診療報酬改定2026 放射線部門 完全ガイド|共同利用・遠隔読影・IMRT・粒子線収益戦略
REIMBURSEMENT 2026 · RADIOLOGY STRATEGY
診療報酬改定2026 放射線部門 完全ガイド
「装置を保有するだけの時代」から「地域でリソースをシェアし、高度化する時代」へ。共同利用・遠隔読影・IMRT・粒子線・ベースアップ評価料を、収益の数字で読み解きます。
本文中の AI つきリンクは、その用語をGoogleのAIモードで対話しながら深掘りできます。制度名や検査名でつまずいたら、その場で開いてみてください。
- 【攻め】遠隔読影の受信側で画像診断管理加算2〜4(175〜340点)が算定可能に。送受信の双方が収益化できる構造へ。
- 【攻め】128列CT新区分+100点・3T MRI+100点が新設。既存の共同利用+20点と合わせて最大+120点/件。
- 【緩和】IMRT施設基準が常勤医1名+遠隔支援で算定可能に。地方の中核病院に道が開いた。
- 【構造変化】寡分割照射が出来高から「一連につき」の包括評価へ。回数を減らすほど時間単価が上がる。
- 【人材】ベースアップ評価料で技師の給与が改善。救急外来の技師常時配置も要件化された。
- 【拡大】粒子線の小児加算7,000点新設、核医学治療3区分の新設、PSMA PETの保険収載。
この改定を貫く3本の柱
POLICY BACKBONE
2026年度の診療報酬改定は、放射線部門にとって単なる「点数の増減」にとどまらないパラダイムシフトです。「装置を持っているだけ」では減収する時代に突入し、地域連携・共同利用・遠隔読影という「繋がる力」が収益を左右します。
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めちゃくちゃ影響あるよ。今回の改定は「装置を持っているだけでは減収」になりかねないんだ。逆に、地域連携の仕組みを作れば年間数百万円の増収も可能になる。しかもベースアップ評価料で技師の給与にも直結するし、救急外来での技師の常時配置要件まで入った。知らないでは済まされない改定なんだ。
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いい視点だね。中医協AIが今回の改定で掲げた基本方針は、大きく3つの柱に集約されるんだ。この3本柱が分かれば、個別の点数変更が全部その下にぶら下がって見えてくるよ。
すべての病院がフルスペック装備する時代は終わり。「持つ病院」と「使う病院」に分かれ、地域全体で医療資源をシェアする。
医師の時間外労働規制に続き、コメディカルの賃金を「制度として底上げする」仕組みを作った。
2040年を見据えた「医療提供体制の構造改革」
MACRO VIEW
今回の改定は単なる点数調整ではなく、日本の医療提供体制の骨格を組み替える転換点です。背景にある国の意図を理解しておくと、個別項目の読み方が変わります。2040年問題と放射線部門の未来もあわせて読むと、この改定が通過点にすぎないことが分かります。
この改定が突きつける3つのメッセージ
MESSAGE
遠隔画像診断の管理加算 ― 受信側の収益化が解禁
1-1. 従来の課題と改定のインパクト
受信側で算定可能になる管理加算と条件(通則第8号 新設)
TABLE 01
| 加算区分 | 点数(月1回) | 主な施設基準(受信側・病院要件) |
|---|---|---|
| 画像診断管理加算2 | 175点 | 病院標榜・放射線科等専任常勤医師配置(10年以上経験または所定研修修了)・核医学/CT診断の8割以上を翌診療日までに文書報告 |
| 画像診断管理加算3 | 235点 | 加算2の要件+常勤放射線診断専門医2名以上・年間4,000件以上の読影 |
| 画像診断管理加算4 | 340点 | 加算3の要件+常勤放射線診断専門医4名以上・年間8,000件以上の読影 |
| 加算2(一部委託) | 166点 ★2026新設 | 送信側が病院で加算2取得済み・受信側が加算2取得病院に読影を委託する場合 |
- 対象検査:核医学診断(E102)AI、コンピューター断層診断(E203)
- 受信側が画像診断管理加算2・3・4の施設基準に適合し、届け出ていること
- 「画像診断を専ら担当する常勤の医師」が読影(診断)を行い、結果を送信側に文書で報告すること
- セキュリティを担保した画像転送ネットワークの構築が必要
1-2. 具体的な算定シミュレーション
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じゃあ具体的なケースで見てみよう。クリニックA(送信側・64列CT保有)が胸部CTを撮影して、画像診断管理加算3を取得している病院B(受信側)の常勤放射線科医が読影レポートを作成した場合のシミュレーションだ。
算定シミュレーション:クリニックA(送信側)→ 病院B(受信側)
SIMULATION
| 算定項目 | 算定する医療機関 | 点数 |
|---|---|---|
| CT撮影料(64列以上) | クリニックA(送信側) | 900点 ※64列以上・クリニック |
| 電子画像管理加算 | クリニックA(送信側) | 120点 |
| CT診断料(E203) | クリニックA(送信側) | 450点 |
| 画像診断管理加算3 | 病院B(受信側) | 235点 ★NEW |
★今回の改定で、受信側(病院B)が自施設の施設基準に基づき算定可能になりました。クリニックのCT撮影料は64列以上の装置を持っていても900点が標準です(画像診断管理加算2以上の届出には「病院」標榜が必須のため、クリニック単独では高点数区分に届きません)。なお、画像診断管理加算2(175点)は病院のみ届出可能であり、クリニックAは算定しません。
- 受信側で管理加算を算定するには、「画像診断を専ら担当する常勤の医師」による読影が必須です。非常勤医師やアルバイト医師による読影では上位の管理加算は算定できません。
- 常勤医師の勤務実態が問われるため、勤務シフトと読影レポートの整合性を管理する体制が不可欠です。
- クリニック(送信側)の撮影料は装置列数・加算体制で上限が変わります。64列以上CT保有でも加算2以上(病院要件)がなければ900点が上限です。高点数を狙うには連携病院との遠隔読影スキームが現実的な選択肢になります。
1-3. 過去との比較 ― 何が変わったのか
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その認識はほぼ正しいよ。正確に言うと、以前も限定的な条件下では低い点数を算定できたんだけど、「送信側も画像診断管理加算2を取得していること」という厳しい条件があった。だから基本的には読影委託料、つまり契約金でのやり取りが主流だったんだ。今回の改定で「受信側の能力だけで高い点数を算定できる」ように変わった。ここが決定的な違いだね。
遠隔画像診断 ― 過去と現在の比較
BEFORE / AFTER
| 項目 | 過去(〜2025年度まで) | 今回(2026年度改定) |
|---|---|---|
| 送信側(撮影した病院) | 撮影料+診断料を算定。読影を依頼する場合、受信側へ「委託料」を支払う | 撮影料+診断料を算定。「共同利用施設」の届出で撮影料も高く算定可能 |
