技師の月給、2026年度改定で本当にUPする? 1年目・5年目・10年目推測例と現場のリアル
TL;DR ― この記事の結論
2026年度改定(本体+3.09%)で「ベースアップ評価料」が大幅拡充。増収分の3分の2以上を基本給・固定手当に充当する義務があり、放射線技師の月給も直接UPするチャンス。厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査に基づく相場水準で試算すると、1年目(新卒・地方)で月+4,600〜5,800円、5年目で月+5,400〜11,600円、10年目で月+7,200〜14,400円が推測ライン。ただし施設の経営力・届出状況で格差は拡大する。賃上げ未実施施設は入院基本料の減算ペナルティも。「自分の病院がどの区分か」を今すぐ事務に確認を!
1. 「給料、上がるの?」 ― 改定直後から技師界隈がザワついている
2026年度診療報酬改定の答申が出た瞬間から、Xのタイムラインは一色になりました。
「で、結局いくら上がるの?」
今回の改定は本体+3.09%。内訳を見ると、賃上げ分が+1.70%、物価高騰対応が+1.29%、残りが本体改定です。注目すべきは「賃上げ」の中身。医療従事者の処遇改善を目的とした「ベースアップ評価料」が大幅に拡充されました。
📌 2026年度改定 ベースアップ評価料の主な変更点
- 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ):6点 → 17点へ大幅増(継続優遇で23点、令和9年6月〜はさらに約2倍)
- 入院ベースアップ評価料:最大250点(急性期一般)
- 対象拡大:放射線技師を含む全医療従事者(医師・歯科医師除く)
- 充当義務:増収分の3分の2以上を基本給・固定手当の引上げに充当
- 未実施ペナルティ:入院基本料から1日121〜141点減算(急性期一般1で121点)
Xでは、答申直後から「給料いくらUP?」「赤字病院は据え置きでしょ…」「医師除外って不公平すぎない?」といった投稿が急増。看護師界隈だけでなく、放射線技師・臨床検査技師のポストも爆発的に増えています。
期待と不安が半々。でも、数字で考えないと始まりません。この記事では、放射線技師の視点で「実際にいくら月給が上がるのか」を推測値で試算し、Xで話題のリアルな声を紹介しながら、「施設次第で格差が拡大する」という現実を深掘りします。
2. ベースアップ評価料の仕組み ― 何が変わった?
まず「ベースアップ評価料」とは何かを簡潔におさらいしましょう。これは2024年度改定で新設された点数で、医療従事者の賃上げ原資を確保するための加算です。2026年度改定でさらに拡充されました。
対象者は誰?
診療放射線技師を含むすべての医療従事者が対象です。看護師、臨床検査技師、理学療法士、薬剤師、管理栄養士、事務職員まで含まれます。ただし医師・歯科医師は除外。この「医師除外」はXでも物議を醸しています(後述)。
「3分の2ルール」 ― 基本給・固定手当へ直接充当
ここが今回の最重要ポイントです。ベースアップ評価料で得た増収分のうち、3分の2以上を「基本給」または「決まって毎月支払われる手当」(夜勤手当、資格手当、住居手当など)の引上げに充てる義務があります。
⚠️ ここが技師にとって超重要
「3分の2以上を基本給・固定手当に充当」= ボーナスや一時金ではなく、月給そのものが上がる仕組み。つまり「賞与で少し色をつけて終わり」にはできない制度設計です。
🎯 もっと噛み砕いて言うと…
「3分の2ルール」とは、給料の上げ方にルールを設けたということです。たとえば病院がベースアップ評価料で月30万円の増収を得たとしましょう:
(夜勤手当・資格手当・住居手当なども含む)
経営判断の裁量がある部分
💡 身近な例えで理解する
これは「家賃補助」に似ています。会社から家賃補助を3万円もらったとして、「2万円は毎月の家賃に使いなさい(基本給充当=確実に生活が楽になる)、残り1万円は好きに使っていい(賞与等=施設の裁量)」というイメージ。「全額ボーナスで一括払い」はNG、毎月の給料明細に確実に反映されなければならないのがこのルールのポイントです。
