診療放射線技師 養成校ランキング2026【3年合格率+偏差値で読み解く】

「合格率100%」——養成校のパンフレットに並ぶこの数字だけで、学校は選べません。全国67施設[7]の最新データを、新卒合格率の3年平均・偏差値・学費という3つの軸で並べ直すと、パンフの一行では見えなかった学校の実力が姿を現します。この記事では、受験生のエミが抱く不安に現役技師のリナが答えながら、数字の裏側を読み解く5つの原則から、文系からの受験対策・志望理由書の書き方までを一気に見ていきます。
- 2ルート:大学(4年制・約50校)/専門学校(3年制・約17校)。合計約67施設[7]
- 第78回合格率:76.2%。新基準への移行期で一時的に低下したが、長期では8割前後で推移[1]
- 新卒合格率:大学86.5%/専門学校73.6%。「全体」と「新卒」を分けて見るのがコツ[1]
- 低合格率の読み方:大阪大61.1%には大学院進学者の多さなど構造的理由が。九州大・熊本大は3年連続90%超[1][2][3]
- 学費:国立大4年で約219万円/私立大4年で430〜720万円/専門学校3年で約360〜500万円。奨学金併用で実質負担は減らせる[6]
- 足切りの誤解:診療放射線技師国試に必修問題区分はなく、科目別足切りは「0点科目1科目以下」のみ[4]
第78回 新卒合格率
第78回 新卒合格率
(新卒ベース)
この記事はシリーズ第4回。第3回で「大学/専門学校」の岐路を学んだエミが、いよいよ具体的な養成校選びに踏み込みます。全国67施設のデータから「自分に合う1校」を見抜く眼を、リナと一緒に身につけていきましょう。
CHAPTER 01「合格率100%」の罠
パンフレットの大きな数字は、どこまで信じていいのか。まずはその前提から。
養成校選びで、多くの受験生が最初に目を留めるのが「国家試験合格率」です。パンフレットの表紙に大きく刷られた「合格率100%」という数字は、たしかに魅力的に見えます。しかし、その数字だけで学校を決めるのは危険です。
全国67施設の最新データから「自分に合った養成校」を選ぶための5つの読み方を身につけ、オープンキャンパスで何を聞けばいいかが分かるようになること。
- 第1種放射線取扱主任者:放射線施設の安全管理責任者になれる国家資格。技師の上位資格の一つ。
- 医学物理士:放射線治療の精度を支える専門職。大学院修士以上が必要。
- 新出題基準:国家試験の出題範囲を定めた厚生労働省の告示。約10年ごとに改定される。
CHAPTER 02全国67施設マップ
大学か専門学校か。まずは全体像を俯瞰して、選択肢の地図を手に入れよう。
養成校の数の内訳
| 区分 | 校数 | 監督官庁 |
|---|---|---|
| 国立大学 | 11校 | 文部科学大臣 |
| 公立大学 | 4校前後 | 文部科学大臣 |
| 私立大学 | 35校前後 | 文部科学大臣 |
| 専門学校・短大 | 17校(うち厚生労働大臣指定13校) | 厚生労働大臣 |
| 合計 | 約67施設 | — |
※全国診療放射線技師教育施設協議会の会員校ベースの集計[7]。第78回国試で実際に受験者を出した実校数は62校[1]。
2ルートの基本スペック
CHAPTER 03偏差値ランキング
2026年度版。国公立・私立・専門学校それぞれの難易度と合格実績を並べて見る。
偏差値は河合塾Kei-Net・みんなの大学情報の集計値(2025〜2026年度版)[8][9][10]。すべて医学部「保健学科」など診療放射線技師養成課程の偏差値で、医師養成課程(医学科)とは別の数値帯です。学校の「教育の質」を示すものではなく、入試難易度の目安としてご活用ください。
厚生労働省が第78回の学校別結果を公表した54校をすべて掲載しています(国公立15・私立25・専門14)。養成校は全国に約67施設ありますが[7]、その年に受験者がいない学校は結果が公表されないため、この表には現れません。
並び順は大学が偏差値順、専門学校が地域順です。合格率の高い順には並べていません。合格率は受験者数によって大きく振れる数値で、順位として読むものではないからです。たとえば受験者38人の学校では、1人の合否で約2.6ポイント動きます。
