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RADITECH MASTER GUIDE
画像診断の診療報酬
CT・MRI・一般撮影・超音波・核医学 ─ 点数体系と算定の型
RadiTech ─ 診療放射線技師のための算定講座 令和8年度(2026年6月)改定対応 疑義解釈 その2 反映
保存版・モダリティ別 点数ボード付き
「この検査、何点?」に現場で即答する
CT・MRI・一般撮影・マンモグラフィ・超音波・核医学・血管造影・心カテまで ─ 診断料と撮影料の全体構造から画像診断管理加算まで、この1本で

画像診断の診療報酬は「撮影料+診断料+管理加算」の三層で組み立てられています。しかも、CT・MRIは装置の列数や磁場強度で、一般撮影はアナログかデジタルかで、超音波は部位で点数が変わる──覚えることが多いわりに、体系立てて学ぶ機会はほとんどありません。

本記事は、令和8年度(2026年6月適用)改定後の医科点数表を一次資料として、放射線部門で扱う全モダリティの点数をモダリティ別の縦組み「点数ボード」に整理しました。128列CT区分の新設、3T MRIの増点、FFRCTの再編など改定のポイントと、厚生労働省の疑義解釈(事務連絡)で確定した実務ルールも収録しています。

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この記事は、後輩技師の素朴な疑問に先輩メンターが答えていく対話形式で進みます。2人の会話をたどれば全体像がつかめます。

質問役・後輩技師
LINA(リナ)
リナ

算定のことになると急に自信がなくなる後輩技師。「わからない」を素直に質問する立場です。(吹き出し左側)

解説役・先輩メンター
YUN(ユン)
ゆん

現役のベテラン診療放射線技師。制度と算定の話をやさしく噛み砕いて解説します。(吹き出し右側)

1. まず全体構造 ─ 画像診断は「三層」でできている

リナ

ゆんさん、レセプトを見ると同じ胸部X線でも点数の内訳がいくつも並んでいて…。画像診断の点数って、どういう仕組みなんですか?

ゆん

いい着眼点だね。画像診断の費用は「撮影料」「診断料」「管理加算」の三層構造になっているんだ。まずこの骨組みを押さえると、どのモダリティでも迷わなくなるよ。

▸ 画像診断の三層構造(費用の組み立て)
  • ① 撮影料 ─ 撮影という行為そのもの。一般撮影ならE002、CTならE200、MRIならE202
  • ② 診断料 ─ 画像を読んで診断する評価。一般撮影はE001(写真診断)、CT/MRIはE203(コンピューター断層診断・月1回450点)、核医学はE102
  • ③ 管理加算 ─ 読影体制への上乗せ評価。画像診断管理加算1〜4(通則)と電子画像管理加算(各節)
リナ

じゃあ胸部X線1枚でも「E001+E002+電子画像管理加算」みたいに積み上がってるんですね。あれ…でも超音波はどうなるんですか?

ゆん

鋭い!実は超音波は画像診断(E)ではなく検査の部(D215)に属しているんだ。だから診断料や画像診断管理加算の仕組みの外側にいる。ここは試験にも実務にも効く豆知識だよ。

2. モダリティ別 点数ボード

タブを切り替えて、各モダリティの点数を確認してください。点数はすべて令和8年度(2026年6月適用)医科点数表の原文から転記しています。

コンピューター断層撮影(CT撮影) E200・一連につき
1. CT撮影 イ〜ニは要届出
イ 128列以上・共同利用施設 新設1,120
イ 128列以上・その他 新設1,100
ロ 64列以上128列未満・共同利用施設1,020
ロ 64列以上128列未満・その他1,000
ハ 16列以上64列未満900
ニ 4列以上16列未満750
ホ イ〜ニ以外560
2. 脳槽CT撮影(造影を含む)
脳槽CT2,300
関連区分
血流予備量比CT解析(FFRCT・月1回)要届出7,800
非放射性キセノン脳血流動態検査(E201)2,000
コンピューター断層診断(E203・月1回)450
主な加算(E200 注3〜注7)・節通則
造影剤使用 +500 冠動脈CT +600 外傷全身CT +800 大腸CT(イ・ロ)+620 大腸CT(ハ)+500 電子画像管理 +120 新生児 +80/100 乳幼児 +50/100 幼児 +30/100

