【MRI検査とは?】流れ・時間・費用・CTとの違いをベテラン技師が解説

FOR PATIENTS · MRI検査
MRI検査とは?|流れ・時間・費用・CTとのちがいを技師がやさしく解説
忙しい方へ:MRI検査の5つのポイント
- 被ばくはゼロ:放射線ではなく、強い磁石と電波で体の中を写します。
- 時間は20〜40分:寝台の上で、静かに横になっているだけです。
- 費用の目安(3割負担):造影剤を使わない検査で約6,000〜8,000円。造影剤を使うと数千円ほど上乗せされます。
- いちばんの注意は金属:持ち込むと、やけどや機器の故障、大きな事故につながります。
- 大きな音は正常な動作音:機械が画像を撮っている音です。目を閉じて楽にしていてください。
CT・超音波・PETなど、ほかの検査とくらべたい方は患者さん向けの検査ガイドに一覧があります。
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MRIってどんな検査?放射線ゼロの仕組み
MRIは「磁気共鳴画像」の略です。レントゲンやCT検査とは、写し方の仕組みがまったくちがいます。
新人技師LINAの疑問に、ラッコ先輩が対話形式で答えていきます。

体の約6割は水分だよね。その水に含まれる水素原子が、強い磁石の中では同じ向きにそろうんだ。そこへ電波を当てて揺らし、電波を止めると元の向きに戻っていく。戻るときに出る小さな信号を受け取って、断面の画像に組み立てているんだよ。
CTとMRI、どちらがすごいの?得意なもののちがい
「CTを撮ったから、MRIはいらない?」という質問もよくあります。どちらが上ということはなく、得意なものがちがう2台のカメラです。

CTは短い時間で広い範囲を撮れるX線のカメラ、MRIはやわらかい組織をじっくり写すカメラ、と伝えると分かりやすいよ。超音波検査も含めて、目的に合わせて医師が使い分けているんだ。
| 項目 | CT検査 | MRI検査 |
|---|---|---|
| 写し方 | X線(放射線)を使う | 磁石と電波を使う(放射線なし) |
| 被ばく | 少しある(必要な量に調整) | ない |
| 検査時間 | 5〜15分 | 20〜40分 |
| 得意なもの | 骨・肺・急な出血(救急) | 脳・靭帯・関節・筋肉・脊髄 |
| 受けている感じ | 静かで、輪の形の装置をくぐる | 筒の中に入り、大きな音がする |

検査当日の流れと安全確認
MRIは体にやさしい検査ですが、強い磁石を使うので、入る前の安全確認がとても大切です。当日は次の4ステップで進みます。
なぜ、そこまで金属を外すの?


大きな事故から患者さんを守るためだよ。MRIの磁石はとても強くて、鉄でできたハサミや鍵が勢いよく引き寄せられることがある(吸引事故)。それから、電波で金属が熱をもって、やけどをすることもあるんだ。スマホや磁気カードも、壊れたりデータが消えたりしてしまうよ。
- 発熱・保温インナー:抗菌などの目的で金属を含む繊維があり、汗を含むと熱をもちやすいため、やけどの原因になることがあります。
- 一部の貼り薬:アルミなどの金属を含む貼り薬は、電波で熱をもつおそれがあります。自己判断ではがさず、まず技師に伝えてください。
- 化粧品・カラーコンタクト:色の成分に金属を含むものがあり、熱く感じたり画像がゆがんだりすることがあります。

「ゴンゴン」という大きな音の正体

体のどの場所を撮っているかを決めるために、傾斜磁場コイルという電磁石の電流をすばやく切り替えていて、そのときコイルが震える音なんだ。患者さんには「機械がいま、細かい断面の画像を一枚ずつ撮っている音ですよ」と伝えてあげてね。耳栓やヘッドホンで音はやわらげられるよ。