合格率は単年ではなく平均で載せています。ある年だけ数字が下がることは珍しくなく、単年の数値だけを見ると実像から離れてしまうためです。各セルには何年分の平均かを添えました。第76回は専門学校の学校別データが公表されていないため、専門学校は2年分の平均になります。
3-1:国公立大学(15校)
| 大学名 | 新卒合格率(平均) | 区分 | 偏差値 | 国試 受験者数(新卒) |
|---|---|---|---|---|
| 名古屋大学 医学部保健学科 | 86.5%3年平均 | 国立 | 57.5 | 40人 |
| 大阪大学 医学部保健学科 | 79.0%3年平均 | 国立 | 57.5 | 36人 |
| 東北大学 医学部保健学科 | 89.7%3年平均 | 国立 | 55.0 | 39人 |
| 東京都立大学 健康福祉学部 | 90.8%3年平均 | 公立 | 55.0 | 42人 |
| 九州大学 医学部保健学科 | 95.6%3年平均 | 国立 | 55.0 | 28人 |
| 熊本大学 医学部保健学科 | 95.6%3年平均 | 国立 | 55.0 | 42人 |
| 群馬県立県民健康科学大学 | 98.2%3年平均 | 公立 | 54.0 | 37人 |
| 茨城県立医療大学 | 95.9%3年平均 | 公立 | 54.0 | 41人 |
| 北海道大学 医学部保健学科 | 89.5%3年平均 | 国立 | 52.5 | 32人 |
| 弘前大学 医学部保健学科 | 90.8%3年平均 | 国立 | 47.5〜52.5 | 43人 |
| 新潟大学 医学部保健学科 | 87.4%3年平均 | 国立 | 52.5 | 38人 |
| 金沢大学 医薬保健学域 | 98.3%3年平均 | 国立 | 52.5 | 40人 |
| 岡山大学 医学部保健学科 | 87.9%3年平均 | 国立 | 52.5 | 39人 |
| 徳島大学 医学部保健学科 | 85.0%3年平均 | 国立 | 52.5 | 40人 |
| 福島県立医科大学 保健科学部 | 98.0%2年平均 | 公立 | 50.0 | 25人 |
※偏差値は河合塾Kei-Net・みんなの大学情報の集計値[8][9][10]。合格率は厚生労働省の学校別発表(新卒)[1][2][3]。第76回は専門学校の学校別データが公表されていないため、専門学校は2年分の平均です。
3-2:私立大学(25校)
合格率は年度によって上下します[1][2][3]。1年だけで判断せず、3年平均のトレンドで評価するのが受験のプロの見方。気になる学校があれば、必ずオープンキャンパスで「過去5年の推移」を聞いてみてください。
| 大学名 | 新卒合格率(平均) | 偏差値 | 国試 受験者数(新卒) | 4年学費 |
|---|---|---|---|---|
| 北里大学 医療衛生学部 | 91.5%3年平均 | 52.5 | 69人 | 約720万 |
| 北海道科学大学 保健医療学部 | 98.0%3年平均 | 50.0 | 51人 | 約650万 |
| 帝京大学 医療技術学部 | 84.1%3年平均 | 50.0 | 100人 | 約700万 |
| 杏林大学 保健学部 | 98.1%3年平均 | 50.0 | 52人 | 約650万 |
| 順天堂大学 保健医療学部 | 97.0%3年平均 | 50.0 | 117人 | 約630万 |
| 駒澤大学 医療健康科学部 | 91.1%3年平均 | 47.5 | 49人 | 約620万 |
| 国際医療福祉大学 保健医療学部 | 90.5%3年平均 | 47.5 | 105人 | 約560万 |
| 日本医療科学大学 保健医療学部 | 94.2%3年平均 | 47.5 | 84人 | 約530万 |
| 国際医療福祉大学 成田保健医療学部 | 93.4%3年平均 | 47.5 | 51人 | 約560万 |
| 藤田医科大学 医療科学部 | 92.5%3年平均 | 47.5 | 84人 | 約650万 |