※「共同利用施設」区分は共同利用の届出又は他院からの依頼撮影が算定条件。128列以上の区分は令和8年度改定で新設(+100点)。64列以上で施設基準に適合しない場合は「ハ」で届け出て「ハ」を算定。小児の頭部外傷に対するCTは加算割合がそれぞれ85/55/35に引き上げ。同一月2回目以降のCT・MRIは所定点数の80/100(節通則2)。

問63 疑義解釈 その2(R8.4.1)・医科 CT撮影

「128列以上」のカウント方法 ─ 複数管球はどう数える?

E200で「128列以上のマルチスライス型の機器による場合」とあるが、「128列以上」とは、X線管球1回転当たりに体軸方向に128列以上、又は複数のX線管球の装置においては合わせて128列以上のデータ収集機構によるものと考えてよいか。
そのとおり。
かみくだくと デュアルソースCTのように管球が2つある装置は、2管球の合計で128列以上あれば新設の「イ」区分(1,100〜1,120点)を算定できるという確認です。自施設の装置構成でどの区分に届け出るかを見直すきっかけになります。
問64 疑義解釈 その2(R8.4.1)・医科 血流予備量比CT解析

FFRCTの再編 ─ 6月からは「3点セット」で積み上げる

E200-2 血流予備量比コンピューター断層撮影解析について項目名・算定要件が変更されたが、令和8年5月31日以前に旧「E200-2」で算定していた診療行為は、6月1日以降は「E200」CT撮影(一連につき)+「注4」冠動脈CT撮影加算+「E200-2」解析を算定するのか。
そのとおり。
かみくだくと 旧制度で1本にまとまっていたFFRCTが、令和8年6月から「CT撮影本体+冠動脈CT加算(+600点)+解析料(7,800点)」の3点セットで積み上げる形に変わりました。64列以上CT(その他)なら 1,000+600+7,800=9,400点+E203診断料450点という組み立てです。
リナ

うちのデュアルソースCT、64列×2管球だから「イ」でいけるんですね!届出の見直し、医事課に聞いてみます。

ゆん

そう、+100点×年間の件数だから経営インパクトは大きいよ。ただし届出が前提だから、装置更新や増設のときは施設基準の再確認をセットにしよう。

磁気共鳴コンピューター断層撮影(MRI撮影) E202・一連につき
撮影料 1・2は要届出
1 3テスラ以上・共同利用施設 新設1,720
1 3テスラ以上・その他 新設1,700
2 1.5テスラ以上3テスラ未満1,330
3 1又は2以外900
コンピューター断層診断(E203・月1回)450
主な加算(注3〜注10)・節通則
造影剤使用 +250 心臓MRI +400 乳房MRI +100 頭部MRI +100 全身MRI +600 肝エラストグラフィ +600 小児鎮静下MRI 所定点数の+80/100 電子画像管理 +120

※3T以上の新しい点数水準(1,600→1,700/1,620→1,720)は令和8年度改定で新設。施設基準に該当しない3T装置は「2」として届出のうえ「2」を算定。心臓MRI加算は1.5T以上、頭部MRI加算・全身MRI加算・肝エラストグラフィ加算・小児鎮静下MRI加算はいずれも施設基準の届出が必要。MRI対応ペースメーカー等の植込み患者の撮影は、関係学会「心臓植込みデバイス患者のMRI検査に関する運用指針」を満たす施設で行う。

リナ

3Tの点数、1,700点に上がったんですね。あと「小児鎮静下MRI加算」って、鎮静すれば必ず取れるんですか?

