【放射線治療の診療報酬】基礎から学ぶ点数と算定ルール|2026年改定対応

「この治療、加算取れる?」
医師からの突然の質問。患者さんは目の前で待っている。IMRT?SBRT?あなたは即答できるだろうか。
放射線治療の技術がどれだけ優れていても、診療報酬のルールを知らなければ、その治療は「実施できない」のと同じ。
2026年6月の診療報酬改定を前に、放射線治療の点数体系を基礎から完全マスターしよう。
リナ、放射線治療の診療報酬って勉強したことある?
正直、技師の養成校ではあまり深く教えてもらえない分野なんだよね。でも現場に出たら絶対に必要な知識なんだ。
ゆんさん、正直に言うと「点数」って聞くだけで頭が痛くなります…。
数字がいっぱい出てきて、何がなんだか。どこから手をつければいいんですか?
大丈夫!まずは「大きな枠組み」から理解していこう。
放射線治療の診療報酬は、大きく分けて「技術料」「管理料」「加算」の3つ。この構造が分かれば、あとは詳細を埋めていくだけだよ。
では、具体的に3本柱の役割を見てみよう!
点数・管理料・加算・スタッフ要件をすべて網羅。タップで展開 ― 現場での即時確認用。
| 区分 | 項目 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| M001 体外照射 | |||
| エックス線 表在治療 | イ 1回目(1部位目) | 110 | 1回 |
| ロ 2回目(2部位目) | 33 | 1回 | |
| 高エネルギー 放射線治療 | 1門 / 対向2門 ― 1回目 | 840 | 1回 |
| 1門 / 対向2門 ― 2回目 | 420 | 1回 | |
| 非対向2門 / 3門 ― 1回目 | 1,320 | 1回 | |
| 非対向2門 / 3門 ― 2回目 | 660 | 1回 | |
| 4門以上 / 運動 / 原体 ― 1回目 | 1,800 | 1回 | |
| 4門以上 / 運動 / 原体 ― 2回目 | 900 | 1回 | |
| IMRT | 強度変調放射線治療 | 3,000 | 1回 |
| M001-2 / M001-3 定位放射線治療 | |||
| M001-2 | ガンマナイフ | 50,000 | 一連 |
| M001-3 | 1. 定位放射線治療の場合 | 63,000 | 一連 |
| 2. 1以外の場合 | 8,000 | 一連 | |
| 注:呼吸性移動対策 イ 動体追尾法 | +10,000 | 一連 | |
| 注:呼吸性移動対策 ロ その他 | +5,000 | 一連 | |
| M001-4 粒子線治療 | |||
| 重粒子線 | イ 希少がん(骨軟部・頭頸部・肺・膵・子宮頸部系等) | 187,500 | 一連 |
| ロ その他(前立腺癌) | 110,000 | 一連 | |
| 陽子線 | イ 希少がん(小児・骨軟部・頭頸部・肺・膵等) | 187,500 | 一連 |
| ロ その他(前立腺癌) | 110,000 | 一連 | |
| M001-5 ホウ素中性子捕捉療法(BNCT) | |||
| BNCT | 切除不能な局所進行・局所再発の頭頸部癌 | 187,500 | 一連 |
| M002 全身照射(TBI) | |||
| M002 | 全身照射(造血幹細胞移植目的に限る) | 30,000 | 一連 |
| M003 電磁波温熱療法(一連につき) | |||
| M003 | 1. 深在性悪性腫瘍(皮下6cm以上・100MHz以下高出力機器使用) | 9,000 | 一連 |
| 2. 浅在性悪性腫瘍(四肢・頸部・腔内加温) | 6,000 | 一連 | |
| M004 密封小線源治療(一連につき) | |||
| M004 | 1. 外部照射 | 80 | 一連 |
| 2. 腔内照射 イ 高線量率Ir/新型Co | 12,000 | 一連 | |
| 2. 腔内照射 ロ その他 | 5,000 | 一連 | |
| 3. 組織内照射 イ 前立腺永久挿入 | 48,600 | 一連 | |
| 3. 組織内照射 ロ 高線量率Ir/新型Co | 23,000 | 一連 | |
| 3. 組織内照射 ハ その他 | 19,000 | 一連 | |
| 4. 放射性粒子照射 | 8,000 | 一連 | |
| M005 血液照射(TA-GVHD予防) | |||
| M005 | 400mL以下 | 110 | 1回 |
| 400mL超(400mLまたはその端数ごとに+110点) | 110+110×n | 1回 | |
※「1回目 / 2回目」は照射日数ではなく部位数。施設基準未届出の高エネルギー放射線治療は所定点数の100分の70。M003電磁波温熱療法は2月に1回・2回を限度として繰り返し算定可。
| 区分 | 項目 | 点数 | 算定回数 |
|---|---|---|---|
| M000 放射線治療管理料 | |||
| 1 | 1門 / 対向2門 / 外部照射 | 2,700 | 一連2回まで |
| 2 | 非対向2門 / 3門 / 腔内照射 | 3,100 | 一連2回まで |
| 3 | 4門以上 / 運動 / 原体 / 組織内照射 | 4,000 | 一連2回まで |
| 4 | IMRT | 5,000 | 一連2回まで |
| M000-2 放射性同位元素内用療法管理料 | |||
| 1 | 甲状腺癌 | 1,390 | 月1回 |
| 2 | 甲状腺機能亢進症 | 1,390 | 月1回 |
| 3 | 固形癌骨転移疼痛 | 1,700 | 月1回 |
| 4 | B細胞性非ホジキンリンパ腫 | 3,000 | 月1回 |
| 5 | 去勢抵抗性前立腺癌骨転移 | 2,630 | 投与日 |
| 6 | 神経内分泌腫瘍 | 2,660 | 投与日 |
| 7 | 褐色細胞腫 | 1,820 | 投与日 |
| B011-4 医療機器安全管理料2 | |||
| 2 | 放射線治療機器(安全管理・精度管理) | 1,100 | 一連につき1回 (照射初日) |
※放射線治療管理料は子宮頸癌に限り一連4回まで。RI内用療法管理料は内用後4月間算定可。医療機器安全管理料2は高エネルギー放射線治療の施設基準と要件が共通。
| 加算名 | 点数 | 紐づき先 | 主な要件・算定対象 |
|---|---|---|---|
| M000 管理料の注に定める加算 | |||
| 放射線治療専任加算 | +330 | M000 注2 | 常勤の専任RT医が計画・管理を行った場合 |
| 外来放射線治療加算 | +100 | M000 注3 | 外来通院で照射を実施(1日1回) |
| 遠隔放射線治療計画加算 | +2,000 | M000 注4 | 他施設と共同で計画策定(一連1回) |
| M001 体外照射の注に定める加算 | |||
| 術中照射療法加算 | +5,000 | M001 注2 | 患者1人1日1回限度 |
| 体外照射用固定器具加算 | +1,000 | M001 注3 | 精密固定器具使用時。一連の治療につき1回 |
| IGRT イ 体表面 | +150 | M001 注4 | 乳房照射に係るもの(1日1回) |
| IGRT ロ 骨構造 | +300 | M001 注4 | 高エネ4門以上 / IMRT(1日1回) |
| IGRT ハ 腫瘍 | +450 | M001 注4 | 高エネ4門以上 / IMRT(1日1回) |