| 受信側(読影した病院) | 原則、点数算定なし(委託料のみ)。送信側も管理加算2を取得している場合のみ、低い点数が認められる程度 | 管理加算2〜4を算定可能(175〜340点)。自院が施設基準を満たしていれば、送信側の体制に関わらず算定できる |
| お金の流れ | 患者 → 送信側(全額)/送信側 → 受信側(読影契約料) | 患者 → 送信側(撮影料など)/管理加算は受信側で算定(レセプト請求は送信側が代理請求し配分する運用等が想定される) |
送信側・受信側ともに遠隔画像診断に関する施設基準(セキュリティ対策など)への適合が必要です。
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つまり送受信の双方が診療報酬を算定できる構造になったということですね。受信側は下請け的な委託料ではなく、自院の専門医の技術料として公定価格に基づいた収益を確保できる。これは大きい変化です。
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その通りだ。ただし、クリニックが送信側の場合は少し注意が要る。クリニック自身のCT撮影料は加算2なしだと900点に止まるから、受信側の病院が管理加算175点〜を算定する形になるんだ。つまり受信側病院への収益シフトが起こる。クリニックが遠隔読影連携に参加するなら、委託コストの還元をどう契約に盛り込むかが現実的な課題になるよ。
1-4. 収益化のシナリオ
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これは放射線科医の専門性を収益に変える画期的な変更なんだ。地域連携室と協働して、近隣のクリニックや中小病院に「当院へ画像を送ってもらえれば、専門医が読影して貴院の点数算定にも寄与できる」というモデルを提案すべきだね。
アクションプラン:遠隔読影の事業化
ACTION
遠隔読影の評価拡充は、中医協が掲げる「医療DX推進」の中核施策です。政府は2030年までに全国の医療機関を電子カルテ情報の共有ネットワークで接続する全国医療情報プラットフォームAI構想を掲げており、画像データもその対象です。今回の改定で遠隔読影に正当な対価がついたのは、データが施設間を流通する「基盤」を経済的に成り立たせるための布石です。
ただし、受信側で上位加算を算定するには常勤放射線科医の専任配置が必須であり、遠隔読影件数が増えれば読影業務も比例して増加します。制度を事業化する際は、読影医師の労働時間管理・待遇改善を並行して整備することが持続可能な運営の前提です。人材確保なき事業拡大は、現場の疲弊につながります。
1-5. クリニック・画像診断専門クリニックの実務ポイント
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いい質問だ。結論から言うと、加算1の70点はクリニックでも届出できる。加算2の175点以上は「病院」標榜が必要だからクリニックでは基本的に算定できない。ただし、遠隔読影の仕組みを使えば間接的に恩恵を受ける道があるんだ。この違いを正確に理解しておくことが、クリニック経営の収益戦略のスタートラインになるよ。
画像診断管理加算のクリニック可否マップ(令和8年度改定後)
TABLE 02
| 加算区分 | 点数 | クリニック可否 | 主な要件 |
|---|---|---|---|
| 加算1 | 70点 | ✅ 届出可 | 放射線科標榜+専ら画像診断担当の常勤医師1名以上(経験10年以上または所定研修修了) |
| 加算2 | 175点 | ❌ 病院のみ | 病院標榜が必須要件 |
| 加算3・4 | 235/340点 | ❌ 病院のみ | 病院標榜+高度専門体制 |
| 遠隔読影(受信側)加算2 | 175点 | ⚠️ 受信側は病院 | 受信側(読影する病院)が加算2取得 → 送信側クリニックの患者に適用 |
| CT撮影料(64列以上) | 900点 | ⚠️ 高点数は病院のみ | 加算2以上(病院要件)がなければ900点が上限。1,000点〜は病院算定 |
※加算1の「所定の研修」とは、関係学会が実施する規定研修を指します。CT撮影料の区分・施設基準の詳細は地方厚生局AIにご確認ください。
クリニックで加算1を取った場合の収益シミュレーション
CT月300件・64列以上保有・放射線科標榜
| 算定項目 | 月間増収 | 備考 |
|---|---|---|
| 画像診断管理加算1(70点×月1回/患者) | +21,000点(約21万円/月) | 300件 × 70点 |
| 年間換算 | 約252万円/年 | 加算1の届出だけで実現できる増収 |
⚠️ なお、64列以上CTを保有していてもクリニック単独では撮影料の上限が900点となるのが標準です(加算2以上が病院要件のため)。1,000点以上の算定を狙う場合は、加算2取得病院との遠隔読影連携スキームの構築が必要になります。
クリニックが狙うべき現実的な戦略
加算1取得 + 遠隔読影連携
128列CT新区分+100点 ― 共同利用との合わせ技で最大+120点へ
2-1. 2026年の本命:128列CT新区分(+100点)の新設
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2026年改定でCT撮影料(E200)の最大の変更点は「128列以上」という新区分の新設なんだ。旧制度では64列以上が最上位区分の1,000点で頭打ちだったものが、128列CT保有施設は一気に+100点の1,100点になった。MRIも同様で、3テスラ以上が1,600点から1,700点へ+100点の増点だよ。
共同利用の+20点は「既存」の仕組み
整理して読む
一方、共同利用施設への+20点加算は2016年度改定から続く既存の仕組みで、今回の改定で新設されたわけではありません。ただし、この既存の+20点が新設の128列CT区分にも適用されるため、128列CT+共同利用施設の場合は「基本+100点」と「共同利用+20点」が重なって最大+120点/件という新水準に到達できます。
| 装置区分 | 共同利用施設 | その他 | 点数差 |
|---|---|---|---|
| CT 128列以上 | 1,120点 | 1,100点 | +20点 |
| CT 64列以上128列未満 | 1,020点 | 1,000点 | +20点 |
| CT 16列以上64列未満 | 900点(差なし) | — | — |
| MRI 3T以上 | 1,720点 | 1,700点 | +20点 |
| MRI 1.5T以上3T未満 | 1,330点(共同利用区分なし) | — | — |
- 新設 CT 128列以上区分(1,100点)・MRI 3T以上の増点(1,700点):旧制度の最上位区分から+100点アップ
- 既存 共同利用施設への+20点加算:2016年改定からの仕組みで、今回は据え置き
- 128列CT+共同利用の組み合わせで1件あたり+120点(1,200円)。ただしこれは新設区分の恩恵に既存加算が乗った合わせ技です
- ※64列以上128列未満の区分は据え置き(共同利用1,020点/その他1,000点)
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128列CTって高額ですけど、持っている施設には一気に+100点なんですね。しかも共同利用の届出もしていれば+20点が上乗せされて+120点。共同利用は既存の仕組みなのに、やっていない施設は損をしているということですか?
