JRC 2026 完全攻略ガイド|放射線技師が学会・ITEMをフル活用する方法

放射線技師が学会・ITEMをフル活用する方法
「パシフィコ横浜が広すぎて迷子になりそう」「服装はスーツ必須?」「CyPosって何?」
初参加でも迷わない。経験者でもさらに深く活用できる。JSRTを中心に、学会4日間の完全ガイドをお届けします。
- JRC = JRS + JSRT + JSMP の3学会合同大会。ITEMは同会場の医療機器展示で主催者が別。
- 2026年テーマ「Radiology Connectome」=AIとのつながりが全セッションのキーワード。
- CyPos(電子ポスター)は4月6日から自宅で閲覧可能。当日前にリストを作るのが鉄則。
- 技師の軸はJSRT。ただしJRSのAIセッションも見逃せない。
- 服装は学術会場=スーツ、ITEMのみ=ジャケパンOK。靴だけは必ず歩きやすいものを。
- 発表実績はそのままキャリアの「即戦力証明」になる。
1. JRCとITEMって何が違うの?【基礎知識】
「JRC」と「ITEM」——この2つの単語を混同している技師は少なくありません。同じ時期・同じ場所で開催されますが、主催者も目的もまったく別のイベントです。まずここを整理しましょう。
JRC(日本ラジオロジー合同大会)とは
JRCは、日本ラジオロジー協会が主催する放射線医学分野最大の合同学術大会です。1988年に第1回が開催されて以来、学術発表と産業展示を同一会場で行う「産学共同」モデルとして運営されてきました。
2026年は第85回JRS総会・第82回JSRT総会・第131回JSMP学術大会の3学会合同開催で、大会テーマは「Radiology Connectome」。放射線医学の”つながり”と統合的アプローチを意味するテーマです。
| 学会 | 対象職種 | 主な研究領域 |
|---|---|---|
| JRS(日本医学放射線学会) | 放射線科医 | 診断・IVR・放射線治療の医学的エビデンス |
| JSRT(日本放射線技術学会) | 診療放射線技師 | 撮影技術・装置評価・線量管理・画像処理 |
| JSMP(日本医学物理学会) | 医学物理士 | 治療計画・放射線計測・品質管理 |
放射線技師ならJSRTが主戦場だね。でも、JRSの放射線科医向けセッションも意外と技師に刺さる内容が多い。特に今年はAI診断支援のセッションが充実しているから、1〜2コマは足を運んでみて。
3学会が同時開催だから、スケジュールが重なって全部見られないですよね。どう優先順位をつければいいですか?
技師として参加するなら、JSRTのプログラムを軸に組んで、空き時間でJRSのAIセッションとITEMを入れる構成が一番効率的だよ。CyPostで事前に全学会の発表をリストアップしておくと動線が作りやすい。
ITEM(国際医用画像総合展)とは
ITEMはJIRA(日本画像医療システム工業会)が主催する医療機器展示会で、JRCとは別組織の催しです。2026年は4月17日(金)〜5月14日(木)の会場+WEB開催で、毎年150社以上が出展し来場者は1.5〜2万人規模に及びます。
JRCとITEMは入場証・参加登録が別々です。学会参加者はJRC登録証でITEMの一部に入場できる場合がありますが、必ず公式サイトで事前確認を。ITEMのみの見学は無料登録で入場可能なケースが多いです。
JRC学術大会とITEMが同じパシフィコ横浜で同時開催される理由は「学術で最新知識を得て、展示会で最新機器を実際に触る」という相乗効果を狙ったものです。技師にとって、この2つをセットで活用できる点がJRCの最大の強みといえます。
2. JRC 2026 の注目ポイント【今年ならではの見どころ】
大会テーマ「Radiology Connectome」とAI
「Connectome(コネクトーム)」とは脳神経のつながりを指す言葉ですが、JRC 2026ではこれを「放射線医学・技術・人・AIのつながり」として解釈しています。合同特別講演では「AI時代のデジタル民主主義」「LLMと生成AIが変革する医療の未来」といったセッションが予定されており、例年以上にAIが前面に出た構成です。
2026年度は診療報酬改定の年でもある。医療AI診断支援の加算拡大が議論の中心になっているから、ITEM会場でAI搭載装置を”実機で体験”して、メーカーに加算要件を直接確認できるのが今年最大のチャンスだよ。
診療報酬の話は上司や部長に持ち帰ると喜ばれそうですね。具体的に何を聞けばいいですか?