| 体外照射呼吸性移動対策 | +150 | M001 注5 | 呼吸同期・息止め照射等。移動量各方向5mm以下 |
| 一回線量増加(全乳房) | +690 | M001-2 注 | 1回2.5Gy以上。ブースト照射には算定不可 |
| 一回線量増加(前立腺IMRT) | +1,400 | M001-3 注 | 1回3Gy以上 + IGRT(ハ)を算定する場合に限る |
| M001-2 / M001-3 定位放射線治療の注に定める加算 | |||
| 定位RT呼吸性移動対策 イ 動体追尾法 | +10,000 | M001-3 注 | 常勤医師2名以上必要。体外照射呼吸性(2)〜(5)準用 |
| 定位RT呼吸性移動対策 ロ その他 | +5,000 | M001-3 注 | 体外照射呼吸性(1)〜(5)を全て満たす |
| M004 密封小線源治療の注に定める加算 | |||
| IGBT(画像誘導密封小線源) | +1,200 | M004 注 | 腔内照射イ(高線量率Ir/新型Co)に限る。子宮頸癌のみ。一連1回 |
| 食道用アプリケーター加算 | +6,700 | M004 注 | 食道用アプリケーター使用時 |
| 気管・気管支用アプリケーター加算 | +4,500 | M004 注 | 気管・気管支用アプリケーター使用時 |
| 前立腺永久挿入 線源使用加算 | +630/個 | M004 注 | I-125粒子の使用個数分。注6の放射性粒子費用は算定不可 |
| 通則の加算 | |||
| 小児放射線治療加算 | +20〜80% | 通則3 | 新生児+80% / 3歳未満+50% / 3〜6歳+30% / 6〜15歳+20% ※各区分の「注」加算は対象外 |
※IGRT加算は1日2回照射でも1日1回が限度。一回線量増加加算はJASTROガイドライン遵守+患者への文書説明・同意が必須。IGBT加算はJROの密封小線源QAガイドライン遵守が必須。
※「高エネルギー放射線治療」そのものの施設基準には、特定の専門医や経験年数を持つ技師の配置といった厳密な人員要件は明文化されていません。しかし、治療の質・安全性を担保する加算を算定する場合には、医師や技師の配置要件が事実上必須となります。実際にはほとんどの施設が何らかの加算を算定するため、加算の人員要件を満たす体制が実質的に標準です。
| 施設基準・加算 | 常勤医師 | 常勤技師 | その他の 技術者等 | その他の要件 |
|---|---|---|---|---|
| 照射料の施設基準(届出の前提) | ||||
| 高エネルギー 放射線治療 | — 明文規定なし | — 明文規定なし | — | 年間100例以上 or 小児入院医療管理料1の届出 |
| IMRT | RT専ら担当 経験5年以上×1 | RT専ら担当 経験5年以上×1 | QA等専ら担当×1 ※安全管理料2技術者 ・外来照射診療料 技術者と兼任不可 | — |
| 定位放射線治療 | RT専ら担当 経験5年以上×1 | RT専ら担当 経験5年以上×1 | QA等専ら担当×1 ※安全管理料2技術者 ・外来照射診療料 技術者と兼任不可 | — |
| 粒子線治療 | 粒子線経験を 有する×1 | 粒子線経験を 有する×1 | QA等専ら担当×1 ※安全管理料2技術者 ・外来照射診療料 技術者と兼任不可 | — |
| 密封小線源治療 | RT経験を 有する×1 | RT経験を 有する×1 | — | — |
| BNCT | BNCT経験を 有する×1 | BNCT装置の 精度管理経験×1 | 精度管理・保守 担当×1 | — |
| 管理料の施設基準 | ||||
| 放射線治療 管理料 | RT専ら担当 常勤医師×1以上 | — ※施設基準上の 明文規定なし | — | 線量分布図の作成 照射計画の記載 |
| 医療機器 安全管理料2 | RT専ら担当常勤医師 経験5年以上×1 | 安全管理・精度管理 専ら担当 経験5年以上×1 | — | 年間100例以上 |
| 加算の施設基準(人員体制の評価) | ||||
| 放射線治療 専任加算 | RT専ら担当 経験5年以上 常勤×1 | RT専ら担当 経験5年以上 常勤×1 | — | — |
| 外来放射線 治療加算 | RT専ら担当 経験5年以上 常勤×1 | RT専ら担当 経験5年以上 常勤×1 | — | RT専門知識を有する 専任常勤看護師×1 |
| 遠隔放射線 治療計画加算 | 送信側:RT専ら担当 医師がいない 受信側:RT専ら担当×2 うち経験5年以上×1 | 送信側:RT専ら担当 技師×2うち経験5年以上×1 受信側:計画補助専ら担当×1 | 受信側の施設基準 で充足 | ICTを用いた 遠隔連携体制 |
| 加算の施設基準(照射精度の評価) | ||||
| 画像誘導放射線 治療加算 (IGRT) | RT専ら担当 経験5年以上×1 | RT専ら担当 経験5年以上×1 | QA等専ら担当×1 ※安全管理料2技術者 ・外来照射診療料 技術者と兼任不可 | 画像取得装置 精度管理指針 策定・記録保存 |
| 体外照射 呼吸性移動 対策加算 | RT専ら担当×1 経験要件無し | RT専ら担当 経験5年以上×1 | QA等専ら担当×1 ※安全管理料2技術者 ・外来照射診療料 技術者と兼任不可 | 呼吸同期装置等 移動量各方向5mm以下 |
| 一回線量 増加加算 | RT専ら担当 経験5年以上×1 | RT専ら担当 経験5年以上×1 | QA等専ら担当×1 ※安全管理料2技術者 ・外来照射診療料 技術者と兼任不可 | JASTROガイドライン遵守 高エネ:高エネRTを年間100例以上実施 IMRT:年間10例以上IMRT+IGRT(ハ)実施 |
| 定位RT呼吸性 移動対策加算 | RT専ら担当の 常勤医師×2以上 うち1名は 経験5年以上 | 体外照射呼吸性 移動対策加算 の要件に準ずる | 体外照射呼吸性 移動対策加算 の要件に準ずる | 呼吸同期装置等 移動量各方向5mm以下 |
| 粒子線・BNCT関連の施設基準 | ||||
| 粒子線治療 適応判定加算 | キャンサーボード 参加医師(複数科) | — | — | キャンサーボード設置 |
| 粒子線治療 医学管理加算 | 粒子線経験を 有する常勤医×1 | 粒子線施設基準 の技師で充足 | 粒子線施設基準 で充足 | — |
| BNCT 適応判定加算 | キャンサーボード 参加医師(複数科) | — | — | キャンサーボード設置 |
| BNCT 医学管理加算 | BNCT経験を 有する常勤医×1 | BNCT施設基準 の技師で充足 | BNCT施設基準 で充足 | — |
| 小線源関連の施設基準 | ||||
| 画像誘導密封 小線源治療加算 (IGBT) | 画像誘導下 小線源治療経験を 有する常勤医×1 | RT経験を 有する×1 | — | 治療計画用 画像取得装置 |
兼任の可否
| パターン | 可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 高エネ施設基準(一回線量増加加算)の医師 ⇔ RT専任加算の専任医 | ○ 兼任可 | 同一人物で可。通常この形が一般的 |
| 高エネ施設基準(一回線量増加加算)の医師 ⇔ IMRT施設基準の医師 | ○ 兼任可 | 要件が共通するため同一人物で可 |
| 高エネ施設基準(一回線量増加加算)の医師 ⇔ 定位RT施設基準の医師 | ○ 兼任可 | 同一人物で可 |
| 高エネ施設基準(一回線量増加加算)の技師 ⇔ IMRT精度管理技師 | ○ 兼任可 | 同一人物で可 |