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まず128列CT保有施設は、届出なしでも基本点数が64列比で+100点アップしている。これは自動的な恩恵だ。その上で共同利用の施設基準を届け出ればさらに+20点。年間CT 5,000件なら共同利用の+20点だけで100万円の増収になる。MRIも合わせれば年間200万円以上になりうるんだ。しかもこれは届け出るかどうかだけで決まる。装置を買い替える必要も、人を増やす必要もないんだよ。
単に施設基準を届け出るだけでは足りません。「他の医療機関からの依頼件数」が、その装置の全使用症例数の1割(10%)以上でなければ、共同利用施設としての点数(+20点)は算定できません。
計算式:(依頼件数 − 特別関係機関件数)÷(全件数 − 特別関係機関件数)× 100 ≧ 10%
リスク:128列CTの基本点数+100点分も含め、10%基準を割ると上位区分から脱落し、大幅な減収になります。この壁の厳しさは10%壁の現場ルポで詳しく扱っています。
アクションプラン:共同利用の基準クリア戦略
ACTION
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ここで大事なのは、共同利用は単なる+20点の話じゃないということなんだ。国が進める地域医療構想AIでは、2040年に向けて人口減少が進むなかで、すべての病院がCT・MRIをフル装備する時代は持続不可能だと明言している。高額装置は地域でシェアするのが前提の社会設計なんだ。つまり共同利用に対応しない施設は、将来の点数引き下げや基準厳格化の対象になるリスクがある。攻めの施策であると同時に、守りでもあるんだよ。
IMRT施設基準の緩和 ― 常勤医1名+遠隔支援で算定可能に
3-1. 何が変わったのか
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IMRTって施設基準が厳しくて、常勤医2名いないと算定できなかったんですよね。地方の病院では無理だと聞いたことがあります。
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その通りだよ。でも今回の改定で大きく変わった。人口減少地域のがん治療アクセスを改善するために、ICTを活用した遠隔支援体制があれば常勤医1名でもIMRTの施設基準を満たせる特例が新設されたんだ。IMRT治療計画補助研修会の新設も、この流れの一部だね。
3-2. 対象となる医療機関の条件
IMRT常勤医1名特例の全要件
REQUIREMENTS
| 区分 | 満たすべき要件 |
|---|---|
| 対象施設 | 地域がん診療連携拠点病院、または地域がん診療病院(体外照射を年間200症例以上実施)。かつ、当該がん医療圏内に他のIMRT届出施設が存在しないこと |
| 配置する1名の医師 | 放射線治療を専ら担当する常勤医師で、放射線治療の経験を5年以上有すること |
| 実施施設(自院)の設備 | 直線加速器、治療計画用CT、三次元放射線治療計画システム、セキュリティ対策を講じた遠隔放射線治療システム。第三者機関による直線加速器の出力線量の評価を受けていること |
| 実施施設の運用体制 | 支援施設の担当医師と常時連絡がとれる体制。遠隔放射線治療および医療情報のセキュリティ対策に関する指針を策定していること |
| 支援施設(相手方) | 特定機能病院、都道府県がん診療連携拠点病院、または地域がん診療連携拠点病院。放射線治療を専ら担当する常勤医師が3名以上(うち2名は経験5年以上) |
| 支援担当医 | 経験5年以上の常勤医(1名で2施設まで支援可能)。遠隔放射線治療システムを備え、実施記録を保存すること |
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要するに、経験豊富な常勤医が1名在籍していて、大学病院など常勤医3名以上の充実した施設からICT遠隔支援を受ける体制を結べば、IMRTの算定が可能になるということだ。地方の中核病院にとっては大きなチャンスだね。なお、緊急時の治療計画を別の保険医療機関と共同して策定した場合の評価として、遠隔放射線治療計画加算の2,000点も継続して設定されているよ。
IMRT施設基準の緩和は、第4期がん対策推進基本計画AIが掲げる「がん医療の均てん化(地域格差の是正)」の具体策です。都市部ではIMRT施設が充実している一方、地方では放射線治療専門医の不足により高精度治療を受けられない患者が存在します。国は「住んでいる地域によって受けられる治療に差が出る」ことを是正するため、ICTを活用した遠隔支援モデルを制度として整備しました。今後、VMATAIや粒子線治療など他の高度治療にも同様の遠隔支援モデルが拡大する可能性があります。
IMRT vs 3D-CRT ― 点数差16万円+スロット機会損失のダブルダメージ
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そこは大事な視点だね。今回の緩和で変わるのは「IMRTを算定できるか・できないか」という参入障壁の部分なんだ。IMRTが算定できない施設は3D-CRT、つまり従来照射しか選べず、寡分割もできない。そこに2つのダメージが発生する。1つは1人あたり約16万円の直接収益差、もう1つは3D-CRTだと1患者あたり37回照射が必要でIMRTの約20回と比べて17スロット余分に消費してしまう機会損失だよ。
ケースA:IMRT算定可能(医師1名+遠隔支援 or 2名体制)
前立腺癌・包括評価・寡分割 約20回
| 算定項目 | 点数 | 金額 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| IMRT(前立腺癌・一連につき) | 96,500点 | 965,000円 | M001 3 イ |
| 画像誘導放射線治療加算(一連につき) | 9,000点 | 90,000円 | M001 注10(一連) |
| 医療機器安全管理料2 | 1,100点 | 11,000円 | 治療開始時1回 |
| 合計 | 106,600点 | 1,066,000円 | — |
IMRT前立腺癌の点数は「一連につき」の固定額(106,600点)です。20回照射しても37回照射しても医療機関の収益は同じで、回数を増やすほどリニアックの照射枠(スロット)だけが消費されます。だから3D-CRTで37回照射を余儀なくされることの真のコストは「点数差」ではなく、スロット単価 × 超過回数で測る必要があります。
ケースB:3D-CRTの場合(寡分割不可のため全37回照射)
前立腺癌・出来高評価・6門照射
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それは直接収益差だけを見た数字なんだ。包括評価の施設には、もう一つ大事な損失がある。3D-CRTは37回かかるのにIMRTは20回で終わる。その差17回分のリニアックスロットは、別の患者さんの治療に使えたはずなんだよ。スロット単価はIMRT収益の106,600点を20回で割って5,330点/回。あとは式に当てはめるだけだ。