| 神戸常盤大学 保健科学部 | 94.4%3年平均 | 47.5 | 79人 | 約530万 |
| 広島国際大学 保健医療学部 | 89.7%3年平均 | 47.5 | 67人 | 約580万 |
| 川崎医療福祉大学 医療技術学部 | 97.8%3年平均 | 47.5 | 65人 | 約560万 |
| 群馬パース大学 医療技術学部 | 87.2%3年平均 | 45.0 | 71人 | 約540万 |
| 鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部 | 89.9%3年平均 | 45.0 | 99人 | 約540万 |
| 岐阜医療科学大学 保健科学部 | 92.8%3年平均 | 42.5 | 96人 | 約570万 |
| 京都医療科学大学 医療科学部 | 93.5%3年平均 | 42.5 | 77人 | 約530万 |
| 大阪物療大学 保健医療学部 | 75.5%3年平均 | 37.5〜42.5 | 55人 | 約530万 |
| 徳島文理大学 保健福祉学部 | 90.0%3年平均 | 37.5〜42.5 | 48人 | 約480万 |
| 日本医療大学 保健医療学部 | 85.9%3年平均 | — | 73人 | 約540万 |
| つくば国際大学 医療保健学部 | 79.6%3年平均 | — | 79人 | 約540万 |
| 新潟医療福祉大学 医療技術学部 | 85.8%3年平均 | — | 84人 | 約530万 |
| 森ノ宮医療大学 医療技術学部 | 91.8%3年平均 | — | 79人 | 約560万 |
| 純真学園大学 保健医療学部 | 94.7%3年平均 | — | 78人 | 約530万 |
| 帝京大学 福岡医療技術学部 | 81.0%3年平均 | — | 64人 | 約620万 |
偏差値42.5以下の学校でも、3年平均で90%超の優秀な実績校があります(例:京都医療科学大93.5%、徳島文理大90.0%)。これは「面倒見の良い学校」の典型例で、逆転を狙う高校生にとって最適な選択肢になりうるということ。「入口(偏差値)より出口(国試合格率)」で判断するのが、進路指導のプロの視点です。
3-3:専門学校(14校)
専門学校は偏差値を公表していない学校がほとんどのため、地域順で掲載しています。合格率の高い順には並べていません。
| 学校名 | 新卒合格率(平均) | 国試 受験者数(新卒) | 3年学費 |
|---|---|---|---|
| 北海道医薬専門学校 | 95.8%2年平均 | 36人 | 約410万 |
| 中央医療技術専門学校 | 86.5%2年平均 | 87人 | 約420万 |
| 城西放射線技術専門学校 | 63.9%2年平均 | 27人 | 約400万 |
| 東京電子専門学校 | 79.6%2年平均 | 66人 | 約430万 |
| 東洋公衆衛生学院 | 93.8%2年平均 | 56人 | 約420万 |
| 自衛隊中央病院 診療放射線技師養成所 | 100.0%2年平均 | 17人 | — |
| 東海医療技術専門学校 | 91.8%2年平均 | 56人 | 約400万 |
| 静岡医療科学専門大学校 | 74.1%2年平均 | 28人 | 約420万 |
| 大阪ハイテクノロジー専門学校 | 70.2%2年平均 | 66人 | 約430万 |
| 大阪行岡医療専門学校 長柄校 | 57.0%2年平均 | 38人 | 約420万 |
| 清恵会医療専門学校 | 75.0%第78回のみ | 20人 | 約410万 |
| 神戸総合医療専門学校 | 63.6%2年平均 | 39人 | 約430万 |
| 福岡医療専門学校 | 97.0%2年平均 | 33人 | 約430万 |
| 鹿児島医療技術専門学校 | 69.4%2年平均 | 76人 | 約400万 |
次の3校は、第78回国家試験に新卒の受験者がいませんでした。いずれも診療放射線技師の課程が別の学校へ引き継がれた(または引き継がれつつある)ためで、学校の教育内容を示すものではありません。合格率は在学生の人数に大きく左右される数値のため、この3校については数値を掲載していません。