| 高エネ施設基準(一回線量増加加算)の技師 ⇔ 定位RT精度管理担当 | ○ 兼任可 | 同一人物で可 |
| 安全管理料2の医師 ⇔ RT関連施設基準の医師 | ○ 兼任可 | 高エネ・IMRT・定位・粒子線・BNCT等すべての常勤医師と兼任可 |
| 安全管理料2の技術者 ⇔ RT関連の常勤技師・担当者 | × 原則不可 | IMRT・IGRT・定位・粒子線・BNCT・IGBT等の技師・担当者と兼任不可(外来RT照射診療料の技術者のみ例外で○) |
| IMRT専ら担当技師 ⇔ IMRTその他の技術者(医学物理士)等 | × 兼任不可 | それぞれ1名以上=別の者が必要 |
| RT「専ら担当」医師 ⇔ 放射線診断業務 | △ 条件付 | 主たる業務がRTであれば一定の兼務可。適時調査で確認対象 |
| RT精度管理技師 ⇔ 一般撮影業務 | △ 条件付 | 主たる業務が精度管理であれば一定の兼務可。適時調査で確認対象 |
| 加算関連の兼任 | ||
| RT専任加算の専任医 ⇔ 外来RT加算の専任医 | ○ 兼任可 | 同一人物で可 |
| 外来RT加算の専任看護師 ⇔ 他科外来看護業務 | △ 条件付 | 「専任」のため50%以上RT外来に従事が必要 |
| IGRT実施医 ⇔ 高エネ施設基準の医師 | ○ 兼任可 | 要件共通。RT専ら担当医が実施 |
| 粒子線適応判定 ⇔ BNCT適応判定のキャンサーボード | ○ 兼任可 | 同一のキャンサーボードで対応可 |
※専従=就業時間の8割以上従事(兼務は原則不可)。専任=就業時間の5割以上従事(残りで他業務可)。専ら担当=主たる業務として従事(数値基準なし)。適時調査では勤務実績表(タイムスタディ)で確認されるため、日頃からの記録整備が重要。
1. 診療報酬の基本構造
放射線治療の診療報酬は、以下の3つの要素で構成されています。
診療報酬の3本柱
なるほど!「照射したらいくら」「計画・管理したらいくら」「条件を満たしたらボーナス」っていう3段階なんですね。
いいまとめだね! でも実は、この3本柱を支える「土台」があるんだ。それが施設基準だよ。
施設基準 ― 算定の大前提
施設基準は「人員・設備・実績」を軸に構成されていて、項目ごとに求められる要素の組み合わせは異なるんだ。厚生労働大臣が定めた基準を満たして地方厚生局に届出が受理されて初めて、各照射料や加算を算定できるようになる。
つまり、どんなに優れた治療技術があっても、施設基準をクリアしていなければ算定できない。
つまり施設基準が大前提で、それをクリアした上に技術料・管理料・加算がぶら下がってるってことですか?
その通り! 現場の日々の業務では3本柱で考えるのが実用的だけど、「なぜこの加算が取れるのか(取れないのか)」を理解するには、上流にある施設基準を知っておくことが大事だよ。
施設基準と3本柱の関係
- 施設基準 = 算定の前提条件。人員配置・設備・症例実績を軸に、項目ごとに要件が定められている
- 3本柱 = 施設基準をクリアした上で算定する報酬の分類(技術料・管理料・加算)
- 施設基準ごとに紐づく照射料・管理料・加算が異なる(例:IMRT施設基準を届出 → IMRT照射料 + 管理料4 + 各加算が算定可能に)
- 届出は地方厚生局に提出し、受理された翌月1日から算定開始(月初受理の場合はその月の初日から)
実際の算定構造 ― 加算はどこに紐づくのか
3本柱で「加算」を独立した柱として紹介したけど、実際の算定構造をもう少し正確に見てみよう。加算は空中に浮いているわけじゃなくて、それぞれ照射料(M001)か管理料(M000)の「注」として紐づいているんだ。
- 通則 (全区分に共通)
- 小児放射線治療加算 新生児+80% / 3歳未満+50% / 3〜6歳未満+30% / 6〜15歳未満+20%
- 特定保険医療材料 第2節の所定点数を合算
- M000 放射線治療管理料 (管理料)
- 1〜4 区分 2,700〜5,000点(分布図の作成1回につき)
- 注2:放射線治療専任加算 +330点
- 注3:外来放射線治療加算 +100点/日
- 注4:遠隔放射線治療計画加算 +2,000点/一連
- M000-2 放射性同位元素内用療法管理料 (RI内用療法)
- 1. 甲状腺癌 1,390点
- 2. 甲状腺機能亢進症 1,390点
- 3. 固形癌骨転移疼痛 1,700点
- 4. B細胞性非ホジキンリンパ腫 3,000点
- 5. 去勢抵抗性前立腺癌骨転移 2,630点
- 6. 神経内分泌腫瘍 2,660点
- 7. 褐色細胞腫 1,820点
- M001 体外照射 (照射料)
- 1. エックス線表在治療 110点 / 33点
- 2. 高エネルギー放射線治療 840〜1,800点
- 一回線量増加加算(全乳房 2.5Gy以上) +690点
- 3. 強度変調放射線治療(IMRT) 3,000点
- 一回線量増加加算(前立腺 3Gy以上) +1,400点
- 注2:術中照射療法加算 +5,000点
- 注3:体外照射用固定器具加算 +1,000点/一連
- 注4:画像誘導放射線治療加算(IGRT) イ:体表面+150 / ロ:骨構造+300 / ハ:腫瘍+450
- 注5:体外照射呼吸性移動対策加算 +150点
- M001-2 ガンマナイフによる定位放射線治療 (一連につき)
- 50,000点 Co-60γ線 201本照射
- M001-3 直線加速器による放射線治療 (一連につき)
- 1. 定位放射線治療の場合 63,000点
- 2. 1以外の場合 8,000点
- 注:定位放射線治療呼吸性移動対策加算
- イ 動体追尾法 +10,000点
- ロ その他 +5,000点
- M001-4 粒子線治療 (一連につき)
- 重粒子線 イ 希少がん等 187,500点
- 重粒子線 ロ その他 110,000点
- 陽子線 イ 希少がん等 187,500点
- 陽子線 ロ その他 110,000点
- 注2:粒子線治療適応判定加算 +40,000点
- 注3:粒子線治療医学管理加算 +10,000点
- M001-5 ホウ素中性子捕捉療法(BNCT) (一連につき)
- 切除不能頭頸部癌 187,500点
- 注2:BNCT適応判定加算 +40,000点
- 注3:BNCT医学管理加算 +10,000点
- 注4:体外照射用固定器具加算 +1,000点
- M002 全身照射(TBI) (造血幹細胞移植目的)
- 一連につき 30,000点
- M003 電磁波温熱療法 (一連につき)
- 1. 深在性腫瘍 9,000点
- 2. 浅在性腫瘍 6,000点
- M004 密封小線源治療 (一連につき)
- 1. 外部照射 80点
- 2. 腔内照射 イ 高線量率Ir/新型Co 12,000点
- 2. 腔内照射 ロ その他 5,000点
- 3. 組織内照射 イ 前立腺永久挿入 48,600点
- 3. 組織内照射 ロ 高線量率Ir/新型Co 23,000点
- 3. 組織内照射 ハ その他 19,000点
- 4. 放射性粒子照射 8,000点
- M005 血液照射 (TA-GVHD予防)
- 400mL以下 110点
- 400mL超 110点+400mL(端数含む)ごとに+110点
- B011-4 医療機器安全管理料2 (安全管理料)
加算が独立してるんじゃなくて、照射料の注か、管理料の注かで紐づき先が決まってるんですね。「専任加算」は管理料の枝だから、管理料を算定していないと取れない…ってことですか?