損害試算シミュレーション(フル稼働施設)
CALCULATION
損害 = 超過照射回数 × スロット単価 + 直接収益差
=(37 − 20)× 5,330点 +(106,600 − 90,900)点
= 17 × 5,330 + 15,700
= 90,610 + 15,700
合計損害:106,310点(≒106.3万円/患者)
※リニアック稼働率が高い施設ほど、この機会損失が経営に重くのしかかります。
年間収益インパクト試算
新患500人・うち前立腺40%=200人/年
| 項目 | 1患者あたり | 年間200人 |
|---|---|---|
| ケースA(IMRT算定可)収益 | 1,066,000円 | 2億1,320万円 |
| ケースB(IMRT算定不可)収益 | 909,000円 | 1億8,180万円 |
| ① 直接収益差 | 157,000円 | 3,140万円 |
| ② スロット機会損失(フル稼働) | 906,100円 | 1億8,122万円 |
| 合計損害(フル稼働施設) | 1,063,100円 | 2億1,262万円 |
合計損害(2億1,262万円)は、ケースAの年間収益(2億1,320万円)の99.7%に相当します。IMRT体制の整備は約2億円/年の収益確保と等価だということです。なお、スロット機会損失はリニアック稼働率が低い施設では発生しにくく、その場合は直接差額の3,140万円が主体になります。
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包括評価だから回数を増やしても収益は増えず、むしろスロットを17回余分に消費して約91万円の機会損失が出るんですね。フル稼働の施設なら直接収益差16万円と合わせて患者1人あたり約106万円。スロット単価という見方がこれだけ効いてくるとは思いませんでした。
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経営層へのプレゼンではこう伝えるといい。「IMRTは包括評価なので医師が1名でも2名でも収益は同額です。問題は今の施設がIMRTを算定できないことにあります。3D-CRTは寡分割ができず37回の照射が必要で、リニアックスロットを17回余分に消費します。スロット単価で換算すると906,100円の機会損失、直接収益差157,000円を加えると患者1人あたり約106万円の損失です」とね。当院規模で年間200人なら合計2億1,262万円。この数字を出せば経営会議は動くよ。放射線治療経営戦略の記事にシミュレーターもあるから、自施設の数字で試してみるといい。
上記は収益面のみに絞った試算です。実際にIMRT体制を整備するには、導入コスト(治療計画システム・遠隔支援システム等)、施設基準を満たすための人員確保・人件費増、スタッフ教育期間、施設基準届出から算定開始までの準備期間(一般に数か月〜1年超)が伴います。収益回収までのリードタイムと初期投資を合わせたROI(投資対効果)の試算は別途行う必要があります。
アクションプラン:IMRT収益化の3ステップ
ACTION
寡分割照射 ― 出来高から「一連につき」の包括評価へ
4-1. 寡分割照射の評価明確化
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放射線治療でもう一つ注目すべきは寡分割照射AIの評価明確化なんだ。1回の線量を高めて総治療回数を減らす手法が、正式に算定要件として明記された。しかも今回は単なる点数変更じゃなくて、算定構造そのものが大きく変わったんだよ。
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そうなんだ。従来は「1回ごとの照射料 × 回数」の出来高方式で算定していた。前立腺IMRTなら3,000点×回数、乳癌なら840点×回数のように積み上げていたわけだよ。今回の改定で、乳癌の全乳房照射と前立腺のIMRTは「一連につき」の包括点数に変更された。さらにこの変更に伴って、2つの加算が廃止されているんだ。
- 一回線量増加加算:乳癌690点、前立腺1,400点 → 廃止(寡分割の線量設計が包括点数に織り込み済み)
- 日々のIGRT加算(150〜450点/回) → 乳癌全乳房照射・前立腺IMRTでは日々の算定は不可。代わりに一連定額のIGRT加算を算定します。その他の照射(3D-CRT等)は従来通り150/300/450点/回
- 呼吸性移動対策加算(注11・150点/回) → 乳癌全乳房照射(M001 2 イ)に係るものは一連2,400点(包括)に変更。前立腺IMRT・その他の治療は従来通り150点/回
※従来の出来高方式で算定している施設は、レセプトシステムの設定変更が必要です。移行期に旧コードで請求すると返戻リスクがあります。
包括評価に移行した2つのがん種
TABLE 03
| がん種 | 照射法 | 寡分割の基準 | 一連の点数 | IGRT加算(一連) |
|---|---|---|---|---|
| 乳癌 | 全乳房照射 | 1回 2.5Gy 以上 | 41,500点 | 2,400点 |
| 前立腺癌 | IMRT | 1回 3Gy 以上 | 96,500点 | 9,000点 |
M001 2 ロ「その他の場合」― 門数区分の簡素化と点数変更
3D-CRT 等は引き続き出来高
乳癌以外の体外照射(3D-CRT等)は引き続き出来高で算定します。2026年度改定で区分が3段階から2段階に簡素化されました。
| 区分 | 改定前 | 改定後(2026) |
|---|---|---|
| 1門照射(1回目) | 840点 | 840点(据え置き) |
| 1門照射(2回目) | 420点 | 336点(▲84点 減額) |
| 2門以上・運動・原体照射(1回目) 旧:非対向2門/3門1,320点・4門以上/運動/原体1,800点を統合 | 1,320〜1,800点 | 1,750点(統合) |
| 2門以上・運動・原体照射(2回目) 旧:660〜900点を統合 | 660〜900点 | 700点(統合) |
※「1回目」「2回目」は同日に異なる部位・領域を照射する場合の区別です(別日の分割照射は毎回1回目で算定します)。
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なるほど。日々の150点や450点がなくなったわけではなく、標準的な回数分があらかじめセットされた形なんですね。これなら回数を減らして寡分割にしても病院の収入は減らない。むしろ早く終わらせたほうが時間単価が高い構造になったということですか。
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その通り。「高回転・高単価」への誘導だ。だらだら長く照射するよりも、高精度に短期間で終わらせる施設が優遇される。これが2026年以降の放射線治療経営の本丸だよ。治療回数が減れば患者さんの負担も減るし、治療枠も空く。ただしレセプトの設定変更を忘れると返戻リスクがあるのは要注意だね。