継続優遇 ― 令和6・7年度に賃上げ実績がある施設はお得
令和6年度(2024年度)および令和7年度(2025年度)に賃上げ実績がある施設は「継続優遇」区分として上位の点数が適用されます。例えば外来ベースアップ評価料(Ⅰ)は通常17点ですが、継続優遇で23点。さらに令和9年(2027年)6月以降は点数が約2倍に跳ね上がる設計です。
逆に言えば、これまで賃上げを怠ってきた施設は低い区分しか使えない。格差が制度として固定化されるわけです。
未実施ペナルティ ― 賃上げしないと病院収入が減る
⚠️ 賃上げ未実施の減算ペナルティ
ベースアップ評価料の届出をしない(=賃上げ未実施の)施設には、入院基本料等から1日あたり数十〜141点の減算が適用されます。
- 急性期一般入院料1:−121点/日
- 急性期一般入院料2〜6:−93〜141点/日
- 地域一般入院料:−57〜78点/日
実質的に「賃上げしなければ病院の収入が減る」という”強制力”が組み込まれています。
3. 技師の月給UP推測 ― 1年目・5年目・10年目でいくら?
ここからが本題です。実際にいくら月給が上がるのか、モデルケースで推測してみましょう。
📝 推測の前提条件
- 外来中心の中規模病院(初診300件/月、再診2,000件/月)を想定
- 外来ベースアップ評価料(Ⅰ):17点(新規)/ 23点(継続優遇)
- 入院ベースアップ評価料も加味(急性期一般の場合)
- 放射線部門の技師数:10名と仮定
- 増収分の3分の2以上を基本給・固定手当に充当するルールに基づく
外来ベースアップ評価料による増収試算
まず、外来ベースアップ評価料(Ⅰ)の増収分を計算します。
| 区分 | 点数 | 月間算定回数 | 月間増収額 |
|---|---|---|---|
| 新規(初診+再診) | 17点 | 2,300回 | 約391,000円 |
| 継続優遇(初診+再診) | 23点 | 2,300回 | 約529,000円 |
| 令和9年6月〜(継続) | 約40点 | 2,300回 | 約920,000円 |
入院ベースアップ評価料(急性期一般で最大250点/日)を加えると、中規模急性期病院では月間数百万円規模の増収が見込まれます。この増収分の3分の2以上が人件費に充当されます。
🔰 1年目技師(新卒)の月給UP推測
👤 モデルケース:1年目技師(新卒・20歳前後)
※ 厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査(20〜24歳:月給26〜28万円・基本給23〜26万円)および求人サイト相場(地方17〜22万円台)を基に設定。夜勤手当は含まず。
| 施設の届出区分 | 月給UP推測 地方・中小 | 月給UP推測 大病院・都市 | 年収UP推測 |
|---|---|---|---|
| 継続優遇(上位区分) | +4,600〜5,800円 | +5,000〜6,200円 | +6〜8万円 |
| 新規賃上げ(標準区分) | +2,900〜3,800円 | +3,200〜4,200円 | +4〜5万円 |
| 未実施施設 | 据え置き(ゼロ) | 昇給据え置きリスク | |
💡 1年目技師が押さえるべきポイント
- 新卒は基本給が低い分、UPの絶対額も小さくなりがち。ただし基本給に組み込まれれば翌年以降も積み上がるため、長期ではインパクト大。
- 1年目は「ベースアップ評価料でいくら上がったか」よりも、施設の通常昇給テーブル(定期昇給)と合わせて確認するのがコツ。
- 新卒の就活・転職活動中の方は、候補施設がベースアップ評価料を届出しているかを確認材料に加えると◎。
5年目技師の月給UP推測
👤 モデルケース:5年目技師(20代後半・勤続5年)
※ 厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査(25〜29歳:月給27〜31万円・基本給24〜28万円)および求人サイト相場(地方月給22〜27万円)を基に設定。