その通り! 専任加算は管理料の「所定点数に加算する」と定められているから、管理料の算定が前提になる。同じように、IGRT加算は体外照射の所定点数に加算される。この「どこに紐づくか」を意識しておくと、算定ミスが減るよ。
2. 放射線治療管理料・医療機器安全管理料
照射だけでなく、治療計画や品質管理に対しても報酬が設定されています。
M000 放射線治療管理料
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 1. 1門照射、対向2門照射又は外部照射 | 2,700点 |
| 2. 非対向2門照射、3門照射又は腔内照射 | 3,100点 |
| 3. 4門以上の照射、運動照射、原体照射又は組織内照射 | 4,000点 |
| 4. 強度変調放射線治療(IMRT)による体外照射 | 5,000点 |
分布図を作るだけでも、技術の複雑さに合わせて4段階も点数があるんですね。IMRTだと5,000点…すごい重みを感じます。
管理料で特に注意が必要なのが算定できる回数だよ。照射(M001)は毎日算定できるけど、管理料は計画を立てたときのご褒美みたいなものだからね。
管理料の算定回数ルール
- 一連につき2回まで:通常の治療過程(一連)では、最大2回まで算定可能(例:初回計画+ブースト計画)。
- 子宮頸癌の例外:子宮頸癌の治療に限り、一連につき4回まで算定できる。
- 同一日の制限:画像診断と併せて計画を立てた場合、画像診断料は取れるけど、計画作成費用は管理料に含まれるから別途算定はできないよ。
子宮頸癌だけ4回も!腔内照射を繰り返すから、それだけ計画も頻繁に立てますもんね。納得です。
B011-4 医療機器安全管理料2(放射線治療機器)
| 区分 | 点数 | 算定頻度 |
|---|---|---|
| 医療機器安全管理料2 | 1,100点 | 一連につき1回(照射初日) |
算定のポイント
放射線治療機器を使用した一連の照射につき、当該照射の初日に1回算定。高エネルギー放射線治療の施設基準と共通する要件が多く、施設基準の届出が必要。
医療機器安全管理料2の施設基準
- 常勤医師:放射線治療を専ら担当する常勤の医師(放射線治療の経験5年以上)が1名以上
- 精度管理担当技術者:放射線治療に係る医療機器の安全管理、保守点検及び安全使用のための精度管理を専ら担当する技術者(放射線治療の経験5年以上)が1名以上
- 年間症例数:高エネルギー放射線治療を年間合計100例以上実施(又は小児入院医療管理料1の届出)
- 必要機器:高エネルギー放射線治療装置(直線加速器)、治療計画用CT装置、三次元放射線治療計画システム
医療機器安全管理料2の兼任ルール(重要)
安全管理料2は医師と技術者で兼任ルールが大きく異なる。技師にとっては特に重要なポイント。
| 職種 | 兼任 | 内容 |
|---|---|---|
| 常勤医師 | ○ 広範に兼任可 | 放射線治療専任加算、外来RT加算、遠隔RT計画加算、一回線量増加加算、IMRT、IGRT、呼吸性移動対策加算、定位RT、定位RT呼吸性移動対策加算、粒子線治療、粒子線適応判定加算、粒子線医学管理加算、BNCT、BNCT適応判定加算、BNCT医学管理加算、IGBT の常勤医師と兼任可能 |
| → 実質的に1名の常勤医師ですべての加算に対応可能 | ||
| 技術者 (技師) | × 兼任不可 | 外来放射線照射診療料、放射線治療専任加算、外来RT加算、遠隔RT計画加算、一回線量増加加算、IMRT、IGRT、呼吸性移動対策加算、定位RT、定位RT呼吸性移動対策加算、粒子線治療、粒子線医学管理加算、BNCT、BNCT医学管理加算、IGBT の常勤の診療放射線技師とは兼任不可 |
| × 兼任不可 | 遠隔RT計画加算、IMRT、IGRT、呼吸性移動対策加算、定位RT、定位RT呼吸性移動対策加算、粒子線治療、BNCT、IGBT の担当者とも兼任不可 | |
| ○ 例外 | 外来放射線照射診療料に係る技術者とは兼任可能 | |
技師にとっての最重要ポイント
医師は1名で多くの加算に対応できるが、安全管理料2の精度管理担当技術者は他の加算の技師と原則兼任できない。つまり、IMRTやIGRT、定位RTなどを実施する施設では、安全管理料2の専任技術者とは別の技師が必要になる。人員配置を検討する際は、この兼任制限を必ず確認すること。
えっ、医師は1人で全部兼任できるのに、技師はほぼ全部兼任不可なんですか!?それって人員確保がかなり大変ですよね…
その通り。これが施設基準のボトルネックになることも多い。安全管理料2を算定するなら、精度管理専任の技術者を1名確保した上で、IMRTやIGRT等の加算に必要な技師は別に配置する必要がある。算定漏れだけでなく人員要件の見落としも適時調査で指摘されるから、日頃から体制を確認しておこう。
3. 外部照射の点数体系
最も基本となる外部照射の点数を見ていきましょう。まず、放射線治療全体に適用される通則を押さえておきます。
放射線治療 通則(全区分に共通)
- 小児放射線治療加算:新生児 +80%、3歳未満 +50%、3〜6歳未満 +30%、6〜15歳未満 +20%(M000〜M001-3, M002〜M004が対象。ただし各区分の「注」に掲げる加算は加算対象外)
- 特定保険医療材料:放射線治療に使用した場合は、第2節の所定点数を合算して算定
M001 体外照射
1. エックス線表在治療
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| イ 1回目 | 110点 | 一部位目 |
| ロ 2回目 | 33点 | 二部位目以降 |
2. 高エネルギー放射線治療
| 区分 | 1回目 | 2回目 | 備考 |
|---|---|---|---|
| イ(1)1門照射又は対向2門照射 | 840点 | 420点 | 最も基本的な照射 |
| イ(2)非対向2門照射又は3門照射 | 1,320点 | 660点 | 中程度の複雑さ |
| イ(3)4門以上の照射、運動照射又は原体照射 | 1,800点 | 900点 | 高度な照射技術 |
施設基準による減算(100分の70)
高エネルギー放射線治療の施設基準を満たさず届出を行っていない保険医療機関では、所定点数の100分の70に相当する点数で算定する。この施設基準は医療機器安全管理料2(B011-4:1,100点)と密接に関連しており、以下の要件を満たす必要がある。
- 年間症例数:高エネルギー放射線治療を年間合計100例以上実施していること(又は小児入院医療管理料1の届出)
- 必要機器:高エネルギー放射線治療装置(直線加速器)、治療計画用CT装置、三次元放射線治療計画システムを備えていること
3. 強度変調放射線治療(IMRT)
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| IMRT(基本点数) | 3,000点 | 1回につき |
IMRT施設基準の詳細(通知 第83の3)