- 日本文理大学医療専門学校(大分県)— 2023年に4年制の日本文理大学 保健医療学部が開設され、診療放射線技師の養成はそちらへ
- 日本福祉看護・診療放射線学院(北海道)— 2019年に閉校し、日本医療大学 保健医療学部へ引き継がれています
- 川崎医療短期大学(岡山県)— 診療放射線技師の課程は4年制の川崎医療福祉大学へ移行しています
第78回(2026年)の結果では、専門学校の新卒合格率には学校による幅がありました。ただし合格率は年度ごとに変動するため、できれば3年分の推移で評価するのがおすすめ。「専門学校だから」ではなく「その学校の3年平均合格率」を確認しましょう。
CHAPTER 04数字の読み方 5原則
ここが本記事の核心。「合格率76%」という数字に振り回されないための、5つの原則。
原則① 「全体」と「新卒」は別物
| 区分 | 全体合格率 | 新卒合格率 | 差 |
|---|---|---|---|
| 総合計(第78回) | 76.2% | 83.8% | +7.6pt |
| 大学系 | 81.4% | 86.5% | +5.1pt |
| 専門学校系 | 60.1% | 73.6% | +13.5pt |
原則② 「合格率推移」を見れば制度変動が見える
試験制度の改定は受験生にとって予測しづらい変動要因です。令和7年版新出題基準[4]で旧4科目(放射線生物・物理・医用工学・計測学)が「理工学・放射線科学」に統合され、過去問の科目別暗記が効きづらくなりました。ただし新基準が定着すれば再び合格率は安定する見込み。「過去問だけ」ではなく「教科書ベースの基礎固め」が、これからの受験対策の主流になります。
原則③ 高偏差値校で「あえて」合格率が低い理由
旧帝大や有力国立大では、卒業生のうち国試をすぐに受けない選択をする学生が一定数います。これは「教育の質が低い」のではなく、むしろ進路選択肢の多さを表しています。
同じ旧帝大・有力国立大でも以下は3年連続で高位安定しています。
つまり「旧帝大=合格率が低い」と一律に決めつけるのは正確ではないということ。「合格率が低めに見える」学校(大阪大・名古屋大)は、上記のような構造的要因が背景にあります。
「確実に技師になりたい」なら、3年連続95%超の安定校(金沢大・群馬県立・順天堂・杏林・川崎医療福祉)が向いています。一方、「研究や医学物理士・大学院進学も視野に入れたい」なら旧帝大・有力国立大が選択肢の幅を残してくれます。どちらが優れているではなく、自分のキャリア志向で選ぶことが大事です。
原則④ オープンキャンパスで聞くべき「3つの質問」
数字の裏側を確認するための、進路指導のプロが教える質問テンプレ。この3つを聞ける学校は本当の意味で実力ある学校です。
受験率が高い学校は、学生を最後まで導く面倒見のよい学校。例:A校 出願82人→受験66人(受験率80%)/B校 出願34人→受験34人(受験率100%)。B校のように「出願した学生のほとんどが実際に受験できている」学校は、進級・国試対策のサポートが手厚い学校といえます。
単年データだけでなく経年での評価ができる。年によって変動はあるので、3〜5年平均で見るのがおすすめです。
学校の本気度が分かる。4年次(または3年次)の模試回数・補習頻度・個別指導の有無を具体的に答えられる学校は信頼できます。
原則⑤ 「合格率100%」は受験者数とセットで見る
合格率100%の学校は素晴らしい一方、受験者数とセットで確認するのが大事です。
- 自衛隊中央病院(受験17人)や福島県立医科大(受験25人)のように受験者が少ない学校は「全員合格」の年が出やすい
- 一方、順天堂大学(受験117人)で第78回95.7%は、100人以上の規模で95%超という安定感の高い実績
- 合格率は「率」だけでなく「受験者数(分母)」も併せてチェックすると、規模感込みで実力が見えます
CHAPTER 05国試の新ルール
第77回から適用された令和7年版新出題基準。これから受験する高校生のために整理する。
他の養成校紹介サイトではまだあまり詳しく解説されていない令和7年版新出題基準。第77回(2025年)から適用された新ルールを、これから受験する高校生のために整理しました。
