【第77回国試の残響】午前問題に潜む「魔物」と「聖母」。合否を分けた運命の「難問・良問」を徹底解剖

ゆん
国家試験という戦場には、2種類の問題が存在します。受験生のメンタルを正面からへし折る「魔物」と、合格への架け橋となる「聖母」。第77回国家試験(午前)の戦跡を辿ります。
第77回国家試験(午前)の戦跡を辿ると、勝敗を分けたのは「魔物といかに距離を置き、深入りしなかったか」、そして「聖母がいかに微笑んでいたかを見逃さなかったか」に集約されます。
多くの受験生が涙を呑み、あるいは歓喜した象徴的な設問たちを、Linaの視点でレビューしていきます。
頭蓋底を構成する骨の3次元的把握
【第77回 午前 改変問題】
頭蓋底を構成する骨はどれか。2つ選べ。
- 頰 骨
- 鼻 骨
- 下顎骨
- 後頭骨
- 蝶形骨
💀 受験生が陥る罠:「頭蓋」と「顔面」の混同
頰骨や鼻骨は顔の一部を構成しますが、頭蓋「底」とは脳を下から支える床の部分。頭蓋冠(天井)と頭蓋底(床)の区別、さらに顔面骨との違いを立体的に理解していないと、この問題で躓きます。
頭蓋底は脳を下から支える複雑な構造で、前頭蓋窩・中頭蓋窩・後頭蓋窩の3つの領域に分けられます。

- 後頭骨(正解): 後頭蓋窩の主要構成骨。大後頭孔(大孔)があり、脊髄と脳幹の移行部が通過します。
- 蝶形骨(正解): 中頭蓋窩の中心的な骨。トルコ鞍(下垂体窩)や視神経管、上眼窩裂などの重要構造を持ちます。
- 頰骨: 顔面骨の一つ。眼窩の外側壁を構成しますが、頭蓋底には関与しません。
- 鼻骨: 顔面骨の一つ。鼻背を構成する小さな骨で、頭蓋底とは無関係です。
- 下顎骨: 顔面骨で唯一の可動骨。頭蓋底ではなく、側頭骨と顎関節を形成します。
頭蓋底は「前・中・後」の3階建て構造よ!蝶形骨は「蝶々が羽を広げた形」で中頭蓋窩の中心にドーンと陣取っているの。CT画像で確認すると立体的に理解できるわ!
デジタル断層撮影の原理を理解する
【第77回 午前 改変問題】
トモシンセシスで正しいのはどれか。
- FPDを用いた断層撮影である。
- 乳房用X線装置のみに搭載されている。
- 1回の撮影で1枚の断層画像を取得する。
- 断層振れ角が大きいほど断層厚は厚くなる。
- 目的断面を幾何学的にぼかすことによって断層画像を取得する。
💀 受験生が陥る罠:従来の断層撮影との混同
選択肢5の「目的断面をぼかす」は従来のアナログ断層撮影の原理です。トモシンセシスはデジタル再構成によって断層像を得る全く異なる技術。「断層」という言葉から古い原理を連想してしまう受験生が多いです。
トモシンセシスは、限定された角度範囲で複数の投影画像を取得し、デジタル再構成によって任意の断層面を作成する技術です。
- 1. FPDを用いた断層撮影(○・正解): トモシンセシスはFPD(フラットパネルディテクタ)でデジタルデータを取得し、コンピュータ処理で断層像を再構成します。
- 2. 乳房用のみ(×): 乳房撮影(マンモグラフィ)で有名ですが、胸部X線装置や一般撮影装置にも搭載されています。
- 3. 1回で1枚(×): 1回のスキャンで複数の断層画像を任意の深さで再構成できるのがトモシンセシスの大きな利点です。
- 4. 振れ角大→断層厚厚い(×): 断層振れ角が大きいほど断層厚は薄くなり、深さ方向の分解能が向上します。
- 5. 幾何学的にぼかす(×): これは従来の断層撮影(リニアトモグラフィ)の原理。トモシンセシスはデジタル再構成によって断層像を得ます。
トモシンセシスは「synthesis(合成)」という名前がポイント!デジタルで「合成」して断層を作るの。従来の「ぼかす」断層撮影とは全く違う原理だから混同しないでね!