ゆん

要件があるよ。15歳未満・麻酔下の鎮静・複数領域を1回で一連撮影、そして施設基準の届出。「鎮静=加算」ではなく、条件を満たした撮影設計とセットなんだ。所定点数の8割という大きな加算だから、要件確認は慎重にね。

一般撮影(診断料+撮影料) E001+E002
診断料(E001 写真診断)
1 単純撮影 イ(頭部・胸部・腹部・脊椎)85
1 単純撮影 ロ(その他の部位)43
2 特殊撮影(一連につき)96
3 造影剤使用撮影72
撮影料(E002・アナログ/デジタル)
1 単純撮影60 / 68
2 特殊撮影(一連につき)260 / 270
3 造影剤使用撮影144 / 154
加算
新生児 +80/100 乳幼児(3歳未満)+50/100 幼児(3〜6歳未満)+30/100 脳脊髄腔造影剤使用撮影 +148 間接撮影 所定点数の50/100
電子画像管理加算(第1節通則4・一連につき)
単純撮影 +57 特殊撮影 +58 造影剤使用撮影 +66
関連区分
透視診断(E000)110
基本的エックス線診断料(E004・特定機能病院入院・4週以内/超)55 / 40点/日

※逓減の骨子:同一部位・同時・同一方法は2〜5枚目の診断料・撮影料が50/100、6枚目以降は算定不可(通則3)。同一部位に2種以上の撮影を行った場合は第2の診断料以降が50/100(通則2)。乳房撮影(306点+192/202点・電子画像管理54点)はマンモグラフィタブ参照。心臓・冠動脈造影はD206、胆管・膵管造影はD308に包括。

請求の実際 ─ 枚数・逓減・端数処理 E001+E002+通則
例1 胸部単純 正面1方向(デジタル・電子画像管理)
診断料85+撮影料68+電子画像管理57210
例2 頭部単純 2方向(デジタル)─ 通知(9)の公式計算例
診断料:85+85×0.5=127.5 →(四捨五入)128
撮影料:68+68×0.5102
電子画像管理加算(一連につき1回)+57
合計287
例3 同一方法で枚数が増えた場合
2〜5枚目の診断料・撮影料各50/100
6枚目以降の診断料・撮影料算定不可

※端数処理は「点数計算の最後」に四捨五入〔通知(9)〕。85×0.5=42.5点をその都度丸めるのではなく、127.5点まで計算してから128点にする。フィルムの扱い:電子画像管理加算を算定した場合フィルム費用は算定不可(併算定禁止)。フィルム運用時はE400により材料価格を10円で除した点数(6歳未満の胸部・腹部単純撮影は×1.1)で算定するが、電子管理が主流の現在は使用場面が限られるため、本記事ではフィルム価格表は割愛する。

📎 通知の追記 ─ 現場で効く運用ルール(保医発0305第6号)

  • 再撮影の費用は算定できない。患者の故意・重大な過失による場合を除き医療機関の負担〔通知(1)〕
  • 「同一の部位」=腎と尿管、胸椎下部と腰椎上部のように同一フィルム面に撮影し得る範囲。食道・胃・十二指腸、血管系、リンパ管系、脳脊髄腔はそれぞれ全体で1部位扱い〔通知(2)〕
  • 「同時」=診断のため予定される一連の経過内。造影後2〜3時間後のレリーフ像も「同時」扱いで50/100。第1の診断の結果、別種の撮影の必要を認めて行う第2の撮影は逓減なし〔通知(3)〕
  • 特殊撮影・乳房撮影・心臓冠動脈造影はフィルム枚数にかかわらず一連1回。両側肺野の断層など部位が異なる場合は部位ごとに1回(乳房を除く)〔通知(6)〕
  • 耳・肘・膝など対称部位の健側を対照として撮影する場合も、同一部位の同時撮影と同じ扱い〔通知(8)〕
  • 逓減判定上、デジタルとアナログは区別しない(同じ「単純撮影」なら同一の方法)〔通知(4)(5)〕
  • 電子画像管理加算は同時に2種類以上の撮影をした場合、主たる撮影の点数のみ。他院撮影フィルムの診断のみでは算定不可〔電子画像管理の通知(2)(3)〕
リナ