5-1:旧基準と新基準の違い
| 旧科目(〜第76回) | 新科目(第77回〜) | 変化のタイプ |
|---|---|---|
| 基礎医学大要 | 基礎医学大要 | 維持 |
| 放射線生物学/物理学/医用工学/計測学 | 理工学・放射線科学 | 4科目統合 |
| 診療画像機器学 | 診療画像機器学 | 維持 |
| エックス線撮影技術学/診療画像検査学 | 診療画像検査学 | 再編 |
| 核医学検査技術学 | 核医学診療技術学 | 名称変更 |
| 放射線治療技術学 | 放射線治療技術学 | 維持 |
| 医用画像情報学 | 医療画像情報学 | 名称変更 |
| 放射線安全管理学 | 放射線安全管理学 | 維持 |
| —(新設) | 医療安全管理学 | 新設 |
改定の趣旨:チーム医療推進・業務拡大(造影剤静脈路確保等)への対応。
5-2:合格基準の正確な数式
- 総得点 ≧ 120点(200点満点中、得点率60%)
- 0点の試験科目が1科目以下
5-3:試験の基本構造
| 総問題数 | 200問(午前100問+午後100問) |
| 配点 | 1問1点/200点満点 |
| 試験時間 | 午前2時間30分/午後2時間30分(合計5時間) |
| 試験日 | 毎年2月中旬(第78回は令和8年2月19日実施) |
| 合格基準 | 総得点120点以上+0点科目1科目以下 |
CHAPTER 06大学 vs 専門学校
カリキュラム・進路接続性・学費。3つの角度から、自分に合うルートを見極める。
6-1:カリキュラム比較
| 項目 | 4年制大学 | 3年制専門学校 |
|---|---|---|
| 修業年限 | 4年 | 3年 |
| 取得学位 | 学士 | 専門士 |
| 総単位数(指定規則最低) | 102単位以上 | 102単位以上(同一) |
| 臨床実習 | 10単位以上 | 10単位以上(同一) |
| 教養科目 | 多い(24単位前後) | 最小限 |
| 卒業研究 | 必修(多くの大学) | 任意または不要 |
| 大学院進学 | 可(学士保有) | 不可(要編入) |
| 第1種放射線取扱主任者 | 在学中受験可 | 在学中受験可 |
| 医学物理士 | 大学院修士で取得可 | 不可(学士なし) |
| 監督官庁 | 文部科学省 | 厚生労働省 |
国試合格に必要な単位数・臨床実習時間は両者で同一[5]。差は教養・研究・上位資格への接続性です。
6-2:関連職種への進路接続性
| 資格 | 大学卒 | 専門学校卒 |
|---|---|---|
| 第1種放射線取扱主任者 | ○(在学中可) | ○(在学中可) |
| X線作業主任者 | ○ | ○ |
| 医学物理士 | △(大学院修士必須) | ×(学士なし) |
| 放射線治療品質管理士 | ○(実務5年) | ○(実務5年) |
| 検診マンモグラフィ撮影認定 | ○ | ○ |
| 大学教員(助教以上) | ○(修士・博士) | ×(原則) |
6-3:学費比較
表面的な学費だけ見ると私立大は高く見えますが、以下の制度で実質負担は大きく減ります。
- 国公立大の標準授業料:年535,800円 → 4年で約219万円[6]
- 日本学生支援機構(JASSO):第一種(無利子)/第二種(有利子)
- 高等教育修学支援新制度:住民税非課税世帯は授業料減免+給付型併用
- 私立大の特待生制度:上位合格者に半額〜全額免除制度あり
- 地方自治体の修学資金貸与制度:卒業後に地元医療機関で一定年数勤務すれば返済免除
- 病院奨学金:大学病院・市民病院による奨学金(卒業後その病院に勤務すれば返済免除)
6-4:7項目で完全比較
| 比較項目 | 大学(4年制) | 専門学校(3年制) |
|---|---|---|
| 期間 | 4年 | 3年 |
| 学費(総額) | 国立219万〜私立720万 | 約360〜500万円 |
| 取得称号 | 学士 | 専門士 |
| 大学院進学 | 直接進学可 | 条件付き(学士入学等) |