放射性同位元素等規制法の重要ポイントを押さえる
【第77回 午前 改変問題】
放射性同位元素等規制法で誤っているのはどれか。
- 原子力基本法の精神にのっとっている。
- サイクロトロンは放射線発生装置に該当する。
- 1メガ電子ボルト未満のエネルギーを有するエックス線は放射線の定義に含まれる。
- 放射線障害予防規程を変更した場合、変更の日から30日以内に届け出なければならない。
- 特定放射性同位元素は、人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがあるものである。
💀 受験生が陥る罠:「放射線」の定義の混同
放射性同位元素等規制法(RI規制法)における「放射線」の定義は、医療法や労働安全衛生法とは異なります。RI規制法では1MeV未満のX線は放射線に含まれません。法律ごとの定義の違いを正確に把握することが重要です。
放射性同位元素等規制法では、放射線を以下のように定義しています。
- 1. 原子力基本法(○): RI規制法は原子力基本法の精神にのっとり、放射線障害の防止と公共の安全確保を目的としています。
- 2. サイクロトロン(○): サイクロトロン、ベータトロン、リニアックなどは「放射線発生装置」に該当します。
- 3. 1MeV未満のX線(×・正解): RI規制法では1MeV以上のX線のみが放射線に含まれます。1MeV未満の診断用X線は含まれません。
- 4. 予防規程の届出(○): 放射線障害予防規程を変更した場合、変更の日から30日以内に原子力規制委員会に届け出る必要があります。
- 5. 特定放射性同位元素(○): 放射線が発散された場合に人の健康に重大な影響を及ぼすおそれがある高リスクなRIを指します。
「1MeV」がキーワードよ!RI規制法ではこの閾値未満のX線は規制対象外。だから病院の診断用X線装置はRI規制法ではなく医療法で規制されているの。法律ごとの「放射線」定義の違いは超頻出!
MRIと関連技術の正しい組み合わせを理解する
【第77回 午前 改変問題】
MRIと関連事項の組合せで正しいのはどれか。
- 拡散強調像 ―――――――― TOF法
- 脂肪抑制法 ―――――――― b値
- 非造影灌流MRI ――――――― ASL〈arterial spin labeling〉
- MR hydrography ――――― BOLD効果
- functional MRI ――――――― 化学シフト
💀 受験生が陥る罠:用語の組み合わせ混乱
MRIには様々な撮像法と原理があり、それぞれの組み合わせを正確に覚えていないと混乱します。特に「b値=拡散強調」「BOLD効果=fMRI」「TOF法=MRA」などの基本的な対応関係を整理しておくことが重要です。
MRIの各技術と原理の対応関係を正確に把握しましょう。
- 1. 拡散強調像-TOF法(×): TOF法はMRA(血管撮影)に用いる技術。拡散強調像はb値で特徴づけられます。
- 2. 脂肪抑制法-b値(×): b値は拡散強調像のパラメータ。脂肪抑制は化学シフト(水と脂肪の周波数差)を利用します。
- 3. 非造影灌流MRI-ASL(○・正解): ASL(Arterial Spin Labeling)は動脈血にスピンラベルを付け、造影剤なしで脳血流を評価する技術です。
- 4. MR hydrography-BOLD効果(×): BOLD効果はfMRI(機能的MRI)の原理。MR hydrographyはT2強調の水信号強調技術です。
- 5. functional MRI-化学シフト(×): fMRIはBOLD効果(脱酸素化ヘモグロビンによる磁化率変化)を利用します。化学シフトは脂肪抑制に関連。
MRIの組み合わせ問題は「それぞれ何を見ているか」で覚えるの!ASL=血流、BOLD=脳活動、TOF=血管、b値=拡散。目的と原理をセットで覚えると混乱しないわ!