4-2. 要注意:治療中断時の大幅な減算リスク
| がん種 | 完遂時 | 前半で中止 | 後半で中止 |
|---|---|---|---|
| 乳癌(全乳房照射) | 41,500点 | 7回目まで → 10,500点(約25%) | 8回目以上 → 14,000点(約34%) |
| 前立腺癌(IMRT) | 96,500点 | 9回目まで → 24,000点(約25%) | 10回目以上 → 42,000点(約44%) |
粒子線・核医学治療の拡大
5-1. 核医学治療の適応拡大 ― 放射性同位元素内用療法管理料
2026年度改定で放射性同位元素内用療法管理料(M000-2)に新たな区分が追加されました。新設されたのは去勢抵抗性前立腺癌(2区分)・神経芽腫の3区分です。B細胞性非ホジキンリンパ腫・神経内分泌腫瘍・褐色細胞腫などは既存の評価です。
放射性同位元素内用療法管理料の区分
TABLE 04
| 対象疾患・区分 | 点数 | ポイント |
|---|---|---|
| 去勢抵抗性前立腺癌 イ 骨転移のあるもの | 2,630点 | 新設(2026年度)Ra-223(ゾーフィゴ)治療対象 |
| 去勢抵抗性前立腺癌 ロ PSMA陽性 遠隔転移を有するもの | 3,000点 | 新設(2026年度)Lu-177 PSMA(プルビクト)治療対象 |
| B細胞性非ホジキンリンパ腫 | 3,000点 | 既存。放射免疫療法(ゼヴァリン等) |
| 神経芽腫 | 3,800点 | 新設(2026年度)MIBG治療の新たな評価 |
| 神経内分泌腫瘍 | 2,660点 | 既存。PRRT(ペプチド受容体標的治療) |
| 褐色細胞腫 | 1,820点 | 既存。MIBG治療(褐色細胞腫) |
今回新設された3区分のうち、特に注目は去勢抵抗性前立腺癌(Ra-223の骨転移あり・Lu-177 PSMA陽性)です。患者数が多く、泌尿器科との連携で導入を検討すべき領域といえます。RI病室の整備や放射性医薬品の取り扱い承認がハードルですが、核医学治療の適応は今後さらに拡大が見込まれます。骨太の方針2026でも医療用RIの国産化と核医学治療の強化が明記されており、今から準備を始めた施設が先行者利益を得る分野です。線量管理の考え方は核医学と放射線治療の線量管理もあわせて確認してください。
5-2. PSMA PET検査の保険収載 ― 前立腺癌の診断が変わる
ルテチウム治療と並行して、その診断側であるPSMA PET検査AIも新たに保険収載されました。PET検査の基本的な流れは別記事で解説しています。
PSMA PET関連の新規収載
TABLE 05
| 検査区分 | 点数 | ポイント |
|---|---|---|
| E101-2 PET(PSMA) | 2,780点 | ポジトロン断層撮影 |
| E101-3 PET/CT(PSMA) | 3,905点 | CT融合撮影 |
| E101-4 PET/MRI(PSMA) | 4,440点 | MRI融合撮影 |
5-3. 粒子線治療の評価強化 ― 小児加算の新設と適応拡大
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今回の改定では粒子線治療に2つの大きな動きがあるんだ。1つは小児加算の新設、もう1つは大腸がん肺転移の保険適応追加だよ。特に小児加算は、小児がん拠点病院との連携において重要なポイントになるね。
粒子線治療の2つの評価強化
UPDATE
粒子線治療に関するアクションプラン
ACTION
救急外来の技師常時配置要件 ― オンコールでは不可
ベースアップ評価料 ― 放射線技師の給与に直結する改定
7-1. ベースアップ評価料の構成
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ベースアップ評価料AIは「医師・歯科医師を除く医療従事者」の賃金改善を目的とした加算で、診療放射線技師も対象に含まれる。構成は3種類あるんだ。
ベースアップ評価料の3つの区分
TABLE 06
| 評価料の種類 | 算定タイミング | 備考 |
|---|---|---|
| 外来・在宅ベースアップ評価料(I) | 初診時・訪問診療時 | 基本の賃上げ原資 |
| 入院ベースアップ評価料 | 入院1日につき | レベル1〜500まで細分化 |
| 外来・在宅ベースアップ評価料(II) | (I)で不足する場合 | 上乗せ項目 |
7-2. 配分の「3分の2以上」ルール
配分ルールの全体像
ALLOCATION
7-3. 継続的な賃上げの評価
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もう一つ重要なのは、継続的に賃上げを行っている医療機関は通常よりも高い点数区分で評価される仕組みが導入されたことなんだ。毎年きちんと給与改善を行うことが経営上のメリットにもなる。技師としてできることは3つあるよ。自院がベースアップ評価料を届け出ているか確認すること、未届出なら事務部門に情報提供すること、そして賃金改善計画の内容と自分たちへの配分を確認することだ。
【2026年度改定】ベースアップ評価料の強化ポイント
UPDATE
- 対象職種の拡大:事務職員や看護補助者も含めた「全職種(医師・歯科医師除く)」の賃上げ支援へ。
- 点数の引き上げ:外来・在宅ベースアップ評価料(I)は初診時6点から17点へ大幅増。入院ベースアップ評価料は最大165点から最大500点へ(1〜500段階に拡大)。※1〜250段階は2026年6月から、251〜500段階は2027年6月以降の解禁で、2段階実施となります。
- 物価対応の評価新設:光熱水費・食材料費の高騰に対応する評価が新設され、経営の安定化による間接的な賃上げ原資の確保が可能になりました。
- 要件の厳格化:賃上げ未実施施設に対する入院基本料の減算措置が導入される可能性があり、「やらないと損」から「やらないとペナルティ」へと変わります。
2026年改定のメッセージは明確です。「賃上げで人を確保し、DXや連携で稼ぐ施設だけが生き残る」。ベースアップ評価料で技師の待遇を改善し、その人材で遠隔読影・共同利用・フュージョンイメージング等の高収益業務を回す。この「ヒトへの投資 → 収益化」のサイクルを作れない施設は、人材流出と減収のダブルパンチを受けることになります。待遇面で自院を見直したい方は放射線治療専門施設への転職も参考になります。
経営層へのプレゼンロジック ― なぜ今、放射線部門に投資すべきか
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病院長や事務長に設備投資や人員確保を要求するためのロジックを整理しよう。タイトルは「地域完結型 画像診断センター化による収益構造の転換」だ。経営戦略アクションプランと組み合わせると、資料がそのまま作れるよ。
8-1. 現状の課題を提示する