胸部正面1枚だと「85+68+57=210点」、2方向なら端数を最後に丸めて287点…。「42.5点を先に43点にしない」って、知らないと1点ズレるところでした。

ゆん

そう、端数処理は「計算の最後に1回だけ」が公式ルール。それと再撮影ぶんは請求できない(原則、施設側の負担)というのも技師には重い話。ポジショニングの1回目精度が、そのまま収益と被ばくの両方に効いてくるんだよ。

乳房撮影(マンモグラフィ) E001-4/E002-4・一連につき
診断料+撮影料(一連につき)
写真診断 4 乳房撮影(E001)306
撮影 4 乳房撮影(E002・アナログ/デジタル)192 / 202
加算・電子画像管理
乳房トモシンセシス(E002注6)+100 電子画像管理加算(乳房)+54 新生児 +80/100 乳幼児 +50/100 幼児 +30/100
算定の組み立て例
デジタルマンモ一式(306+202+54)562
トモシンセシス併用(562+100)662
関連(乳房画像の他モダリティ)
乳房MRI撮影加算(E202注5・要届出)+100
乳房用ポジトロン断層撮影(E101-5)4,000

※「一連につき」のため、両側・複数方向・フィルム枚数にかかわらず算定は1回〔通知(6):乳房撮影は撮影部位が異なる場合でも一連1回〕。保険のマンモグラフィは診療(症状・精査目的)に対するもので、対策型乳がん検診(自治体・職域)は保険外の委託料金で運用される点に注意。

リナ

マンモって左右2方向ずつ撮るのに、「一連」だから全部まとめて1回分なんですね…!トモシンセシスの+100点は忘れず取らないと。

ゆん

そう、この「一連」の考え方が乳房撮影の肝だよ。それと検診のマンモは保険診療ではないから、点数表の世界の外側。ここを混同すると受付で混乱するので要注意だね。

超音波検査 D215(第3部 検査)
断層撮影法(心臓超音波検査を除く)
胸腹部530
下肢血管450
その他(頭頸部・四肢・体表・末梢血管等)350
訪問診療時(月1回)400
心臓超音波検査
経胸壁心エコー法880
Mモード法500
経食道心エコー法1,800
胎児心エコー法(月1回・要届出)300
負荷心エコー法2,010
ドプラ法(1日につき)ほか
Aモード法150
胎児心音観察・末梢血管血行動態検査20
脳動脈血流速度連続測定150
脳動脈血流速度マッピング法400
血管内超音波法4,290
残尿測定検査(D216-2・月2回まで)
超音波検査によるもの(残尿エコー)55
導尿によるもの45
加算
造影剤使用(断層・心臓)+180 パルスドプラ法 +150 胎児心エコー法診断 +1,200 微小栓子シグナル(HITS/MES)+150

※超音波は検査の部(D)のため、画像診断管理加算・電子画像管理加算の対象外。残尿測定検査(D216-2)はD215とは別区分で、対象は前立腺肥大症・神経因性膀胱・過活動膀胱。超音波・導尿を同一日に行った場合は主たるもののみ算定。心臓超音波検査に伴う心電図・心音図等の費用は所定点数に含まれる。血管内超音波法は透視・造影剤注入手技・造影剤使用撮影・エックス線診断の費用まで包括。

リナ

腹部エコーが530点で「その他」が350点…。同じ装置なのに部位で点数が違うんですね。エコーには電子画像管理加算は付かないんですか?

