診療報酬改定2026 経営戦略アクションプラン|放射線部門の投資・連携・Web戦略
TL;DR(この記事の結論)

2026年改定は放射線部門にとって「攻め」のチャンス①DX投資のROIを数字で示し経営層を動かす。 ②共同利用の「営業フロー」を設計し地域連携を構築。 ③改定を武器にしたWebページで紹介元・患者に発信。 ④プレゼン手法で院内の合意形成を勝ち取る。 改定の「解読」で終わるな。「行動」に変えろ

Lina
LINA

ゆんさん、改定の内容はわかったんですけど、「で、どう動けばいいの?」が一番の悩みで…。上に提案したいけど、何をどう伝えたらいいか。

Yun
YUN

改定を「知る」だけでは何も変わらない。大事なのは「経営層を動かすロジック」「地域への営業フロー」「Webでの発信設計」の3つ。今日はこの実行レベルの戦略を一気に組み立てよう。

Part 1:経営層向けアクションプラン ― 数字で経営を動かす

Yun
YUN

経営層が動くのは「感情」ではなく「数字」だ。改定の方向性を理解した上で、「投資 → 回収」のROIを具体的に試算して見せること。これが全ての出発点になる。

投資提案:DXへの投資対効果(ROI)を経営層に説明する

図1:DX投資 → 収益増 → 賃上げ原資確保の好循環

ROI試算テンプレート:遠隔読影事業化

項目初年度コスト年間収益備考
クラウドPACS導入300〜500万円サブスクリプション型が主流。CD/DVD廃止で年間30〜50万円のコスト削減も
VPN/セキュリティ環境100〜200万円既存IT基盤との統合。医療情報安全管理ガイドライン準拠
遠隔読影受託(受信側算定)+600〜1,200万円画像診断管理加算3(300点)× 月200〜400件。放射線科専門医の読影体制が前提
CT/MRI共同利用加算+120〜240万円+20点/件 × 月500〜1,000件(紹介検査分)
情報連携加算+50〜100万円DX推進体制整備加算 + 電子的診療情報連携

経営層への提示ロジック

  • 初期投資:400〜700万円(クラウドPACS + VPN)
  • 年間収益増:+770〜1,540万円(遠隔読影 + 共同利用 + 情報連携)
  • 投資回収期間4〜11ヶ月で回収。2年目以降は純益
  • 賃上げとの接続:「DX投資で生まれた収益の一部をベースアップ評価料の賃上げ原資に充当。投資 → 収益 → 賃上げの好循環で人材定着」
Lina
LINA

初期投資が1年以内に回収できるって、経営層にはかなり刺さりそう! 「DXは経費ではなく投資」って言い切れますね。

やらないリスクも明示する ―「何もしない」は最大のコスト

  • 共同利用の施設基準を届け出なければ、年間120〜240万円の機会損失が発生し続ける
  • CD/DVD運用を続ければ、焼付け・配送コスト年間30〜50万円 + スタッフの時間コスト
  • 遠隔読影を始めなければ、他院に患者が流れる。紹介元クリニックは「早くレポートが返ってくる病院」を選ぶ
  • 2028年改定でDX関連の要件がさらに厳格化 → 今動かなければ次の改定で「後手」に回る

連携提案:共同利用の「営業フロー」を設計する

図2:共同利用の連携フロー(クリニック → 中核病院 → レポート返送)

具体的な営業・連携アクション

フェーズアクション担当期限
Phase 1:準備共同利用の施設基準を地方厚生局に届出事務部門 + 放射線部門長改定施行後1ヶ月
Phase 2:営業半径10km圏内のクリニックリストを作成。地域連携室と合同で訪問営業地域連携室 + 放射線技師長施行後2ヶ月
Phase 3:仕組み化Web予約フォーム開設。紹介状テンプレートをPDF配布。FAX→電子連携への移行IT + 放射線部門施行後3ヶ月
Phase 4:拡大月次レポート(件数・読影ターンアラウンドタイム)をクリニックに送付。満足度調査放射線部門継続運用
Yun
YUN