| 施設の届出区分 | 月給UP推測 地方・中小 | 月給UP推測 大病院・都市 | 年収UP推測 |
|---|---|---|---|
| 継続優遇(上位区分) | +5,400〜7,200円 | +9,300〜11,600円 | +7〜14万円 |
| 新規賃上げ(標準区分) | +3,400〜4,800円 | +5,800〜7,700円 | +4〜9万円 |
| 未実施施設 | 据え置き or 微減 | 賞与カット・昇給凍結リスク | |
10年目技師の月給UP推測
👤 モデルケース:10年目技師
基本給:300,000円 / 固定手当込み月給:360,000円
| 施設の届出区分 | 月給UP推測 | 年収UP推測 |
|---|---|---|
| 継続優遇(上位区分) | +11,500〜14,400円 | +14〜18万円 |
| 新規賃上げ(標準区分) | +7,200〜9,600円 | +9〜12万円 |
| 未実施施設 | 据え置き / 賞与カット | 昇給凍結リスク |
📊 試算の根拠・データ出典
外来中心病院で外来ベースアップ評価料17点→23点(優遇)の場合、月額約50〜90万円の増収。全職種配分後、技師10名で按分すると1人あたり月8,000〜15,000円前後の還元が可能になる計算。入院中心の急性期病院であればさらにインパクトは大きく、1人あたり月1.5万円以上の上積みも現実的です。
モデルケースの給与水準根拠:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(放射線技師:平均年収約550万円、平均年齢40歳。20〜24歳:月給26〜28万円・基本給23〜26万円、25〜29歳:月給27〜31万円・基本給24〜28万円)。求人サイト(Indeed・求人ボックス)の相場:新卒月給20〜27万円スタート、地方17〜22万円台。X上の現場声(手取り17万円多め、「地方400万前後が実態」)も参考に、地方・中小施設の実態に合わせた低め設定と、大病院・都市部の標準設定の2パターンで算出。
4. Xで飛び交うリアルな声 ― 期待と不安と怒り
改定答申(2月13日)直後から、Xでは医療従事者の給料関連ポストが爆発的に増加しています。看護師・技師・医師・薬剤師・事務職を問わず、全体のムードは「賃上げは歓迎。でも本当に自分の給料に回るのか?」。
バズりやすいポストの特徴は明確で、具体的な数字(+3.09%、ベースアップ点数UP)や現場エピソード(赤字補填、社保料相殺、患者負担増)を交え、批判・不安をストレートに表現したものが拡散されています。技師界隈でも構造的な給与限界や労働条件悪化の声が目立ちます。
🔥「賃上げの裏で患者への兵糧攻め」 ― 2.2万いいね超のメガバズ
コメント欄は大荒れ。「賃上げの財源が患者負担」という構造への批判は、立場を問わず共感を呼んでいます。技師にとっても他人事ではありません。ベースアップ評価料の点数が患者の窓口負担に直結するからです。
📊「インフレ3%なのに0.01%UP?」 ― 数字で斬る開業医
🏥「市中1人態勢の技師はどうなる?」 ― 検査技師の現実的懸念
💰「技師の給料が跳ねないのは診療報酬制度の壁」 ― 構造的限界の指摘
⚡「この流れに乗らないと生き残れない」 ― タスクシフト時代の危機感
📊 X投稿のトレンド傾向(2026年2月18日時点)
- バズの中心:数字(+3.09%、ベースアップ点数)× 批判(患者負担増、製薬へのしわ寄せ)のストレート投稿
- 技師界隈:直接の大バズはないが、構造的給与限界・労働条件悪化の投稿が散見。まとめ記事の引用共有が活発
- 全体ムード:賃上げ歓迎 vs「施設格差拡大」「患者・製薬への転嫁」への不満が拮抗
💸 技師の給与リアル ― Xに漂う日常の声
改定の大きな議論とは別に、技師の日常的な給与不満もXには溢れています。求人共有アカウントが連投する月給17〜30万円台の求人に「相場そんななの?」と驚く声、手取りの厳しさを嘆く声 ―― これが2026年のリアルです。