IMRTの施設基準は、他の照射料と比べてもかなり細かく規定されているんだ。単純に「設備があればOK」じゃなくて、人員・機器・実績・精度管理の4つをすべてクリアする必要がある。順番に見ていこう。
① 人員配置要件
| 職種 | 配置要件 | 兼任の可否 |
|---|---|---|
| 放射線治療を専ら担当する 常勤医師 | 2名以上 うち1名は放射線治療の 経験5年以上 | 医療機器安全管理料2・放射線治療専任加算・外来放射線治療加算・遠隔放射線治療計画加算・一回線量増加加算・IGRT加算・体外照射呼吸性移動対策加算・定位放射線治療・定位放射線治療呼吸性移動対策加算・粒子線治療・粒子線治療適応判定加算・粒子線治療医学管理加算・BNCT・BNCT適応判定加算・BNCT医学管理加算・IGBT加算に係る常勤医師と兼任可 |
| 放射線治療を専ら担当する 常勤の診療放射線技師 | 1名以上 放射線治療の経験5年以上 | 外来放射線照射診療料・放射線治療専任加算・外来放射線治療加算・遠隔放射線治療計画加算・一回線量増加加算・IGRT加算・体外照射呼吸性移動対策加算・定位放射線治療・定位放射線治療呼吸性移動対策加算・粒子線治療・粒子線治療医学管理加算・BNCT・BNCT医学管理加算・IGBT加算に係る常勤の診療放射線技師と兼任可 |
| 精度管理・照射計画検証等を 専ら担当する者 (診療放射線技師その他の技術者等) | 1名以上 | 遠隔放射線治療計画加算・IGRT加算・体外照射呼吸性移動対策加算・定位放射線治療・定位放射線治療呼吸性移動対策加算・粒子線治療・粒子線治療医学管理加算・BNCT・BNCT医学管理加算・IGBT加算に係る担当者と兼任可 ※ 外来放射線照射診療料・医療機器安全管理料2における技術者との兼任は不可 |
非常勤医師による常勤換算の特例
週3日以上常態として勤務し、かつ所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師を2名以上組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該医師の実労働時間を常勤換算し常勤医師数に算入することができる。
- 常勤換算できるのは、常勤配置のうち1名(経験5年以上の者1名を除く)に限る
- この場合、IMRTは年間50例を限度として実施できる
常勤医師が2名も必要なんですね。一人で「5年以上の経験あり」、もう一人はそれ以外でもOKということですか?
そう!ポイントは「うち1名が5年以上の経験者」であること。もう1名は経験年数の明示的な縛りはないけど、放射線治療を「専ら担当する常勤医師」であることは必要だよ。
それと、技師も「放射線治療専ら担当」で「経験5年以上」の常勤者が1名必要。さらに、精度管理・照射計画検証等を専ら担当する者が別に1名以上必要なんだ。この担当者は安全管理料2の技術者と兼任できない点に要注意!
② 症例実績要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 年間実施症例数 | 年間10例以上のIMRTを実施していること ※ 非常勤換算の特例を利用する場合は年間50例が上限 |
| 診療科の標榜 | 放射線科を標榜している保険医療機関であること |
③ 必要な機器・施設
| 区分 | 機器・施設 |
|---|---|
| 照射装置 | 直線加速器(リニアック) |
| 画像診断装置 | 治療計画用CT装置 |
| 治療計画システム | インバースプラン(逆方向治療計画)の可能な三次元放射線治療計画システム |
| 体動制限装置 | 照射中心に対する患者の動きや臓器の体内移動を制限する装置 |
| 照射強度変調装置 | 平面上の照射強度を変化させることができる装置(マルチリーフコリメータ等) |
| 線量計測 | 微小容量電離箱線量計 または 半導体線量計(ダイヤモンド線量計を含む) + 水ファントム または 水等価固体ファントム |
| 線量分布測定 | 二次元以上で相対的な線量分布を測定・比較できる機器 |
④ 精度管理体制
精度管理指針の策定と記録保存が必須
- 当該保険医療機関において、IMRTに関する機器の精度管理に関する指針を策定していること
- 実際の線量測定等の精度管理が、当該指針に沿って行われていること
- 公開可能な精度管理に係る記録が保存されていること
届出に関する事項
IMRTの施設基準に係る届出は、別添2の様式52および様式78を使用すること。
IMRTは一気に3,000点!やっぱり高度な治療は点数も高いですね。
その分、準備や検証に時間がかかるからね。ここからはさらに点数を上乗せする「加算」を見ていくよ!
主な加算項目
| 加算名 | 点数 | 対象・要件 |
|---|---|---|
| 一回線量増加加算(全乳房照射) | +690点 | 1回の線量が2.5Gy以上の全乳房照射 (施設基準届出が必要) ※ブースト照射には算定不可 |
| 一回線量増加加算(前立腺照射・IMRT) | +1,400点 | 1回の線量が3Gy以上の前立腺照射 (施設基準届出が必要) |
| 術中照射療法加算 | +5,000点 | 患者1人につき1日を限度 |
| 体外照射用固定器具加算 | +1,000点 | 身体を精密に固定する器具を使用した場合 一連の治療につき1回に限り |
| 画像誘導放射線治療加算(IGRT) | 患者1人1日につき1回に限り | |
| イ 体表面の位置情報によるもの | +150点 | 乳房照射に係るもの |
| ロ 骨構造の位置情報によるもの | +300点 | 2のイ(3)又はロ(3)又は3に係るもの |
| ハ 腫瘍の位置情報によるもの | +450点 | 2のイ(3)又はロ(3)又は3に係るもの |
| 体外照射呼吸性移動対策加算 | +150点 | 呼吸性移動対策を行った場合 (施設基準届出が必要) |
IGRT加算の算定条件(告示・通知より)
画像誘導放射線治療(IGRT)とは、毎回の照射時に治療計画時と照射時の照射中心位置の三次元的な空間的再現性が5mm以内であることを照射室内で画像的に確認・記録して照射する治療。放射線治療を専ら担当する常勤の医師が実施した場合に限り算定可能。
- イ(体表面):乳房照射に係るもの
- ロ(骨構造)・ハ(腫瘍):高エネ「4門以上/運動/原体照射」又はIMRTに係るもの
- 高エネの1日2回算定時でも、IGRT加算は1日1回が限度
加算項目だけでもたくさんあって、覚えるのが大変そうです…
ここで重要なポイントが2つあるよ。
まず、「1回目」と「2回目」で点数が違うこと。ここでいう「1回目」は1部位目、「2回目」は2部位目という意味。同じ日に2つの部位を照射する場合、2部位目は約半分の点数になるんだ。
実務では、どちらを1部位目(1回目)にするかは自由に選べるから、通常は点数の高い方を1回目にするよ。
そして、門数が増えるほど点数が高い。技術的に複雑になるほど、報酬も高くなる仕組みだね。
「1回目」「2回目」の意味に注意!