ポイントは「放射線部門だけで閉じない」こと。地域連携室、事務部門、IT部門を巻き込んだプロジェクトチームとして提案する。経営層には「部門横断型の連携事業」として見せた方が、承認されやすい。

訪問営業時の「殺し文句」

紹介元クリニックへの訪問では、「先生のところのCT/MRI検査を、うちが共同利用施設として受けると、先生にも加算がつくんです」と伝える。紹介する側にもメリットがある制度設計になっているため、win-winの関係を前面に出す。加えて「読影レポートは翌営業日までにお返しします」とターンアラウンドタイムを明言すること。スピードが最大の差別化要因。

リスク管理:急性期要件から外れないための放射線部門の貢献策

急性期病院一般入院基本料の実績要件と放射線部門の関わり

  • 救急搬送件数:救急外来でのCT/X線の迅速提供が搬送受け入れの前提条件。技師の夜間当直体制維持が病院全体の入院料に直結
  • 手術件数:術前検査(CT/MRI)の迅速な枠確保と正確な読影が手術適応判断を支える
  • 重症患者比率:救命救急での血管撮影(IVR)対応、ハイブリッドOR運用の有無が重症受入能力に影響
  • 経営層への提言:「技師の夜間体制を削ると急性期入院料が取れなくなる。人件費削減ではなく、人件費が守る入院料収益を見るべき」
STRATEGIST’S VIEW:経営層を動かす3つの数字
  1. 投資回収期間:「DXに700万円投資しても11ヶ月で回収、2年目から純益」
  2. 機会損失額:「共同利用を届け出なければ年間240万円の取りこぼし
  3. 入院料への貢献:「技師の夜間体制が年間数千万円の入院料収益を支えている」

この3つの数字をスライド1枚にまとめるだけで、経営層の意思決定は動く。

Part 2:経営層プレゼンの成功法則 ― 15分で合意を取る技術

Yun
YUN

いくら数字が揃っていても、伝え方が下手なら動かない。経営層は忙しい。15分で結論 → 根拠 → アクションを通す構造にしないと、「検討します」で終わる。

ストーリーテリング構造:「危機 → 機会 → 行動」の3幕構成

図3:プレゼンの6ステップ構成

スライド構成テンプレート(全8枚、15分)

スライド#内容所要時間演出
1結論先出し:「DX投資700万円 → 年間1,500万円の収益増」1分tldr-boxスタイル:濃色背景に白文字で結論を叩きつける
2危機感の共有:「2026年改定で何が変わったか」3行まとめ2分trap-boxスタイル:赤い警告色で「やらないリスク」を提示
3-45つの柱の要約 + 自院への影響3分Mermaid風フロー図で構造を一覧化
5ROI試算:投資・回収の具体数字3分テーブル形式。key-pointスタイルで回収期間を強調
6競合分析:周辺病院の動向(共同利用届出状況など)2分「○○病院はすでに届出済み」の事実を提示
7アクションプラン:Phase 1-4のタイムライン2分ガントチャート風の時間軸を提示
8承認事項:「本日のお願い」を明確に2分summary-boxスタイル:緑の枠で「GO / NO-GO」の判断を求める
Lina
LINA

すごい、Webサイトのコンポーネントがそのままプレゼンの「型」になるんですね! tldr-boxで結論先出し、trap-boxで危機感…これなら視覚的にも伝わりそう。

視覚化テクニック:フロー図とデータの見せ方

Yun
YUN

経営層はテキストの壁を読まない。スライド1枚あたりの文字数は最大40文字×5行に抑えること。代わりにフロー図(Mermaid風)数字のハイライトで視覚に訴える。

プレゼンスライドの視覚化ルール

  1. 結論は見出し:スライドのタイトルに結論を書く。「DX投資のROI」ではなく「DX投資は11ヶ月で回収」
  2. フロー図は3-5ノード:Mermaid図の「投資 → 収益 → 賃上げ原資」のような因果関係を3〜5ノードで表現
  3. 数字は72ptフォント:「+1,540万円/年」のようなキー数字はスライドの中央に大きく配置
  4. 比較は2カラム:「Before(現状)/ After(改定後)」の対比で変化を一目でわからせる
  5. 色は3色以内:シアン(ポジティブ)、レッド(リスク)、ダークグレー(テキスト)で統一