ゆん

付かないんだ。電子画像管理加算は画像診断の部(E)の通則にある加算だから、検査の部にいる超音波は対象外。「エコーは検査」──これを覚えておくと、加算の可否で迷わなくなるよ。

シンチグラム・SPECT E100/E101・一連につき
シンチグラム 部分(静態)1,300
シンチグラム 部分(動態)1,800
シンチグラム 全身2,200
SPECT(同一RIの一連につき)1,800
甲状腺RI摂取率測定 +100 断層撮影負荷試験(SPECT)+50/100 新生児 +80/100 乳幼児 +50/100 幼児 +30/100
PET・複合撮影 E101-2〜E101-5・一連の検査につき
PET(E101-2)
18FDG7,500
15O標識ガス剤7,000
13N標識アンモニア剤9,000
アミロイドPET(合成設備/それ以外)12,500 / 2,600
PSMAイメージング剤2,780
PET/CT(E101-3)
18FDG8,625
アミロイドPET(合成設備/それ以外)13,625 / 3,725
PSMAイメージング剤3,905
PET/MRI(E101-4)・乳房用PET(E101-5)
PET/MRI 18FDG9,160
乳房用PET4,000
診断料・節通則
核医学診断(E102・PET系・月1回)450
核医学診断(E102・上記以外・月1回)370
電子画像管理(一連1回)+120 PET系 小児加算(新生児)+1,600 同(乳幼児)+1,000 同(幼児)+600

※PET系(E101-2〜4)は施設基準の届出がない場合、所定点数の80/100で算定(小児加算も減額)。同一RIでD292・D293の検査と核医学診断を併施した場合は主たるもののみ算定(第2節通則1)。RIの薬剤費は別途薬価算定、注入手技料は所定点数に含まれる。

RI薬剤(放射性医薬品)の算定ルール

▸ 薬剤料の3原則
  • 放射性医薬品の薬剤料は「使用薬剤の薬価(薬価基準)」で算定 ─ 技術料(E100〜E101-5)とは別建て。薬価は改定・銘柄で変わるため、常に最新の薬価基準を参照する
  • RIの注入手技料は所定点数に含まれる(E100注4・E101注4ほか)─ 注射手技を別に算定しない
  • 18FDG等の合成・注入費用は技術料に包括(E101-2〜4の注1)─ 院内サイクロトロン合成のコストは別算定不可。市販(デリバリー)製剤を使用した場合の薬剤料は薬価基準による

代表的な放射性医薬品と対応する検査(一般名ベース)

  • 99mTc-MDP ─ 骨シンチグラフィ/99mTc-MAA ─ 肺血流シンチ
  • 99mTc-ECD・99mTc-HMPAO ─ 脳血流SPECT/99mTc-MIBI・201Tl ─ 心筋血流
  • 123I-MIBG ─ 心筋交感神経・褐色細胞腫/123I-イオフルパン ─ DATスキャン
  • 67Gaクエン酸 ─ 炎症・腫瘍シンチ/131I ─ 甲状腺(内用療法の管理料は放射線治療編M000-2参照)
  • 18F-FDG ─ PET(腫瘍・炎症・心サルコイドーシス等)/アミロイドPET製剤・PSMA製剤 ─ 認知症・前立腺癌の新しい適応

※レセプトでは検査ごとに使用薬剤名・数量の記載が必要。半減期の短い製剤はキャンセル時の扱い(薬剤廃棄)も院内ルールを決めておくとトラブルを防げる。

リナ

RIの薬って点数表に載ってないから不思議だったんです。技術料は点数表、薬剤料は薬価基準って、参照する本が違うんですね。

ゆん

その通り。そして注入の手技料は技術料に込みFDGの院内合成コストも込み。「何が包括で、何が別建てか」を薬剤の面でも整理しておくと、核医学のレセプトは怖くないよ。

造影剤注入手技 E003
動脈造影カテーテル法(選択的血管造影)4,320
動脈造影カテーテル法(上記以外)1,180
静脈造影カテーテル法3,600
腔内注入・穿刺注入(注腸)360
腔内注入・穿刺注入(その他)120
嚥下造影240
血流予備能測定検査 +400 頸動脈閉塞試験(マタス試験)+1,000