ここでいう「1回目」「2回目」は、照射の回数(日数)ではなく、治療する部位の数を指す。「1回目」=1部位目、「2回目」=2部位目という意味。
例えば、同日に「頭部」と「骨盤」の2部位を照射する場合、一方が1回目の点数、もう一方が2回目の点数になる。どちらの部位を1回目として算定するかは施設側で自由に選択できるため、基本的には点数の高い方を1回目(高い方の点数)にするのが一般的。
25回の分割照射を1部位に行う場合は、毎回「1回目」の点数で算定する。「2回目以降は点数が下がる」わけではないので注意してください。
1日2回照射の算定ルール
ゆんさん、1日に2回照射する場合って、2回分の点数が取れるんですか?
いい質問!実は条件を満たせば1日2回分算定できるんだ。でも、かなり厳しいルールがあるよ。
エックス線表在治療・高エネルギー放射線治療の場合
| ケース | 算定条件 | 算定可能な点数 |
|---|---|---|
| 複数部位の照射 | 1回目とは異なる部位に係る2回目の照射 | 1回目(イ)+ 2回目(ロ) |
| 同一部位への複数回照射 | 1回目と2回目の照射の間隔が2時間を超える場合 | 1回目(イ)を1日に2回分 |
強度変調放射線治療(IMRT)の場合
| 対象疾患 | 算定条件 | 算定可能な点数 |
|---|---|---|
| 小細胞肺癌 | 1回目と2回目の照射の間隔が6時間を超える場合 | 3,000点を1日に2回分 |
| その他の疾患 | — | 1日1回のみ |
記録義務
1日2回目の照射を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に1回目及び2回目の照射の開始時刻及び終了時刻を記載すること。
例:小細胞肺癌に対するIMRT
- 1回目照射:9:00〜9:45 → 3,000点
- 2回目照射:16:00〜16:45 → 3,000点
- 照射間隔:6時間15分 → 6時間を超えるため算定可能
- 合計:6,000点
重要な定義と要件
体外照射の定義
- エックス線表在治療:管電圧10万ボルト未満による照射療法
- 高エネルギー放射線治療:100万電子ボルト以上のエックス線又は電子線。直線加速装置又はマイクロトロン治療装置使用による照射療法
- 強度変調放射線治療(IMRT):多分割絞り(マルチリーフコリメータ)などを用いて、空間的又は時間的な放射線強度の調整を同一部位に対する複数方向からの照射について行うことで、三次元での線量分布を最適なものとする照射療法
IMRT算定の厳格な要件
関連学会のガイドラインに準拠し、3方向以上の照射角度から各門につき3種以上の線束強度変化を持つビームによる治療計画を逆方向治療計画法にて立案したものについて照射した場合に限る。
画像誘導放射線治療(IGRT)の要件
毎回の照射時に治療計画時と照射時の照射中心位置の三次元的な空間的再現性が5ミリメートル以内であることを照射室内で画像的に確認・記録して照射する治療。
IGRT加算の算定制限
高エネルギー放射線治療の所定点数を1日に2回分算定できる場合であっても、IGRT加算は1日に1回の算定を限度とする。
呼吸性移動対策の詳細
以下の条件を満たす場合に算定可能:
- 対象疾患:呼吸による移動長が10ミリメートルを超える肺がん、食道がん、胃がん、肝がん、胆道がん、膵がん、腎がん若しくは副腎がん、又は深吸気位において心臓の線量低減が可能な左乳がん
- 技術要件:治療計画時及び毎回の照射時に呼吸運動(量)を計測する装置又は実時間位置画像装置等を使用
- 精度要件:呼吸性移動のために必要な照射野の拡大が三次元的な各方向に対しそれぞれ5ミリメートル以下となること
- 記録義務:治療前の照射範囲計画について記録し、毎回照射時に実際の照射範囲について記録の上、検証すること
一回線量増加加算の要件
- 日本放射線腫瘍学会が作成した最新の「放射線治療計画ガイドライン」を遵守
- 患者に対して、当該治療の内容、合併症及び予後等を照射線量と回数の違いによる差異が分かるように文書を用いて詳しく説明し、同意を得ること
- 説明内容については文書で交付、診療録に添付すること(図・画像・映像・模型等の使用も可。患者への説明が困難な場合は、事後の説明又は家族等関係者への説明でも可)
- 前立腺照射のIMRT一回線量増加加算は、IGRT加算(ハ)腫瘍の位置情報によるものを算定する場合に限る
- 全乳房照射の一回線量増加加算は、ブースト照射部分には適用できない。ただし、ブースト照射を寡分割(1回線量を増やして回数を減らす)で行うこと自体は可能(加算は算定不可)
乳がんの「一回線量増加加算」は寡分割照射が対象なんだけど、ブースト照射の部分にはこの加算はつかないんだ。
ブースト照射自体を寡分割(1回2.65Gyなど)で実施するのはOKなんだけど、その分の加算は取れないっていうルール。間違いやすいから要注意だよ!
えっ、ブースト照射をするときは、この加算は諦めるか、計画を見直さないといけないってことですね。勉強になります!
4. 定位放射線治療(SRT/SBRT)
ゆんさん、SRTとSBRTって点数は同じなんですか?
いい質問!定位放射線治療は、頭蓋内でも体幹部でも点数は変わらないんだ。
M001-2 ガンマナイフによる定位放射線治療
50,000点(一連につき)
半球状に配置された多数のCo-60微小線源から出るガンマ線を集束させ、病巣部を照射する治療法。数か月間の一連の治療過程に複数回の治療を行った場合であっても、所定点数は1回のみ算定。
一連の費用は所定点数に含まれる
定位型手術枠(フレーム)を取り付ける際等の麻酔、位置決め等に係る画像診断、検査、放射線治療管理等の当該治療に伴う一連の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
M001-3 直線加速器による放射線治療
| 区分 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|
| 1. 定位放射線治療の場合 | 63,000点 | 一連につき |
| 2. 1以外の場合 | 8,000点 | 一連につき |
直線加速器(マイクロトロンを含む)により極小照射野で線量を集中的に照射する治療法。M001体外照射を算定する場合は当該点数を算定できない(併算定不可)。
定位放射線治療の固定精度要件(通知)
- 頭頸部:照射中心の固定精度が2mm以内
- 体幹部:照射中心の固定精度が5mm以内。体幹部は施設基準に適合し届出が受理された保険医療機関に限る
定位放射線治療の対象疾患(通知)
- 頭頸部:頭頸部腫瘍(頭蓋内腫瘍を含む)、脳動静脈奇形(AVM)、薬物療法による疼痛管理が困難な三叉神経痛
- 体幹部:原発病巣が直径5cm以下で転移病巣のない原発性肺癌・肝癌・腎癌、3個以内で他病巣のない転移性肺癌・転移性肝癌、転移病巣のない限局性の前立腺癌・膵癌、直径5cm以下の転移性脊椎腫瘍、5個以内のオリゴ転移、脊髄動静脈奇形(頸部脊髄AVMを含む)
一連の費用は所定点数に含まれる
定位型手術枠又はこれと同等の固定精度を持つ固定装置を取り付ける際等の麻酔、位置決め等に係る画像診断、検査、放射線治療管理等は所定点数に含まれ、別に算定できない。数か月間の一連の治療過程に複数回の治療を行った場合であっても、所定点数は1回のみ算定。
定位放射線治療呼吸性移動対策加算
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、呼吸性移動対策を行った場合に所定点数に加算します。
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| イ 動体追尾法 | 10,000点 | リアルタイムで腫瘍を追尾しながら照射 |
| ロ その他 | 5,000点 | 呼吸同期・息止め等(動体追尾以外の方法) |
施設基準のポイント:動体追尾法 vs その他
動体追尾法(10,000点)は施設基準が特に厳しく、RT専ら担当の常勤医師が2名以上(うち1名は経験5年以上)必要です。技師・担当者の要件は体外照射呼吸性移動対策加算に準じます。
その他(5,000点)は体外照射呼吸性移動対策加算の施設基準(1)〜(5)をすべて満たせばOKです(医師は1名)。
動体追尾法の「常勤医師2名」を見落とすな!