狭いところが苦手なときの4つの工夫
閉所恐怖症の方や、狭い場所が不安な方も、次のような工夫で検査を受けられることが多いです。心配な方は、予約のときや当日に遠慮なく伝えてください。
いくらかかる?費用と時間の目安
MRIの費用は、国が決めた画像診断の診療報酬の点数で計算されます。3割負担の方の目安は次のとおりです。
| 検査の種類 | 費用の目安(3割負担) | 撮影時間 | どんなときに行う? |
|---|---|---|---|
| 単純MRI(頭・腰・膝など) | 約6,000〜8,000円 | 20〜30分 | 椎間板ヘルニア・脳梗塞・関節のけがなどを調べる基本の検査 |
| 造影MRI(点滴の薬を使う) | 単純MRI+数千円 | 30〜60分 | ガドリニウム造影剤で、腫瘍や血管をより詳しく調べる |
| MRA(脳の血管) | 約6,000〜8,000円 | 20〜30分 | 脳動脈瘤などを調べる。頭のMRIと一緒に撮ることが多い |
費用は、撮影料・画像の診断料・画像の電子保存の加算を合わせた目安です。装置の種類(1.5テスラ・3テスラ)、初診か再診か、病院ごとの加算、造影剤の種類と量で変わります。

頭や膝の検査なら、ふつうは食事の制限はないよ。おなか(肝臓・胆のう・すい臓など)の検査や、造影剤を使う検査では、食事を控えてもらうことが多いんだ。食べると胆のうが縮んだり胃腸が動いたりして、画像がぶれてしまうからね。造影剤で気分が悪くなったときの安全のためでもあるよ。バリウム検査と同じで、指示があるときは必ず守ってもらおう。
よくある質問
歯の詰め物・インプラント・人工関節があっても大丈夫?
一般的な歯の詰め物は、ほとんどの場合そのまま検査できます。最近の人工関節やインプラントも、チタンなど磁石にくっつきにくい金属で作られたものが多く、MRIに対応したものが増えています。ただし、金属のまわりの画像が乱れることがあります。安全のため、いつ・どこを手術したかを事前に伝えてください。
ペースメーカーを入れていても受けられる?
機種によります。条件付きでMRIに対応したペースメーカーなら、決められた条件と手順のもとで検査できることがあります。対応していない機種もあるので、必ず予約の段階で申し出て、手帳やカードを持参してください。
妊娠中・授乳中でも受けられる?
MRIは放射線を使わないので、おなかの赤ちゃんが被ばくすることはありません。ただし妊娠初期や造影剤を使う検査は、医師が必要性を慎重に判断します。くわしくは妊娠中・授乳中の画像検査ガイドで解説しています。
AIで検査はどう変わっている?
最近のMRIには、ディープラーニング再構成(DLR)という技術を使う装置が増えています。画像のざらつきをAIが取り除くので、画質を保ちながら撮影時間を短くできるようになってきました。医療AIと技師の役割についても別の記事でまとめています。
MRIを受ける方へ、5つの安心ポイント
- 被ばくはゼロ:体に放射線を当てない検査です。
- 金属チェックは安全のため:あなたを守るために、ていねいに確認します。
- 大きな音は撮影している音:耳栓やヘッドホンでやわらげられます。
- 狭いところが苦手でも大丈夫:ブザーやアイマスクがあり、いつでも止められます。
- 体内の機器や手術歴は必ず伝える:ペースメーカーや人工関節は、予約の段階で申し出てください。
あわせて読みたい検査ガイド
参考文献・公的資料
- [1]一般社団法人 日本磁気共鳴医学会(MRIの安全性に関する指針・声明)
- [2]厚生労働省 令和8年度診療報酬改定について(第4部 画像診断 E202・E203)
- [3]画像診断の診療報酬|CT・MRI・X線・超音波の点数体系(当サイト)
確認日 2026年9月27日。費用は3割負担のときの目安で、実際の金額は医療機関や検査の内容によって変わります。検査を受けられるかどうかは、必ず主治医・検査を行う医療機関の指示に従ってください。