「この装置・ソフトウェアで算定できる加算は何か」「加算取得に必要な要件と届出の流れ」「他施設での導入事例」の3点を聞くといい。メーカー担当者はこの手の質問に慣れているから、資料も準備してある場合が多いよ。
CyPos(電子ポスター)先行公開の活用法
CyPos(Cyber Poster)はPowerPoint形式でスライドをアップロードするデジタル発表システムです。JRC 2026では4月6日(月)正午から会場開催に先駆けてオンライン閲覧が開始されています。
- 全学会(JRS・JSRT・JSMP)の発表を横断検索・閲覧できる
- 動画を含む発表も視聴可能(撮影技術の動作デモなど)
- 参加登録者は自宅PCからもログイン閲覧が可能
- 会場設置端末からはログイン不要で閲覧できる
事前にCyPosで目当ての発表をリストアップしておくと、当日の動線がスムーズになるんですね!質問票も事前に用意できそう。
まさにそれ。「会場でこの発表者に話しかける」という目標を3人分作っておくと、学会参加の密度がまったく違う。発表後のチャット質問欄は会場外でも書き込めるから、共同研究の種まきにも使えるよ。
3. JSRTの見どころ:技師のための核心セッション
放射線技師がJRCに参加する上で、JSRTのプログラムが最優先事項です。第82回JSRT総会では技師の日常業務に直結するセッションが数多く予定されています。
見逃せない主要プログラム
| プログラム | 対象 | 技師にとっての価値 |
|---|---|---|
| AI Challenge in JRC2026 (JSRT企画 合同シンポジウム) | 全年次 | AIが実際の技師業務をどう変えるかを医師・技師・メーカーで議論する場。自施設のAI導入判断に直結 |
| JSRT若手交流ワークショップ | 1〜10年目 | 全国の若手技師とリアルに交流できる希少な機会。ロールモデル探しに最適 |
| 医用画像モニタ精度管理ハンズオンセミナー | 全年次 | 現場で使える実技スキルを習得。認定ポイント対象の可能性が高い |
| ITEMツアー | 初参加〜中堅 | 展示会場をガイド付きで効率よく巡れる。ITEM初参加者に特にオススメ |
| CyPos(電子ポスター)発表 | 全年次 | 研究成果の発表と全国の技師との議論。WEB期間中(〜5/14)も公開継続 |
認定ポイントの取得戦略
JSRT・日本診療放射線技師会の認定制度では、学術研修ポイントが定期的に必要です。JRCはポイント取得の絶好機ですが、取得できるセッションと参加証の配布方法は毎年異なります。以下の手順で事前確認を徹底しましょう。
①JSRT公式サイトで「認定ポイント対象セッション一覧」を確認 → ②スケジュールに組み込む → ③当日、セッション終了後に参加証を必ず受け取る → ④会場を離れる前にポイント申請受付に立ち寄る
セッションに出席しても参加証の受け取りを忘れるケースが多発します。会場から離れた後では対応不可のことがあるため、セッション終了直後に受け取るを習慣にしてください。
4. 目的別・技師の歩き方戦略
JRCは4日間で数百のセッションが開催されます。全てを回ることは物理的に不可能です。「目的」を先に決めてから逆算でスケジュールを組むのが唯一の正解です。
若手技師(1〜5年目)の最適ルート
若手が最優先すべきは「最新技術の俯瞰」と「ロールモデル探し」です。教科書にない最前線の知識を一気に習得し、将来の進む道を見つける4日間にしましょう。
- 若手交流ワークショップに参加
- 会場マップを手に入れ動線を把握
- 認定ポイント対象セッションを確認
- 名刺を50枚交換を当日の目標に
- AI搭載CT・MRIブースを体験
- メーカー担当者に自施設の課題を伝える
- ITEMツアーに参加して効率よく巡る
- パンフレット・資料を収集