脳血流SPECTの各製剤の特徴を正確に理解する
【第77回 午前 改変問題】
脳SPECTで正しいのはどれか。
- 123I-IMPは主に線条体に集積する。
- 123I-イオマゼニルは大脳白質に集積する。
- 123I-イオフルパンは投与後速やかに撮影する。
- 99mTc-HMPAOは標識後数時間は安定である。
- 99mTc-ECDは高血流域で血流量を過小評価する。
💀 受験生が陥る罠:製剤の特徴の混同
脳SPECT製剤は複数あり、それぞれ「何を見ているか」「安定性」「撮影タイミング」が異なります。特にイオフルパン(ドパミントランスポーター)とイオマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体)の混同、HMPAOとECDの特性の違いは頻出です。
脳SPECT製剤は目的によって使い分けられます。各製剤の集積部位と特徴を正確に把握しましょう。
- 1. 123I-IMP=線条体(×): IMPは脳血流製剤で、大脳皮質全体の血流を評価します。線条体に集積するのはイオフルパンです。
- 2. イオマゼニル=大脳白質(×): イオマゼニルはベンゾジアゼピン受容体に結合し、大脳皮質(灰白質)に集積します。白質には受容体がほとんどありません。
- 3. イオフルパン=速やかに撮影(×): イオフルパンは投与後3〜6時間待ってから撮影します。線条体への集積に時間がかかるためです。
- 4. HMPAO=数時間安定(×): 99mTc-HMPAOは標識後30分程度で安定性が低下するため、速やかに投与する必要があります。
- 5. ECD=高血流で過小評価(○・正解): 99mTc-ECDは血流量と集積の関係が直線的でなく、高血流域では頭打ち(過小評価)になる特性があります。
イオフルパン=「フルパン(DAT)」=線条体、イオマゼニル=「ゼニル(BZ受容体)」=皮質。HMPAOは「不安定」、ECDは「高血流で頭打ち」と覚えて!製剤ごとの個性をつかむのがコツよ!
試験本番の午前中、あなたの脳内はアドレナリンと不安で「超高コントラスト」状態になっているの。
でも、パニックこそが最大のアーティファクト。私が実践した『午前中のタイムマネジメント・プロトコル』を伝授するね。
※ 第77回:100問・2時間35分(9:30~12:05)
最初の30問は「聖母」を探せ。魔物は即スルーよ!
全100問を一周。自信がある問題だけで50点以上を確保。
捨て問候補と格闘開始。消去法をフル回転!
マークミスは1点でも命取り。最優先でチェックよ。
終わったことは忘れて!午後のために「脳のクールダウン」を開始。
試験開始直後、いきなり難しい問題(計算や複雑な解剖)に出会っても、「ああ、これは魔物ね。後で診てあげるから待ってなさい」と心の中でスルーしてください。まずは3秒で解ける問題を確実に仕留める。これで脳に「成功体験」が蓄積され、アルファ波が出てきます。
国家試験は、100点を取る必要はありません。6割、つまり200点中120点取れば、あなたは「先生」と呼ばれる資格を手にします。だから、わからない問題が3割あっても「計画通り!」と笑える精神を持ちましょう。
試験が終わった直後、友達と答え合わせをするのは絶対にダメ!もし間違えていたことがわかったら、午後のメンタルに「不可逆的なダメージ」を与えます。昼休みはデジタルデトックスをして、糖分を補給して、午後への「照射準備」に専念すること!
お疲れ様!ここまで読んでくれたあなたは、単なる知識の暗記じゃなく「出題者が何を求めているか」が見えてきたはずよ。
第77回(午前)の全体的な傾向はね、「基礎知識の正確な理解」を問う問題が多かったわ。
頭蓋底の構成骨、トモシンセシスの原理、RI規制法の放射線定義、MRI関連用語の対応、脳SPECT製剤の特徴…どれも「なんとなく」ではなく「正確に」理解していないと解けない問題ばかり。
さあ、深呼吸して。この残響を力に変えて、次の過去問へ照射開始!


















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