※点滴注射はG004、動脈注射はG002の所定点数で算定。内視鏡下の造影剤注入は各内視鏡検査(D302・D318)の所定点数による。心臓・冠動脈造影はE003ではなくD206心臓カテーテル法に包括(造影撮影・注入手技の費用を含む)。

リナ

血管造影で「選択的」だと4,320点、そうでないと1,180点…。カテーテルをどこまで進めたかで3倍以上違うんですね。

ゆん

そう、主要血管の分枝まで選択的に造影したかが分かれ目。それと心カテ関連は画像診断側では算定せずD206に丸ごと包括される──ここは検査室と放射線部門の連携で確認し合うポイントだよ。

心臓カテーテル法による諸検査 D206・一連の検査について
基本点数
1 右心カテーテル3,600
2 左心カテーテル4,000
新生児・乳幼児加算(注1・3歳未満)
右心(新生児/乳幼児)+10,800 / +3,600
左心(新生児/乳幼児)+12,000 / +4,000
検査手技の加算(注2)
冠動脈造影 +1,400 ブロッケンブロー +2,000 卵円孔・欠損孔 +800 期外刺激法 +800 冠攣縮誘発薬物負荷試験 +800 伝導機能検査 +400 ヒス束心電図 +400 診断ペーシング +400 冠微小循環評価 +150
画像・機能評価の加算(注3〜注6)
血管内超音波(IVUS)+400 血管内光断層撮影(OCT)+400 血管内近赤外線分光(NIRS)+400 冠動脈血流予備能測定(FFR)+600 循環動態解析装置(FFR)+7,200 血管内視鏡 +400

※D206は「一連の検査について」の算定。心臓・冠動脈造影の造影剤使用撮影・造影剤注入手技・エックス線診断はD206に包括され、画像診断側(E001/E002/E003/E200系)で重ねて算定できない。カテ室で技師が担う透視・撮影・画像記録はこの一連の中で評価されている。NIRSは日本心血管インターベンション治療学会の適正使用指針の遵守が要件(疑義解釈 その2 問107)。

請求の実際 ─ 症例別の組み立て例 D206+材料・薬剤
例1 不安定狭心症(急性冠症候群)の緊急CAG
左心カテーテル4,000
+冠動脈造影加算+1,400
+血管内超音波(IVUS)を実施した場合+400
手技料 小計(IVUSまで実施時)5,800
例2 冠攣縮性狭心症疑い(薬物負荷)
左心カテ+冠動脈造影+冠攣縮誘発薬物負荷試験6,200
+冠微小循環評価(狭窄なし・虚血症状ありの場合)+150
例3 心不全の血行動態評価
右心カテーテル(スワン・ガンツ)3,600

※実際のレセプトは手技料だけではなく、①特定保険医療材料(血管造影用シースイントロデューサー・カテーテル・ガイドワイヤー等=材料価格基準)と②薬剤料(ヨード造影剤・ヘパリン等=薬価基準)を併せて算定する。大動脈造影・肺動脈造影を行ってもD206に含まれ、エックス線診断の費用は別に算定しない〔通知(1)〕。心筋生検はD417組織試験採取を併算定〔通知(7)〕。右心・左心を同時に行っても各注加算は1回限り〔通知(5)〕。循環動態解析装置によるFFRはFFRCT(E200-2)と併算定不可〔通知(3)〕。NIRSの対象は急性冠症候群で罹患枝2枝以上、又は慢性冠症候群で罹患枝2枝以上かつ糖尿病・慢性腎臓病・高コレステロール血症のうち2つ以上〔通知(8)〕。