通常の定位放射線治療の施設基準は常勤医師1名だが、動体追尾法は2名以上が必要。RT専ら担当の医師を2名確保できない施設では、10,000点の動体追尾法ではなく5,000点の「その他」での届出を検討する必要がある。
また、定位放射線治療の届出施設では医療機器安全管理料2(B011-4:1,100点)も併算定可能 — 算定漏れに注意。
動体追尾法の「医師2名」要件は地味に厳しい。CyberKnife や Vero のような追尾照射装置を持っていても、医師のマンパワーが足りなければ届出できないケースがあるよ。
装置はあるのに人が足りなくて届出できない…それは悔しいですね。定位照射は「一連」で算定するから、開始時のチェックが大事ですね!
5. 粒子線治療
ゆんさん、粒子線治療って保険がきくんですか?すごく高いイメージがあるんですけど…
一部の疾患は保険適用になっているよ!ただ、まだ先進医療(自費)のままの疾患もあるから、その区別が大事なんだ。
M001-4 粒子線治療(一連につき)
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| 1. 重粒子線治療(炭素原子核を加速して照射) | ||
| イ 希少な疾病に対して実施した場合 | 187,500点 | 骨軟部腫瘍・頭頸部・肺がん・膵がん・子宮頸部系等 |
| ロ 1以外の特定の疾病(前立腺がん) | 110,000点 | 限局性・局所進行性(転移なし) |
| 2. 陽子線治療(水素原子核を加速して照射) | ||
| イ 希少な疾病に対して実施した場合 | 187,500点 | 小児がん・骨軟部腫瘍・頭頸部・肺がん・膵がん等 |
| ロ 1以外の特定の疾病(前立腺がん) | 110,000点 | 限局性・局所進行性(転移なし) |
| 加算(施設基準届出の場合に所定点数に加算) | ||
| 注2 粒子線治療適応判定加算 | +40,000点 | 適応判定体制が整備された施設でキャンサーボード等による判定を実施した場合 |
| 注3 粒子線治療医学管理加算 | +10,000点 | RT専従医師が照射計画に基づく三次元的医学管理を実施した場合 |
金額に換算すると?
希少な疾病:187,500点 = 約187万5,000円、前立腺がん:110,000点 = 約110万円(1点=10円)。3割負担でも高額療養費制度の対象となるため、実際の自己負担はさらに軽減される。
治療法の定義(通知)
- 重粒子線治療:炭素原子核を加速することにより得られた重粒子線を集中的に照射する治療法
- 陽子線治療:水素原子核を加速することにより得られた陽子線を集中的に照射する治療法
保険適用対象疾患(告示・通知に基づく)
算定区分(希少な疾病 187,500点 / 特定の疾病 110,000点)によって点数が異なります。
| 対象疾患・条件 | 重粒子線 | 陽子線 | 区分・点数 |
|---|---|---|---|
| ❶ 希少な疾病(187,500点) | |||
| 小児腫瘍(限局性の固形悪性腫瘍) | — | ○ | 希少 |
| 限局性の骨軟部腫瘍(手術による根治的治療法が困難) | ○ | ○ | 希少 |
| 頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く) | ○ | ○ | 希少 |
| 早期肺癌(Ⅰ期〜ⅡA期・手術困難) | ○ | ○ | 希少 |
| 肝細胞癌(長径4cm以上・手術困難) | ○ | ○ | 希少 |
| 肝内胆管癌(手術困難) | ○ | ○ | 希少 |
| 局所進行性膵癌(手術困難) | ○ | ○ | 希少 |
| 局所大腸癌(術後再発・手術困難) | ○ | ○ | 希少 |
| 局所進行性子宮頸部腺癌(手術困難) | ○ | — | 希少 |
| 局所進行性子宮頸部扁平上皮癌(長径6cm以上・手術困難) | ○ | — | 希少 |
| 悪性黒色腫(婦人科領域の臓器から発生・手術困難) | ○ | — | 希少 |
| ❷ 1以外の特定の疾病(110,000点) | |||
| 限局性及び局所進行性前立腺癌(転移を有するものを除く) | ○ | ○ | 特定 |
先進医療との区別に注意
上記以外の疾患に粒子線治療を行う場合は先進医療の扱いとなり、技術料は全額自費(約300万円前後)。保険適用対象かどうかは算定時に必ず確認すること。
また、数か月間の一連の治療過程に複数回の治療を行った場合であっても、所定点数は1回のみ算定する。位置決めなどに係る画像診断・検査等の一連の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
注2:粒子線治療適応判定加算(+40,000点)の算定条件
粒子線治療の適応判定に関する体制が整備された施設(地方厚生局長等へ届出済)において、粒子線治療の適応判定に係る検討が実施された場合に算定できる。
- 当該治療を受ける全患者に対し、治療内容・合併症・予後等を文書を用いて詳しく説明すること
- 患者から要望があった場合、その都度治療に関する情報を提供すること
- 患者への説明内容は文書(書式様式は自由)で交付し、診療録に添付すること
注3:粒子線治療医学管理加算(+10,000点)の算定条件
粒子線治療に係る照射に際して、以下の医学的管理を行った場合に限り算定する:
- 画像診断に基づきあらかじめ作成した線量分布図に基づいた照射計画を策定すること
- 照射時の照射中心位置を、三次元的な空間的再現性により照射室内で画像的に確認・記録すること
- 放射線治療を担当する専従の医師が策定した照射計画に基づくこと
粒子線治療の施設基準(概要)
- 常勤医師:粒子線治療に関する経験を有する常勤の医師が1名以上(専ら放射線治療を担当)
- 常勤技師:粒子線治療に関する経験を有する常勤の診療放射線技師が1名以上
- 精度管理担当:粒子線治療機器の精度管理・安全管理を専ら担当する者が1名以上
- 必要機器:粒子線治療装置、治療計画用CT装置、三次元放射線治療計画システム
187,500点って桁違い!でも保険適用の疾患が年々増えてるんですね。
そう!令和6年6月から保険適用が大幅に拡大されたんだ。ただし、保険切替のタイミングには細かいルールがあるから、事務連絡の内容もしっかり押さえておこう。
先進医療から保険診療への切替ルール(事務連絡:令和6年6月1日)
【Q】令和6年6月1日から保険適用となった疾患について、同年5月31日以前に先進医療として治療を開始した患者は、6月1日以降も保険診療として請求できるか?