| 大病院就職 | 国立大学病院で大卒応募要件あり | 専門卒で基幹病院・大病院も多数 |
| 就職スピード | 1年遅い(4年次卒) | 3年で早期就職 |
| 上位資格パス | 医学物理士・教員職に道 | 国試合格・臨床に集中 |
CHAPTER 07学校選び 3つの軸
後悔しないために。合格率・設備・学費の3点から、最終的な絞り込みを行う。
軸①:新卒合格率で選ぶ
原則④で紹介した「3つの質問」を、オープンキャンパスで実際に聞いてみましょう。スラスラ答えられる学校は信頼できます。
軸②:設備と実習先で選ぶ
- CT・MRI・PETシミュレーターの有無
- リニアック実機(治療装置)の有無
- 附属病院または提携病院の規模・症例数
- 臨床実習の病院数(多様な疾患を経験できるか)
- 救急指定病院との提携の有無
軸③:学費と奨学金で選ぶ
6-3で紹介した奨学金制度を組み合わせて、「実質負担」で計算するのがポイント。表面の学費が高い私立大でも、特待生+病院奨学金で半分以下に抑えられることもあります。
CHAPTER 08文系からの攻略法
「文系だから無理」は思い込み。推薦・総合型選抜と、入学前3ヶ月の準備で道は開ける。
8-1:文系出身でも受験できる?
| 入試形式 | 文系の可能性 | 必要科目 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 国公立一般 | 低〜中 | 数IIIAB・物理・英語等 | 独学で理転が必要 |
| 私立一般(2科目) | 中 | 英語+数学IA等 | 文系でも対応可 |
| 学校推薦型(公募) | 中〜高 | 評定3.8〜4.0以上 | 生物代替可能校あり |
| 総合型選抜(AO) | 高 | 面接・小論文重視 | 医療体験があると有利 |
| 専門学校AO | 最も高 | 学力試験なし校あり | 入学後の補講は必須 |
8-2:文系出身者へのエール
| 科目 | 重点項目 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 高校物理基礎 | 「波動」「電磁気」 | 放射線物理の土台 |
| 数IIB | 三角関数・指数対数 | 放射線計測学で頻出 |
| 数III(できれば) | 微積分の基礎 | 線量計算で使用 |
| 英語 | 医療英単語 | 国際資格・大学院で活きる |
| 生物基礎 | 細胞・遺伝 | 放射線生物学の基礎 |
8-3:志望理由書 NG vs OK
- 「なんとなく医療系に惹かれました」
- 「親に勧められました」
- 「人の役に立ちたいから」
- 「○○大学病院でMRI検査を受けた経験から、装置の仕組みに強い関心を持ちました」
- 「○○先生のオープンキャンパスでチーム医療の話を聞き、放射線技師として貢献したいと思いました」
- 「なぜ看護師や検査技師ではなく、放射線技師なのか」を一言で語る
- なぜ放射線技師か(他の医療職との違いを明示)
- なぜこの学校か(具体的な設備・カリキュラム・先生の名前)
- 入学後・卒業後に何をしたいか(5年後の自分像)
8-4:面接頻出質問と回答フレーム
CHAPTER 095つの誤解
受験生と保護者がやりがちな思い込みを、データで一つずつほどいていく。
実はもう少し複雑です。指定規則による単位数・実習時間は両者で完全に同一。新卒合格率は大学・専門校とも90%超の年もあり、僅差となる学校も。差が出やすいのは既卒(再受験者)で、ここに学習自走力=大学の教養基盤が効くと考えられています。
正確には違います。診療放射線技師国試には看護師国試のような「必修問題」区分は存在しません。科目別の足切りは「0点科目が1科目以下」のみ、合格基準は総得点60%以上です。
計算してみる価値あり。1年早く就職した分の初年度年収(手当込みで300万円前後)と、私立大学4年との学費差(約200万円)は学校により相殺レベル。医学物理士・大学院・教員職を目指すなら学士が必要で、専門卒からはストレートに進めません。金銭面より将来の選択肢の幅で決めるのがおすすめです。