- 合同特別講演(AI)に参加
- 事前リストのCyPos発表者に声がけ
- 名刺交換後はその日のうちにXでフォロー
- ハンズオンセミナーで実技習得
- 見られなかったブースを確認
- まとめ・総括系セッション参加
- 施設報告メモを作成開始
- 認定ポイント申請受付を確認
中堅技師(10〜20年目)の最適ルート
中堅技師の軸は「発表→ネットワーク→後進育成」です。自分の研究を全国に発信し、共同研究の種をまき、部下に持ち帰れる知見を収集する4日間にしましょう。
- 自発表のCyPos掲載を確認
- スライドの最終チェック
- 同領域発表者のスケジュールを把握
- 事前アポ済みのメーカーと面談
- 自発表をベストコンディションで実施
- 発表後のチャットQ&Aを丁寧に返す
- メーカーとの具体的な導入相談
- 他施設中堅技師と情報交換
- 学会後の懇親会・食事に参加
- Xでリアルタイム情報を発信
- 当日中に名刺交換相手をフォロー
- 共同研究の可能性がある技師をリスト化
- 若手育成・部門管理セッション参加
- 後進に伝える「今年の学会まとめ」構成を考える
- 施設報告書のドラフトを開始
- 来年の若手引率計画を立案
5. 実用Tips集【服装・食事・発表準備】
学会参加経験者なら一度は「もっと早く知りたかった」と思ったはず。初参加でよく聞かれる疑問を、ここで全部解決します。
服装の正解
4日間ずっとスーツじゃないといけないんでしょうか…。毎日歩き回るなら動きやすい服装がいいんですが。
学術会場(JSRTセッション)はスーツが基本。でもITEM展示ホールだけの見学ならジャケット+スラックスで浮くことはない。一番大事なのは靴だよ。パシフィコ横浜は本当に広いから、1日1万歩は余裕で超える。
※ドレスコードは学会・施設によって文化が異なる場合があります。指導医や先輩に確認するのが最確実です。
食事・混雑対策
「パシフィコ横浜周辺で昼食が取れない」はJRC参加者が毎年口にする悩みです。特に12時〜13時のクイーンズスクエア周辺は、学会参加者と一般客が集中して極度の混雑になります。
- 対策①:弁当の事前予約——会場内での弁当販売が毎年あります。公式サイトで案内を確認し、早めに予約を
- 対策②:11時台に早めランチ——セッションの合間に11時30分頃に移動すると並ばずに入れる店が多い
- 対策③:野毛・関内エリアへ移動——徒歩15〜20分の野毛・関内は飲食店が豊富。混雑を完全に回避できる
- 対策④:コンビニ朝のうちに調達——桜木町駅周辺のコンビニで開場前に購入しておく
CyPos発表者のための準備チェックリスト
初めてのCyPos発表は「スライドを出せば終わり」ではありません。発表後の質疑対応こそが、全国の技師との縁をつくる本番です。
- スライドは31枚以内・200MB以下(.pptx形式)で登録済み
- 動画はAVI / WMV / MPEG等の対応形式で埋め込み済み
- 指導教員・上司への事前レビューと修正が完了している
- 想定Q&Aを5問以上用意し回答を準備している
- 発表後のチャット質問に48時間以内に返答する準備がある
- 名刺に研究テーマのキーワードを書き添えておく
発表後のチャット質問って、どのくらい来るんですか?答えられるか不安で…。
内容や分野にもよるけど、5〜20件くらいが多い感覚かな。「わかりません、調べて後で返します」は全然OKだよ。それが共同研究につながることもある。丁寧に返す姿勢そのものが評価されると思って。
6. JRC参加をキャリアに活かす方法
JRCは単なる「情報収集の場」ではありません。正しく活用すれば、転職・昇進・共同研究といったキャリアの転換点になり得ます。
発表実績をキャリアに活かす
CyPosや口述発表の実績は、そのまま職務経歴書の「研究・発表」欄に記載できます。
学会発表って、転職の時に職務経歴書に書けるんですか?