心臓デバイス関連の主な手術料(参考) K597〜K599-5・第10部 手術
ペースメーカー
移植術(心筋電極)16,870
移植術(経静脈電極)9,520
移植術(リードレス)9,520
交換術(K597-2)4,000
CRT・ICD
両心室ペースメーカー移植術(CRT-P・K598)31,510
植込型除細動器移植術(ICD・心筋/経静脈リード)31,510
同(皮下植込型・胸骨下植込型リード)24,310
両室ペーシング機能付きICD移植術(CRT-D・K599-3)35,200
リード抜去
経静脈電極抜去術(レーザーシース使用/不使用)28,600 / 22,210

※手術料は参考掲載(第2章第10部)。K599-5経静脈電極抜去術は「手術に伴う画像診断及び検査の費用は算定しない」=カテ室の透視・造影も包括。胸骨下植込型リードのICDは日本不整脈心電学会「EV-ICDステートメント」の基準遵守が要件(疑義解釈 その2 問110)。デバイス植込み後のMRI撮影は「MRI対応」条件+関係学会運用指針を満たす施設のみ(MRIタブ参照)。

リナ

カテ室で私たちが回している透視や撮影って、E200やE003じゃなくてD206の「一連」の中で評価されてるんですね。別々に算定したら二重取りになるところでした…。

ゆん

そこがカテ関連の最重要ポイント。「カテの中の画像は包括、カテの外の画像は画像診断」と覚えておこう。デバイス植込みやリード抜去も同じ発想で、手術料の中に画像の費用が織り込まれているんだ。

3. 画像診断管理加算と遠隔読影 ─ 読影体制の評価

画像診断管理加算(第4部 通則4・5・7) 各区分・月1回
画像診断管理加算1(E001/E004・E102・E203 各月1回)70
画像診断管理加算2(E102・E203 各月1回)175
画像診断管理加算2(一部委託を行う場合)166
画像診断管理加算3(E102・E203 各月1回)235
画像診断管理加算4(E102・E203 各月1回)340
時間外緊急院内画像診断加算(1日につき)110

※いずれも「画像診断を専ら担当する常勤の医師」が読影し文書で報告することが基本要件(要届出)。遠隔画像診断では受信側の届出状況に応じて加算1・2・3・4を算定し、「一部委託」の形(送信側が加算2届出+受信側が加算2〜4届出)では166点の新区分を算定する。

問105 疑義解釈 その2(R8.4.1)・医科 画像診断管理加算

加算2「一部委託」への移行に、届出のやり直しは必要か

既に画像診断管理加算2の施設基準の届出を行っている医療機関において、画像診断管理加算2(一部委託を行う場合)を算定する場合、改めて画像診断管理加算2の施設基準の届出を行う必要があるか。
改めて届出を行う必要はない。なお、遠隔画像診断を行う場合は、遠隔画像診断の施設基準の届出を行う必要がある。
かみくだくと 読影の一部を外部へ委託する新しい形(166点)に移るとき、加算2の届出はそのまま使えるという確認です。ただし遠隔画像診断そのものの届出は別途必要──「加算の届出」と「遠隔の届出」は別物、という整理を押さえておきましょう。

4. 算定の落とし穴 ─ 逓減・包括・月1回ルール

⚠ 画像診断でよくある算定ミス
  • 同一月のCT・MRI 2回目以降は80/100(節通則2)─ CTとMRIをまたいでもカウントされる。月初の算定履歴を確認
  • 一般撮影の同一部位・同時・同一方法は2〜5枚目が50/100、6枚目以降は算定不可(第1節通則3)
  • E203(CT/MRI診断料)とE102(核医学診断料)は月1回 ─ 撮影のたびに算定しない
  • 心臓・冠動脈造影の撮影・注入手技はD206心臓カテーテル法に包括 ─ E200系・E003で重ねて算定しない
  • 経静脈電極抜去術(K599-5)は手術に伴う画像診断・検査が包括 ─ カテ室の透視・造影を別に算定しない
  • 血管内超音波法(D215)は透視・造影剤使用撮影・エックス線診断まで包括
  • 電子画像管理加算を算定したらフィルム費用は算定不可。乳房撮影の電子画像管理は54点(単純の57点と混同しない)
  • PET系は施設基準未届出だと80/100に減額 ─ 新規導入時は届出前の算定に注意
リナ