想定される質問と回答

回答:「投資しないことが最大のコストです」と切り返す。共同利用を届け出ないだけで年間240万円の機会損失が発生していることを示し、「届出はタダ。今すぐできる施策から始めましょう」と段階的アプローチを提案する。クラウドPACSもサブスクリプション型なら初期投資を抑えられる。

回答:地方厚生局の届出状況は公開情報。事前に自院の医療圏内で共同利用の施設基準を届け出ている病院リストを調べておく。「○○病院はすでに届出済み。このまま動かなければ紹介元がそちらに流れます」という競合圧力は経営層に最も効く。

回答:「だからこそ遠隔読影の受託ではなく委託から始めましょう」と提案する。読影を大学病院やテレラジオロジー企業に委託し、自院はCT/MRI共同利用の撮影拠点としてのポジションを取る。撮影料の共同利用加算(+20点)は専門医がいなくても算定可能。将来的に専門医を採用する際の「実績」にもなる。

Part 3:Webマーケティング&実装戦略 ― 改定を「発信」に変える

Yun
YUN

最後の柱はWeb発信。せっかく共同利用を始めても、遠隔読影を導入しても、紹介元のクリニックや患者が知らなければ意味がない。病院のWebサイトを「ただの施設紹介」から「営業ツール」に進化させる。

図4:Webページ構成 ― 3つのターゲットに最適化

地域連携室向けページの設計

地域連携室(病診連携の窓口)がWebで最も求めているのは「予約方法」と「対応検査項目」の即座の確認。装飾よりも情報アクセスの速さが勝負。

ページ構成案:地域連携室向け

  1. ページ冒頭tldr-boxで「共同利用対応装置一覧」「予約電話番号/FAX番号」「Web予約リンク」を3行で提示
  2. 対応検査テーブル:CT/MRI/PET/RI/血管撮影のモダリティ別に「検査名・所要時間・予約枠・備考」を一覧表示
  3. 紹介状テンプレート:PDF直リンクを目立つボタンで配置。crossover-boxで「ダウンロードはこちら」を強調
  4. 読影ターンアラウンド保証key-pointで「読影レポートは翌営業日までにご返送」を明示
  5. FAQaccordionで「初めての紹介時に必要なもの」「緊急検査の対応」「患者さんへのご案内方法」を格納

紹介元クリニック向けページの設計

Lina
LINA

クリニックの先生って、忙しくてなかなかWebを見てくれなさそうですけど…。

Yun
YUN

だからこそ「課題→解決」の構造で引き込む。クリニックの医師が抱える「痛み」を最初に見せて、「うちならこう解決できます」と繋げる。trap-boxの警告デザインが効くのはここだ。

こんなお悩みありませんか? ― 紹介元クリニック向けページ冒頭案

  • CT/MRI検査を依頼したいが、どこに送ればいいかわからない
  • 読影レポートが返ってくるまで1週間以上かかる
  • CD/DVDの受け渡しが煩雑で、患者にも負担をかけている
  • 2026年改定で共同利用の加算がついたと聞いたが、具体的にどうすればいいか不明

解決策セクション:コンポーネント活用

  • 共同利用の説明key-pointで「紹介する側にも+20点の加算がつく制度です」を強調。Win-Winを訴求
  • 遠隔読影のメリットnote-boxで「CD/DVD不要。クラウド経由で画像を共有し、翌営業日にはレポートをお届け」
  • 導入事例balloon-box(YUN/LINA)で「実際に共同利用を始めたA医院のケース」を会話形式でストーリー化。数字(月間件数、加算額)を自然に盛り込む
  • CTA(行動喚起):ページ末尾にsummary-boxで「まずはお電話ください / Web予約フォーム」を配置

