」を知らなければただの箱です。 基礎医学は単なる暗記科目ではありません。患者さんの体の中で起きている「ドラマ」を理解するための言語です。 特に「脳血管」「心臓解剖」「感染症分類」は、現場に出たその日から命に関わる知識です。確実にマスターしてください!
よし! これで「基礎医学大要」もコンプリート! 人体という地図を手に入れたあなたは、もう迷子にはなりません。 さあ、 自信を持って試験に挑んでね!
📚 参考文献 (References)
[1] 医療情報科学研究所『病気がみえる』シリーズ (vol.1〜vol.10), メディックメディア. [2] 厚生労働省「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」.
[3] 画像診断まとめ















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