- 共同利用の未届出:64列以上のCT・3T以上のMRIを持っているのに共同利用を行わない場合、相対的に低い点数のままになります(CTは+20点、3T以上MRIは+20点)。同規模他院との点数差が年間数百万円に。※1.5T以上3T未満のMRIは共同利用加算の区分がありません。
- 遠隔読影の未事業化:専門医が無償で読影している状態は逸失利益です。受信側で管理加算が算定できるのに、制度を知らないまま放置してしまう。
- 寡分割照射の中断:治療を途中で止めると完遂時の25〜44%まで点数が減算されます。副作用管理と患者スクリーニングの不備が直撃します。
- ベースアップ評価料の未届出:算定しなければ技師の給与改善の原資を逃します。人材流出のリスクが増大します。
8-2. 提案内容 ― 投資対効果が見える施策
ROI(投資対効果)が見える2つの施策
PROPOSAL
地域連携枠を拡大し、CT/MRI撮影料の上位区分(1,120点/1,020点)を確実に算定します。年間CT+MRI合計8,000件 × +20点=年間160万円の増収。投資は施設基準届出の事務コストのみで、設備投資は不要です。
地域の画像診断センターとしての機能を強化します。画像診断管理加算2〜4の算定で直接的な収益になります。投資はクラウドPACSまたはVPN環境の整備(月額数万円〜)です。
FFR-CT・骨密度・ガンマナイフ ― 見落としがちな改定ポイント
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ここからは、主要トピック以外で現場の算定に直結する見落としがちな改定ポイントを一気に整理するよ。FFR-CTの減額、骨密度の算定制限厳格化、ガンマナイフの短期滞在手術等基本料の改定、この3点だ。
9-1. FFR-CT の減額(9,400 → 7,800点)
E200-2 血流予備量比コンピューター断層撮影(7,800点)
▲1,600点
冠動脈CTデータから流体解析でFFR(血流予備量比)AIを非侵襲的に推定する検査が、9,400点から7,800点へ▲1,600点の減額となりました。従来の「E200-2 血流予備量比コンピューター断層撮影解析(9,400点)」が「E200-2 血流予備量比コンピューター断層撮影(7,800点)」に名称変更・統合され、旧「解析」区分は廃止されています。
心カテ前のスクリーニングとして臨床的価値は認められているものの、点数は引き下げとなりました。循環器内科との連携で冠動脈CT撮影の紹介件数増加につなげることが引き続き重要です。
9-2. 骨密度検査(DEXA)の算定制限 ― 「4月に1回」→「1年に1回」
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これは要注意の変更だよ。骨塩定量検査(DEXA法)AIの算定頻度が、原則「4月に1回」から「1年に1回」に厳格化された。骨代謝は緩やかに変化するから、安定期の頻回検査は医学的根拠が乏しいというガイドラインに合わせた適正化なんだ。
原則:「1年に1回」に制限されます。
例外(従来通り4月に1回可能):
- 骨粗鬆症の治療開始から1年以内
- 新たに骨折した場合
- ステロイド・アロマターゼ阻害薬など骨減少をきたす薬剤の投与中
- ビスホスホネート薬治療の中断を検討する場合
対策:予約受付時に前回検査日と治療状況を確認するフローを整備してください。返戻リスクを防ぐため、レセプトコメントへの理由記載も必須です。
9-3. ガンマナイフ ― 短期滞在手術等基本料3の増点
ガンマナイフ関連の点数変更
TABLE 07
| 項目 | 改定前 | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 短期滞在手術等基本料3(ガンマナイフ) | 59,673点 | 60,796点 | +1,123点 |
| M001-2 技術料(単体) | 50,000点 | 50,000点 | 据え置き |
技術料単体は据え置きで、増点分は入院基本料部分や物価高騰対応分の上乗せです。照射線量の基準変更はなく、ガンマナイフ実施施設にとっては純粋な増収(1件あたり約11,230円)となります。
超音波・IVR ― 新設と適正化
10-1. 超音波検査の変更点 ― 心エコー領域の増点
超音波検査の点数変更
TABLE 08
| 区分 | 改定前 | 改定後 | 変更 |
|---|---|---|---|
| 経食道心エコー法 | 1,500点 | 1,800点 | +300点 |
| 胎児心エコー法診断加算 | 1,000点 | 1,200点 | +200点 |
超音波減衰法検査(200点)とは? 脂肪肝の定量評価(Attenuation Imaging等)に用いられる新検査法です。肝硬度測定やエラストグラフィーAIと併せて行った場合は主たるもののみ算定となるため、検査オーダー時の選択に注意が必要です。
10-2. IVR ― 新設された高額カテーテル治療
新設・変更されたIVR手技
TABLE 09
| 新設・変更手技 | 点数 | 概要 |
|---|---|---|
| 腎デナベーション(K613-2) | 31,840点 | 薬物抵抗性高血圧に対する腎神経焼灼術 |
| 経頸動脈的ステント留置術(K609-3) | 34,740点 | TCAR:従来の大腿アプローチに加え頸部小切開法 |
| 冷凍凝固・焼灼術(2cm以内) | 51,200点 | 骨・肺・肝・腎・骨盤内の悪性腫瘍 |
| 冷凍凝固・焼灼術(2cm超) | 66,200点 | 同上(腫瘍径2cm超) |
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腎デナベーションAIもTCARも3万点超えなんですね。IVR領域の保険収載が一気に進んだ感じです。クライオアブレーションも複数臓器で使えるなら、ラジオ波だけの時代から変わりますね。
10-3. 透析シャントPTAの適正化 ― 軽症例は減算
K616-4 経皮的シャント拡張術の分割
適正化
| 区分 | 点数 | 判定の目安 |
|---|---|---|
| 閉塞又は高度狭窄の場合 | 12,000点 | 緊急性の高い症例 |
| その他の場合 | 9,840点(減算) | シャント血流量400ml超かつ血管抵抗指数(RI)0.6未満のような緊急性の低いケース |
シャントエコーの結果が算定区分を左右するため、検査結果の記録管理が重要です。
現場で使える Q&A
16 QUESTIONS
各項目をタップすると回答が開きます。算定の現場で迷いやすい論点を集めました。
地方厚生局への施設基準の届出が必要です。対象装置(64列以上のCT/1.5T以上のMRI)を保有し、他の医療機関からの検査依頼を受け入れる体制を整備した上で、所定の届出書を提出します。自院の患者に対しても上位の点数(共同利用施設の点数)が適用される可能性があるため、対象装置を持っているならまず届け出るのが正解です。