「同一月2回目のCTが8割」って、先月のMRIも数えるんですか…!てっきりCTはCT、MRIはMRIで別々だと思ってました。

ゆん

同じ月の中でならCT→MRIの順でも2回目扱いで80/100になるんだ(通則の「E200及びE202を同一月に2回以上」)。フォローアップ撮影の月をまたぐかどうかで収益が変わる、現場が知っておくべきルールだね。

5. 実務で役立つ算定チェックリスト

撮影前チェック

  • ✅ 施設基準の届出区分(CT列数・MRI磁場強度)と装置構成は一致しているか
  • ✅ 共同利用施設区分(CT・MRI)の算定条件(届出又は依頼撮影)を満たすか
  • ✅ 同一月内のCT・MRI算定履歴(2回目以降80/100)を確認したか

算定時チェック

  • ✅ 造影・冠動脈・大腸・外傷全身など、実施した加算の算定漏れはないか
  • ✅ 一般撮影の枚数逓減(2枚目〜50/100・6枚目〜算定不可)を正しく適用したか
  • ✅ 小児の年齢区分(新生児/乳幼児/幼児)と頭部外傷特例(CT)を確認したか
  • ✅ 電子画像管理加算の区分(単純57/特殊58/造影66/乳房54)は正しいか

月次チェック

  • ✅ E203・E102・画像診断管理加算の「月1回」重複算定はないか
  • ✅ 読影医の文書報告(管理加算の要件)は運用できているか
  • ✅ 最新の疑義解釈(事務連絡)の発出を確認したか

まとめ ─ 「三層構造×モダリティの型」で覚える

本稿の要点
  • 画像診断の費用は「撮影料+診断料+管理加算」の三層で組み立てる
  • 令和8年度改定の目玉は128列CT区分の新設(+100点)と3T MRIの増点(+100点)、FFRCTの3点セット再編
  • 超音波は検査の部(D215)─ 画像診断管理加算・電子画像管理加算の対象外
  • 同一月CT・MRI2回目80/100、一般撮影の枚数逓減、月1回の診断料 ─ 逓減・包括ルールが査定対策の要
  • 疑義解釈(その2 問63・64・105ほか)で128列カウント・FFRCT・一部委託などの実務が確定
リナ

「三層構造」と「モダリティごとの型」で考えたら、バラバラだった点数が急につながって見えてきました。点数ボード、検査室に貼っておきたいです!

ゆん

その調子!算定の仕組みがわかる技師は、装置更新の提案でも読影体制の相談でも頼られる存在になる。放射線治療編とあわせて、部門全体の診療報酬を武器にしていこう。

※ 本記事の点数は令和8年度(2026年6月1日適用)医科診療報酬点数表(E000〜E203・D215・第4部通則・各節通則)に基づいています。実際の算定は最新の告示・通知・疑義解釈に従ってください。放射線治療の点数体系は姉妹記事 【放射線治療の診療報酬】基礎から学ぶ点数と算定ルール をご覧ください。

📚 参考文献・出典

[1] 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00074.html
[2] 令和8年厚生労働省告示第69号「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(医科点数表本体)
[3] 保医発0305第6号(令和8年3月5日)「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」
[4] 厚生労働省保険局医療課「疑義解釈資料の送付について(その2)」(令和8年4月1日 事務連絡)医科 問63・問64・問105 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001689076.pdf
[5] 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【全体概要版】」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001701061.pdf

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ゆん
技師歴15年。副業歴5年。投資歴5年。 資格、転職・副業などのキャリア情報と、患者さん向け情報を発信しています。