患者向けページの設計

患者にとって「医療DX」は抽象的すぎる言葉。自分にとってのメリットに翻訳する必要がある。

患者向けDXメリットの翻訳例

医療DXの正式名称患者にとっての翻訳
クラウドPACS「CD/DVDを持ち歩かなくてOK。検査画像はネットで共有されます」
遠隔読影「あなたの検査結果を、専門の医師が迅速に読み取ります」
電子的診療情報連携「かかりつけの先生と大きな病院で、あなたの情報を安全に共有。検査の二度手間がなくなります」
マイナ保険証「受付がスムーズ。薬の飲み合わせも自動チェック」

ページ構成案:患者向け

  1. 導入balloon-box(LINA→YUN)で「検査のCD/DVDって持ち歩くの大変ですよね?」→「実は、もうCDはいらない時代なんだよ」と会話で導入
  2. メリット3つ:上記の翻訳テーブルをベースに、key-point×3で「①CD不要」「②専門医読影」「③情報共有で二度手間なし」を視覚化
  3. 安心ポイントnote-boxで「個人情報は厳重に管理されています。医療情報安全管理ガイドラインに準拠」
  4. CTA:「当院の検査をご希望の方はかかりつけ医にご相談ください」をsummary-boxで配置
Lina
LINA

なるほど…! 同じ「医療DX」でも、ターゲットによって言葉を変えるんですね。経営層には数字、クリニックには課題解決、患者にはわかりやすい翻訳。

Yun
YUN

その通り。「伝える相手が変われば、使う武器も変わる」。Webコンポーネントもプレゼンスライドも、コンテンツの器(コンテナ)に過ぎない。中身を入れ替え、ターゲットに最適化するのが戦略だ。

実装チェックリスト ― 明日から動くための確認事項

領域アクション優先度コンポーネント
経営提案ROI試算表の作成(自院の件数で計算)最優先key-point + テーブル
経営提案競合病院の共同利用届出状況を調査最優先trap-box(危機感演出)
プレゼン8枚スライドのドラフト作成tldr/trap/summary各スタイル
連携営業半径10km圏内のクリニックリスト作成
Web地域連携室向けページの作成crossover-box + accordion
Web紹介元クリニック向けランディングページtrap-box + balloon-box
Web患者向けDXメリット解説ページballoon-box + note-box
制度対応共同利用施設基準の届出最優先

まとめ ― 改定を「知る」から「動く」へ

改定を武器にする5つのアクション
  1. 【ROI試算】DX投資の回収期間を「数字」で経営層に示す。投資700万円 → 年間1,500万円の収益増 → 11ヶ月回収。「投資しないコスト」も併記
  2. 【共同利用届出】施設基準を即日届け出る。届出だけで+20点/件。地域連携室と合同でクリニック営業を開始
  3. 【プレゼン】8枚スライド×15分で経営層の合意を取る。結論先出し → 危機感 → ROI → アクションプランの構成で
  4. 【Web発信】ターゲット別ページを構築。連携室には速さ、クリニックには課題解決、患者にはわかりやすさ
  5. 【次の改定への布石】今動くことで2028年改定の「先行者利益」を確保。制度改革は複利で効く
Yun
YUN

改定を「読んだ」だけでは何も変わらない。経営層を動かすのは感情ではなく数字。地域を動かすのは理念ではなく利便性。患者を動かすのは制度ではなく体験。今日のこの記事を閉じたら、まず自院のCT/MRI月間件数を調べてROI試算表を作ってほしい。それが全ての出発点だ。

Lina
LINA

はい! 私も明日、まず検査件数のデータを出して試算してみます。「知る → 動く → 変える」ですね!

※本記事のROI試算は一般的な中核病院の規模を想定したモデルケースです。実際の数値は自院の検査件数、装置構成、放射線科医の有無等により変動します。

ABOUT ME
ゆん
技師歴15年。副業歴5年。投資歴5年。 資格、転職・副業などのキャリア情報と、患者さん向け情報を発信しています。