「(他の医療機関からの依頼による撮影症例数)÷(当該装置による全撮影症例数)≧ 1/10」が基本です。ただし、特別の関係にある医療機関からの依頼は除外して計算する必要があります。施設全体のCT・MRI全症例を対象に算出するため、特定の1台だけ達成していても全体で基準を満たさなければなりません。未達だと上位区分から脱落するため、地域連携の強化が必須です。
画像診断管理加算の施設基準に準じます。加算2であれば「画像診断を専ら担当する常勤医師」の配置が必要です。加算3・4ではさらに厳しい基準(常勤専門医数、読影件数など)が求められます。自院が現在取得している加算のレベルで遠隔読影にも適用できるため、追加の医師配置は不要な場合が多いです。レポートの品質管理としては、ターンアラウンドタイムの目標設定とダブルチェック体制の構築が推奨されます。
受信側(読影側)の医療機関で「画像診断を専ら担当する常勤の医師」が読影(診断)を行い、結果を送信側に文書で報告することが必須です。非常勤医師やアルバイト医師による読影では上位の管理加算は算定できません。
- 管理加算2(175点/月):画像診断を専ら担当する常勤医師の配置
- 管理加算3(235点/月):上記に加え、より高度な読影体制(常勤専門医数等の要件あり)
- 管理加算4(340点/月):最上位の専門体制が求められる
従来は「送信側も管理加算2を取得していること」が条件でしたが、今回の改定(通則第8号 新設)で受信側の体制だけで算定できるように変更されました。
前立腺癌を例にすると、IMRT(包括評価:106,600点=約107万円)と3D-CRT(出来高:90,900点=約91万円)で患者1人あたり約16万円の点数差が発生します。さらにIMRTは寡分割で20回、3D-CRTは37回照射となるため、スロット単価(53,300円/回)ベースで17スロット×53,300円=約91万円のスロット機会損失が上乗せされます。フル稼働施設では患者1人あたり約106万円、年間200症例で約2億1,262万円の機会損失です。
今回の改定で常勤医1名+遠隔支援体制でもIMRT算定が可能になったため、医師増員なしでも収益改善できる道が開かれました。
はい、使えます。交代勤務制をとっている職場の職員(当直を行う放射線技師など)に支払われる夜勤手当については、毎月支払われる手当に準じて「3分の2以上」の計算(基本給等)に含めて差し支えないとされています。つまり夜勤手当の増額もベースアップとしてカウントされるため、当直がある技師にとっては実質的な月給アップに繋がります。
評価料の算定にあたり、病院は賃金改善計画を策定する必要があります。この計画には、対象職種ごとの賃金改善額、基本給と手当の配分比率、実施スケジュールなどを記載します。個々の技師にいくら配分するかは各病院の計画によりますが、施設全体として「3分の2以上をベースアップに充当」のルールを満たす必要があります。継続的に賃上げを行っている医療機関は上位の点数区分で評価されるため、毎年の改善が経営メリットにもなります。
救急外来医学管理料の上位点数を算定するには、技師の常時院内配置が必要です。オンコール(呼び出し)ではなく、当直等での24時間体制が求められます。これにより夜間休日の技師当直体制の維持・強化が必須となります。一方で「救急加算を算定するには技師の当直が必要」という経営的根拠ができたため、人員確保や待遇改善の交渉材料として活用できます。
関係あります。新設された「電子的診療情報連携体制整備加算」では、電子的な診療情報(検査結果や画像情報を含む)の共有に対する評価が段階的に設定されています。CD/DVDでの画像受け渡しからネットワーク経由の画像共有への移行は、共同利用や遠隔読影の効率化にも直結します。IT部門と連携してクラウドPACSやVPN環境の整備を検討すべきです。
E202 注9の全身MRI撮影加算(600点)は令和2年(2020年)から存在する既存加算で、適応は「前立腺癌の骨転移診断」に限定されています。関連学会の指針に従い、DWIBS法を用いて1.5テスラ以上のMRI装置で頸部から骨盤部を3部位以上に分けて撮像した場合に算定できます。一般的ながん転移検索や他のがん種では算定できない点に注意が必要です。泌尿器科からの紹介で算定機会が生じます。
治療開始から1年以内、新たに骨折した場合、ステロイド・アロマターゼ阻害薬など骨減少をきたす薬剤の投与中、ビスホスホネート薬治療の中断検討時などは、従来通り「4月に1回」算定可能です。ただしレセプトコメントへの理由記載が求められるため、整形外科と連携して対象患者を事前に把握しておく必要があります。
2026年改定で骨・肺・肝・腎・骨盤内の悪性腫瘍に対する冷凍凝固療法が保険収載されました。腫瘍径2cm以内は51,200点、2cm超は66,200点です。従来のラジオ波焼灼術(RFA)に加え、患者の状態や腫瘍の部位に応じた治療選択肢が広がっています。
クリニック(画像センターを含む)は64列以上CTを保有していても、CT撮影料は原則900点が上限となります。CT撮影料の64列以上区分(1,000点〜)を算定するには画像診断管理加算2以上の施設基準を満たすことが実務上求められますが、加算2は「放射線科を標榜している病院であること」が必須要件(保医発0305第6号等)であり、クリニック・画像センターは病院として分類されないため届出できません。
クリニックのCT撮影料まとめ
- 16列以上64列未満 CT → 900点
- 64列以上CT(クリニック単独・加算2なし)→ 900点が上限
- 64列以上CT(加算2取得病院が算定)→ 共同利用1,020点〜
- 加算1(70点):クリニックでも届出可能(放射線科標榜+常勤画像診断医1名以上)
現実的な対応策:①加算1(70点)を届け出て読影管理体制の評価を確保する(年間200万円超の増収効果)②加算2取得病院との遠隔読影連携を組み、患者へ高水準の読影を提供する③施設基準の詳細は地方厚生局への事前相談で確認する(無料)。
加算2(175点)以上は病院標榜が必須のため、クリニックでの届出は基本的にできません。ただし加算1(70点)はクリニックでも届出可能です。放射線科を標榜し、「専ら画像診断を担当する常勤医師1名以上(経験10年以上または所定研修修了)」という要件を満たせば算定できます。
収益シミュレーション例:CT月300件のクリニックで加算1を届出 → 70点 × 300件 = 月2.1万点(約21万円)、年間約252万円の増収。なお、CT撮影料は64列以上を保有していても加算2がなければ900点が上限である点に注意が必要です。
令和8年度改定で新設された遠隔読影(受信側)の加算2算定スキームを活用すれば、クリニックが送信側になり加算2取得病院が読影する構成を組めます。クリニック側は加算1を算定しつつ、患者には病院レベルの専門読影が提供される地域連携モデルです。
令和8年度(2026年度)改定で新設された区分で、「画像診断管理加算2を取得している病院が、受信側の病院(加算2取得)に読影を一部委託した場合」に算定できる175点より低い点数(166点)です。
- 送信側(撮影した病院)が画像診断管理加算2を取得済み
