本業の病院に勤めながら、別の病院やクリニックでアルバイトをする「ダブルワーク(掛け持ち)」。 収入が増えるのは魅力的ですが、知っておかないと後で痛い目を見る「落とし穴」があります。

「社会保険はどうなる?」「税金の手続きは?」 そんな疑問と、絶対に気をつけるべきポイントをまとめました。

重要な前提事項
この記事は、本業の就業規則で副業が認められている方、または適切な許可を得た方を対象としています。 まずは本業の就業規則を確認し、副業禁止規定がある場合は人事部門に相談してください。 また、すべての税金・社会保険の手続きを適切に行い、法令を遵守した上でのダブルワークを前提としています。

1. 20万円の壁(確定申告)

副業をする上で絶対に避けて通れないのが税金の話です。

ルール:副業所得が年間20万円を超えたら確定申告が必要

アルバイトの給与所得や、個人事業(ブログなど)の所得が、1月1日~12月31日の1年間で20万円を超えた場合、翌年の2月~3月に税務署で「確定申告」をする義務があります。

  • 放置するとどうなる?: 脱税になります。数年後に税務署から連絡が来て、延滞税などのペナルティ(無申告加算税)を払わされる可能性があります。
  • 20万円以下なら?: 所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です(意外と知られていません)。

2. 社会保険(健康保険・厚生年金)の「二重加入」問題

アルバイト先での労働時間が増えると、社会保険の加入条件に該当してしまうことがあります。

加入条件(目安)

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 学生でない
  • 従業員数が一定規模以上の事業所

もし本業でも社会保険に入っていて、バイト先でも加入条件を満たしてしまった場合、「二重加入(2以上事業所勤務届)」の手続きが必要になります。 保険料は両方の給与を合算して計算され、それぞれの会社で按分して支払います。 手続きが非常に面倒な上、本業の会社に副業の収入額などが筒抜けになるため、基本的には「バイト先では社会保険に入らない範囲(週20時間未満など)」で働くのが無難です。

3. 雇用保険は原則1社のみ

雇用保険(失業保険)は、2箇所以上で働いていても、「主たる賃金を受けている1社」でしか加入できません。 通常は本業の病院で加入しているため、バイト先では加入できません。 バイト先に「雇用保険の手続きをしますね」と言われたら、「本業で加入しているので不要です」と断る必要があります(そうしないとハローワーク経由で本業にバレる可能性があります)。

4. 疲労管理と本業への影響

ダブルワーク最大のリスクは、**「働きすぎによる健康被害と医療ミス」**です。僕も実際にバイトをしてみて痛感していますが、休みがないと想像以上に本業のパフォーマンスが落ちます。

  • 集中力の限界: 疲労が蓄積した状態での撮影は、左右の取り違えやポジショニングミスを招きます。
  • 「バイトありき」の罠: 生活費をバイトに頼りすぎると、本業を辞めたくても辞められない「バイト地獄」に陥ります。

対策

  • 週に一度は「何もしない日」を作る: 稼ぎたい気持ちはわかりますが、休止しないエンジンはありません。
  • 移動時間を徹底的に削る: 往復2時間のバイト先なら、その分寝たほうがマシです。自宅からアクセスが良い案件、または「宿直で待機時間が長い案件」を狙うのが賢い選択です。
  • 紹介(コネ)を大切に: エージェントを経由したバイトは、条件が微妙(エージェントが手間を嫌がるため)なことが多いです。信頼できる先輩からの紹介なら、急な休みなどの融通が利きやすいメリットもあります。

まとめ

ダブルワークは、単にシフトに入ればいいというものではありません。 「税金」「保険」「健康」の3つを自分で管理する責任が生じます。

  • 年間20万円を超えたら確定申告。
  • バイトの時間数は社会保険に入らない範囲に抑える。
  • 身体を壊したら元も子もないので休む。

これらを守って、安全に収入アップを目指しましょう。

免責事項

この記事は、適法かつ適切な手続きを経た上での副業・ダブルワークを前提としています。

  • 本業の就業規則で副業が禁止されている場合、まずは人事部門に相談し、必要に応じて許可を得てください。
  • 公務員の方は、国家公務員法・地方公務員法により原則として副業が制限されています。事前に任命権者の許可が必要です。
  • すべての税金(所得税・住民税)および社会保険の手続きを適切に行ってください。
  • 本記事は違法就労や脱税を助長するものではありません。法令を遵守した上での副業を推奨します。

当サイトは、本記事の内容に基づく行動により生じたいかなる損害についても責任を負いかねます。 具体的な手続きや判断については、税理士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。

ABOUT ME
ゆん
技師歴15年。副業歴5年。投資歴5年。 資格、転職・副業などのキャリア情報と、患者さん向け情報を発信しています。