もちろん。「演題名・学会名・発表形式・年度」を書いて、CyPosのURLをQRコードで添えると採用担当者に伝わりやすい。研究系・大学病院への転職希望なら発表実績は即戦力の証明として強く評価される。
- 職務経歴書への記載形式:「第82回日本放射線技術学会総会学術大会(JRC 2026)電子ポスター発表」と記載し、演題名を添える
- CyPosのURLを活用:発表ページのURLをQRコードにして応募書類に貼付すると採用担当者がすぐに確認できる
- 採択の事実も価値がある:「JRCのような大規模学会で採択された」こと自体が研究の質を証明する
ネットワークをキャリアに活かす
JRCは転職市場の「非公開情報」が飛び交う場でもあります。施設の雰囲気・研究文化・人間関係は、求人票には一切書かれていません。学会での直接対話が、その情報を得る唯一のルートです。
名刺交換 → その日のうちにXでフォロー → 「◯◯先生の発表を拝見しました」の一言DM。この3ステップを当日中に完結させる。翌日以降になると印象が薄れてしまいます。
7. まとめ:全体チェックリスト
最後に、JRC 2026参加前・当日・事後のアクションをまとめます。このチェックリストを印刷するか、スマホに保存して当日持参してください。
- JRC・ITEM参加登録(入場証・参加費を別々に確認)
- CyPos事前閲覧(4月6日〜)でスケジュールを作成済み
- 聴きたいJSRTセッション・会いたい技師のリストアップ
- 認定ポイント対象セッションを確認してスケジュールに組み込み
- 名刺を100枚以上準備(初参加の場合は150枚推奨)
- 昼食の事前予約または早めランチの作戦を決定
- 歩きやすい靴を用意した
- 認定ポイント取得セッションの参加証を受け取った
- ITEMでメーカー担当者に「自施設の課題」を具体的に伝えた
- 名刺交換した相手はその日のうちにXでフォローした
- CyPos発表者に対面または質問票で声をかけた
- 気になった発表・情報はその場でメモを取った
- 名刺をスキャン・デジタル化してリスト管理した
- 施設報告書を作成した(翌年の出張費申請に使える)
- CyPostのWEB期間(〜5月14日)に見残した発表を閲覧した
- 共同研究候補の技師にフォローアップのメッセージを送った
- 「今年のJRCで得た知見」を後輩・部下に共有した
学会参加は「行くこと」が目的じゃない。持ち帰ったものを施設で実践して、初めて価値になる。今年のJRCで得た一つの知見が、5年後のキャリアを変えることもあるよ。
チェックリストを見たら、ちゃんと準備できていると思えてきました。JRC 2026、全力で楽しんできます!
参考文献・情報源
[ 1 ] 日本ラジオロジー協会(JRC)「JRC2026 開催概要」https://www.j-rc.org/jrc/
[ 2 ] 日本放射線技術学会「第82回JSRT総会学術大会 – Radiology Connectome」https://www.jsrt.or.jp/gmeeting/soukai82/
[ 3 ] 日本医学放射線学会「第85回JRS総会 CyPos登録」https://site2.convention.co.jp/jrs85/cypos/
[ 4 ] 日本画像医療システム工業会「ITEM 2026」https://www.jira-net.or.jp/item2026/
[ 5 ] 日本放射線技師会「生涯教育・認定ポイント」https://www.jart.jp/activity/lifelong_study.html
[ 6 ] 日本医学物理学会「第131回JSMP学術大会 合同シンポジウム AI Challenge in JRC2026」https://www.jsmp.org/conf/131/






















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