- その病院が夜間・休日など自院だけでは対応しきれない読影を受信側の病院に委託する
- 受信側の病院も加算2相当の体制を持つ
- この場合、送信側が「加算2一部委託(166点)」として算定する
通常の受信側算定(175点)より9点低いのは、委託コストが発生するためです。この仕組みにより、夜間休日の読影体制を持てない中小病院でも加算算定が継続可能になります。加算2を取得している病院でも「自院の常勤放射線科医だけでは夜間・休日・急患対応が追いつかない」ケースは現場では珍しくなく、そのような場合のリアルなユースケースです。根拠通知:保医発0305第8号(令和8年3月5日)。
放射線部門の未来は「連携」と「技術加算」にあり
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今回の改定全体を通底しているのは、医療DXの推進・機能分化と連携・処遇改善の3本柱だったね。放射線部門としても、単に画像を撮って読むだけでなく、地域の画像データを集約して高度な解析を付加し臨床に返すというハブ機能を果たすことが、最も確実な収益維持・向上策になるんだ。
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間違いなく続くよ。国が描いている2040年の医療提供体制の未来図では、今回の改定はまだ序章に過ぎない。中医協の議論を追っていくと、AI読影支援、放射線治療の遠隔品質管理、リアルワールドデータを活用した治療評価といったテーマがすでに俎上に載っている。次の改定では、AIが生成した読影レポートのドラフトに放射線科医が最終判断を加えるワークフローや、治療計画のクラウド共有に対する加算が検討される可能性があるよ。
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つまり今回の改定で連携とDXの基盤を作った施設は、次の改定でさらに上位の加算を取りに行けるということですね。制度改革は複利で効いてくる。だから「まだ先の話」ではなく、今この改定に乗ることが次につながるんだと腑に落ちました。
- CT/MRI共同利用の施設基準を確認・届出 ─ 自院の装置が対象かを確認し、地域連携室と連携して届出を準備します。これだけで年間100万円以上の増収になります。
- 遠隔読影の受託体制を検討 ─ 画像診断管理加算の施設基準を活かし、近隣の専門医不在施設への読影受託を提案します。放射線科医の専門性を収益に変えるチャンスです。
- 骨密度検査の算定制限を院内周知 ─ 「4月に1回」から「原則年1回」への変更を整形外科・受付に共有し、前回検査日の確認フローを整備します。レセプトコメントの記載ルールも策定してください。
- IVR新技術の導入可能性を評価 ─ 腎デナベーション(31,840点)、クライオアブレーション(51,200/66,200点)など高点数の新設IVRの施設基準を確認し、新規収益源を開拓します。
- IMRT遠隔支援+ベースアップ評価料を同時に推進 ─ 地方がん拠点病院はIMRT算定の道が開かれ、ベースアップ評価料は技師の待遇改善に直結します。収益と人材確保の両輪で進めましょう。
※本記事は2026年度診療報酬改定の答申・個別改定項目資料および保医発0305第8号等の関連通知に基づいています。最終的な施設基準の詳細は、厚生労働省の告示・通知および地方厚生局へのご確認をお勧めします。
参考文献
- 厚生労働省:中央社会保険医療協議会 総会 資料(令和8年度改定の答申・個別改定項目)
- 厚生労働省:令和6年度診療報酬改定について(前回改定との比較用)
- 厚生労働省:令和4年度診療報酬改定について(経年の変遷を追う場合)
- 厚生労働省:保医発0305第8号(令和8年3月5日)診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について
















CTの撮影点数シミュレーションについて、クリニックでは共同利用にかかわらず、64列でも画像診断管理加算2(病院のみ)を届け出できないので、1020点⇒900点となると思うのですが、違うのでしょうか?また画像管理加算は57点ではなく120点と思います。
コメントありがとうございます!2点ともしっかり確認しました。
① 電子画像管理加算(57点→120点)
ご指摘の通りです。電子画像管理加算(CT)は120点が正しく、記事内で誤って57点と記載していた箇所を修正いたしました。57点は別の検査区分の点数でした。大切なご指摘をありがとうございます。
② CT撮影料の1,020点について
こちらは少し概念の整理が必要かもしれません。「画像診断管理加算2」と「共同利用施設のCT撮影料区分」は別々の制度です。
画像診断管理加算2(175点)は専任の常勤放射線科医の配置が必要で、病院のみ届出可能です。この点はご認識の通りです。
一方、共同利用施設のCT撮影料(64列以上128列未満 = 1,020点)は、他医療機関からの依頼を受け入れる共同利用施設として届け出た施設に適用される撮影料の区分であり、クリニックでも届出可能です。記事のシミュレーションは「クリニックAが共同利用施設として届出済み」という前提で設計しており、その場合の撮影料は1,020点が正しい算定です。
混乱を招きやすい箇所でしたので、シミュレーション表の注釈に「共同利用施設届出済み・画像診断管理加算は算定なし(別制度)」と追記しました。ご指摘いただけて助かりました、引き続きよろしくお願いいたします。
ご返信ありがとうございます。追加でご質問させてください。
私の認識では、そもそも64列以上のCT装置又は3テスラ以上のMRI装置においては、画像診断管理加算2以上の施設基準の届出を行っていないと、1000点や1600点などの高い点数がとれず、16列-64列未満として届け出たうえで、900点を算定するといわれておりました。
当院は放射線科Drが院長で加算1は取れるのですが、クリニックですので画像診断管理加算2(病院以上)が取れません。いままで上記の解釈で、64列CTをいれておりますが16列として届け出しておりました。
当院はほぼ画像センターですので共同利用の取り組みが可能ですので、今まで大損していたことになるのでしょうか??
ご返信ありがとうございます。
大変失礼いたしました。ご指摘の通り、「クリニックでも届出可能」という表現は誤りでした。画像診断管理加算2(175点)の施設基準は「放射線科を標榜している病院であること」が明確に要件となっており、クリニック(診療所)では届出・算定ができません。以下に正確な内容に修正いたします。
所管の厚生局により細かな解釈に差が出る可能性もありますが、最終的には管轄の厚生局に直接確認いただくのが確実です。
共同利用が可能であれば届出を見直すことで点数アップのチャンスはありますが、今までの900点算定は当時の基準内で適切だったと考えるのが一般的な解釈だと思われます。
ご指摘いただきありがとうございました。記事を大幅修正しましたのでご確認ください。記事や返信の正確性を高めるため、何か追加のご質問や進捗があれば、遠慮なくお知らせください!