📋 技師の給与リアル:公式統計 vs X上の実感
| 指標 | 厚労省データ(R6) | X上の実感 |
|---|---|---|
| 平均年収 | 約550万円 | 「中央値400万行かない」 |
| 月給(求人相場) | 37.6万円(月額換算) | 17〜27万円がボリュームゾーン |
| 手取り実感 | — | 「手取り17万」「伸びない」 |
※ 厚労省データは全年齢・全施設の平均。20〜30代や地方施設とは大きく乖離
5. 技師が今すぐやるべき5つのアクション
制度を嘆いても給料は上がりません。今すぐ動けることを整理します。
✅ アクション①:事務長・人事に「届出状況」を確認する
あなたの施設は「ベースアップ評価料」をどの区分で届出しているか(または届出予定か)? 継続優遇なのか新規なのか? これが分からないと始まりません。「うちは届出してますか?」と聞くだけで、病院側に「職員が関心を持っている」というメッセージになります。
✅ アクション②:「3分の2ルール」を理由に交渉する
「増収分の3分の2以上を基本給に充当する義務がある」と制度で決まっています。これは交渉の根拠になります。「賞与で端数をつけて終わり」ではルール違反になる可能性があるのです。堂々と「基本給への反映はいつですか?」と聞きましょう。
✅ アクション③:継続優遇 vs 新規の差を把握する
令和6・7年度に賃上げ実績がある施設は上位区分(23点)。なければ標準区分(17点)。この6点の差が、あなたの月給に数千円の差として跳ね返ります。転職を考えている人は、候補先の届出区分も確認材料に入れるべきです。
⚠️ アクション④:赤字病院リスクを見極める
賃上げ未実施の施設は入院基本料の減算ペナルティで収入がさらに悪化。すると技師の給与凍結・賞与カット・人員削減の負のスパイラルに突入する可能性があります。自分の施設の経営状況は、病院の「病床機能報告」や「DPC公開データ」で概要を確認できます。
✅ アクション⑤:スキルアップで施設収益に貢献する
遠隔読影支援、画像診断ガイド業務、タスクシフティング(造影剤注入、下部消化管検査など)を積極的に担うことで、施設の加算取得 → 収益増 → 賃上げ原資拡大という好循環を自分で作り出せます。「賃上げしてほしい」と言うだけでなく、「これだけ貢献している」を数字で示す技師が強い。
6. まとめ ― チャンスを掴めるかは、あなた次第
- 2026年度改定でベースアップ評価料が大幅拡充。放射線技師の月給が直接UPするチャンス。
- 厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査に基づく相場水準で試算:1年目(新卒・地方)で月+4,600〜5,800円、5年目で月+5,400〜11,600円、10年目で月+7,200〜14,400円が推測ライン。施設規模・立地で幅あり。
- ただし施設の届出区分(継続優遇 vs 新規 vs 未実施)で格差拡大は避けられない。
- 賃上げ未実施施設は入院基本料の減算ペナルティで経営悪化 → 技師給与凍結のリスクも。
- 「うちの施設の届出区分は?」を今すぐ事務長に聞く。これが最初のアクション。
2026年度改定は、放射線技師にとって「月給直接UPのチャンス」です。制度として3分の2以上の基本給充当義務があり、未実施にはペナルティまで付く。これまでの「賃上げは経営判断」から、「賃上げは制度義務」に一歩踏み込んだ改定です。
しかし現実は、施設の経営力と賃上げ意欲次第で格差が拡大します。Xでバズっている通り、「期待半分・不安半分」が多くの技師の本音でしょう。
だからこそ ――
知ること。聞くこと。動くこと。
技師の皆さん、今が行動のタイミングです。
事務に確認して、みんなで賃上げを実現させましょう!
















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