ちょっと注意が必要です。放射線生物・物理・医用工学・計測学の4科目が「理工学・放射線科学」に統合されたため[4]、過去問の科目別暗記戦略が効きづらくなりました。第78回で合格率が下がったのも[1]、この影響と考えられます。これからの受験生は教科書ベースの基礎固めが主流になります。
正確には違います。国立保健学科の偏差値は52.5〜57.5で、共通テスト5〜7科目の対策が必要。私立3教科型のほうが実質倍率は高くないケースが多いので、「学費が安い=入りやすい」ではないことを覚えておきましょう。
CHAPTER 10まとめと次の一歩
「合格率の数字」より「自分に合った学校」を。ここまでの要点を持ち帰ろう。
- 国試合格率は「新卒合格率の3年平均」で比較する
- 第78回(76.2%)の急落は令和7年新出題基準の移行期の影響
- 旧帝大の低合格率は「大学院進学者の多さ」が背景。九州大・熊本大は3年連続安定
- 専門学校・私立大ともに学校による幅は大きく、3年平均で評価するのがコツ
- 大学と専門の指定規則は同一だが、医学物理士パスは大学卒のみ
- 文系でも総合型選抜・推薦入試+3ヶ月の準備で受験可能
- 志望理由書は「なぜ他の医療職ではなく放射線技師か」を軸に書く
次のアクション(4ステップ)
- 気になる学校のオープンキャンパスに申込む(3つの質問を必ず聞く)
- 入試形式を確認し、自分の強みに合った出願方法を選ぶ
- 将来の進路(臨床/研究/医学物理士)から逆算して大学 or 専門を決める
- 志望理由書の3段構成テンプレートを使って下書きを作ってみる
放射線技師という仕事は、CT・MRI・治療装置の最先端技術を駆使しながら、患者さん一人ひとりに寄り添える仕事です。国家試験の合格率や偏差値の数字だけ見ると不安になるかもしれませんが、エミのように一歩ずつ整理していけばあなたが進む道は、必ず開けます。
完璧な学校はありません。完璧な選択もありません。でも、自分で考えて選んだ学校なら、入学後のあなたを必ず支えてくれます。
オープンキャンパスに行く。先生に質問する。在校生に話を聞く。数字の向こうにある「人」と「空気」を感じてみてください。そこで「ここで学びたい」と思えた学校が、あなたにとっての正解です。
学校選びは「最初の地図を選ぶ作業」。働き始めてからもCT認定・MRI認定・マンモグラフィ認定・医学物理士…とキャリアを伸ばす技師がほとんどです。最初の選択が完璧でなくても、その後のあなたが道を作っていけます。
放射線技師ラボは、エミと、そしてあなたが現役技師として活躍する未来まで応援しています。これからも進路の悩み・受験対策・国試対策の情報を発信していきますので、ぜひブックマークしておいてください。
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参考文献
[1]厚生労働省「第78回診療放射線技師国家試験の学校別合格者状況」令和8年3月23日 mhlw.go.jp
[2]厚生労働省「第77回診療放射線技師国家試験の合格発表」 mhlw.go.jp
[3]厚生労働省「第76回診療放射線技師国家試験の合格発表」 mhlw.go.jp
[4]厚生労働省「令和7年版診療放射線技師国家試験出題基準」 mhlw.go.jp
[5]厚生労働省「診療放射線技師学校養成所指定規則」 mhlw.go.jp
[6]文部科学省「国立大学と私立大学の授業料等の推移」 mext.go.jp
[7]全国診療放射線技師教育施設協議会「会員校一覧」 hosyasen-kyougikai.org
[8]河合塾Kei-Net「2026年度 国公立医・歯・薬・保健ランキング」 keinet.ne.jp
[9]河合塾Kei-Net「2026年度 私立医・歯・薬・保健ランキング」 keinet.ne.jp
[10]みんなの大学情報「放射線技術が学べる大学偏差値ランキング2026」 minkou.jp
[11]旺文社教育情報センター「第76回診療放射線技師国家試験結果」 obunsha.co.jp
[12]旺文社教育情報センター「第77回診療放射線技師国家試験結果」 obunsha.co.jp
[13] 日本診療放射線技師会「お知らせ(法令・国家試験関係)」 リンク


