【A】不可。令和6年5月31日以前に先進医療による治療を開始した患者については、同年6月1日以降の治療についても先進医療の枠組みにおいて継続し、費用の請求を行うこと。
ただし、以下の場合は例外:
- 令和6年5月31日時点で先進医療による治療に係る同意を取得済みだが、一連の治療を開始していない患者が、同年6月1日以降に保険診療による治療を開始することを希望する場合
- → 改めて保険診療による治療に係る同意を取得することで、保険診療に切り替えて治療を開始して差し支えない
6. ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)
BNCTって聞いたことあるんですけど、粒子線治療とは別の区分なんですか?
そう、別区分だよ。ホウ素を含む薬剤を体内に取り込ませてから中性子線を照射して、がん細胞だけを破壊する治療法。今のところ頭頸部癌に限定して保険適用されているんだ。
M001-5 ホウ素中性子捕捉療法(一連につき)
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| ホウ素中性子捕捉療法(BNCT) | 187,500点 | 切除不能な局所進行・局所再発の頭頸部癌に限る |
| 加算(施設基準届出の場合に所定点数に加算) | ||
| 注2 BNCT適応判定加算 | +40,000点 | 適応判定体制が整備された施設でキャンサーボード等による判定を実施した場合 |
| 注3 BNCT医学管理加算 | +10,000点 | BNCT専門医師が照射計画に基づく三次元的医学管理を実施した場合 |
| 注4 体外照射用固定器具加算 | +1,000点 | 精密固定器具使用の場合。一連につき1回のみ |
金額に換算すると?
187,500点 = 約187万5,000円(1点=10円)。高額療養費制度の対象。なお、使用する薬剤(BPA等のホウ素製剤)は別に算定可能(粒子線治療と異なる点に注意)。
算定要件(通知)
- 薬事承認された医療機器および医薬品を使用すること
- 対象疾患:切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部癌に限る
- 一連の治療につき1回のみ算定
- 関連学会により認定された医師の管理の下で実施すること
- 使用薬剤は別に算定できる(位置決め等の画像診断・検査は所定点数に含まれ別算定不可)
粒子線治療との比較:薬剤算定の違い
粒子線治療では関連する画像診断・検査はすべて所定点数に包括される。一方BNCTでは、ホウ素化合物(BPA等)の薬剤費は別途算定できる点が大きな相違点。算定時に混同しないよう注意。
注2:BNCT適応判定加算(+40,000点)の算定条件
治療適応判定に関する体制が整備された施設において、適応判定が実施された場合に算定。粒子線治療の適応判定加算と同様の要件:
- 全患者に対し治療内容・合併症・予後等を文書を用いて詳しく説明すること
- 患者から要望があった場合、その都度治療に関する情報を提供すること
- 説明内容は文書(書式自由)で交付し、診療録に添付すること
注3:BNCT医学管理加算(+10,000点)の算定条件
BNCTに係る照射に際して、以下の医学的管理を行った場合に限り算定:
- 画像診断に基づきあらかじめ作成した線量分布図に基づいた照射計画を策定すること
- 照射時の照射中心位置を、三次元的な空間的再現性により照射室内で画像的に確認・記録すること
- BNCTに関する専門の知識を有する医師が策定した照射計画に基づくこと
注4:体外照射用固定器具加算(+1,000点)
BNCTを行う際に身体を精密に固定する器具を使用した場合に、一連の治療につき1回のみ算定できる。
施設基準(概要)
- 常勤医師:BNCTに関する経験を有する常勤の医師が1名以上
- 常勤技師:BNCT装置の精度管理に関する経験を有する常勤の診療放射線技師が1名以上
- 精度管理担当:BNCT機器の精度管理・保守を専ら担当する者が1名以上
- 粒子線治療適応判定加算・BNCT適応判定加算のキャンサーボードは同一のものを兼用可
7. 全身照射(TBI)
全身照射って骨髄移植のときに使うやつですよね?算定はどうなっているんですか?
造血幹細胞移植の前処置として行う場合に限って算定できるよ。目的が明確に絞られているのが特徴だね。
M002 全身照射(一連につき)
| 区分 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|
| 全身照射(TBI) | 30,000点 | 造血幹細胞移植を目的として行われるものに限る |
算定上の注意(告示・通知)
- 1回の造血幹細胞移植につき一連として1回のみ算定できる
- 造血幹細胞移植目的以外(例:悪性リンパ腫の姑息照射等)では算定不可
8. 電磁波温熱療法
電磁波温熱療法って放射線治療と一緒に使うものですよね?単独でも算定できるんですか?
放射線との併用が多いけど、化学療法との併用や単独でも算定可なんだ。「深在性」と「浅在性」で点数が違うから、部位と機器でどちらか確認が必要だよ。
M003 電磁波温熱療法(一連につき)
| 区分 | 点数 | 対象・要件 |
|---|---|---|
| 1. 深在性悪性腫瘍に対するもの | 9,000点 | 頭蓋内・体腔内、概ね皮下6cm以上の深部、100MHz以下の低周波高出力機器使用 |
| 2. 浅在性悪性腫瘍に対するもの | 6,000点 | 四肢・頸部の悪性腫瘍、またはアプリケーターによる腔内加温 |
深在性・浅在性の区分(通知)
- 深在性(9,000点):頭蓋内または体腔内に存在する腫瘍であって、腫瘍の大半が概ね皮下6cm以上の深部に所在するものに対して、100MHz以下の低周波数の高出力機器を使用して行う場合
- 浅在性(6,000点):四肢もしくは頸部の悪性腫瘍に対して行う場合、またはアプリケーターを用いて腔内加温を行う場合は、腫瘍の部位・使用機器の如何を問わず浅在性として算定する
「浅在性」区分の範囲に注意
四肢・頸部の腫瘍および腔内加温は、腫瘍が深部にあっても・高出力機器を使っても必ず浅在性(6,000点)として算定する。「部位が深い=深在性」と誤認しないよう注意。
算定上の重要ポイント(通知)
- 放射線治療との併用なしでも算定可(化学療法との併用・単独実施も対象)
- 「一連」=所期の目的を達するまでの一連の治療過程。数か月間に複数回実施しても1回のみ算定
- 医学的な必要性から一連の治療過程後に再度実施する場合は、2月に1回・2回を限度として算定可
- 実施に当たっては治療部分の温度を測定し、十分な加温を確認する等の措置を講ずること
- 使用するセンサー等の消耗品費用は所定点数に包括(別算定不可)
9. 密封小線源治療
M004 密封小線源治療(一連につき)
疾病の種類、部位の違い、部位数にかかわらず「一連につき」所定点数を算定します。挿入・抜去・刺入の手技料は所定点数に含まれ、別に算定できません。
| 区分 | 点数 | 内容 |
|---|---|---|
| 1. 外部照射 | ||
| 外部照射 | 80点 | Co-60・Cs-137のγ線、Sr-90のβ線による4cm以下の近距離照射・直接貼布 |
| 2. 腔内照射 | ||
| イ 高線量率Ir / 新型Co | 12,000点 | 子宮腔・腟腔・口腔・直腸等にIr-192管を挿入。アプリケーター挿入〜抜去を一連で算定 |
| ロ その他 | 5,000点 | Cs-137管等を腔内に挿入、または眼窩内等にSr容器を挿入。旧型Co腔内照射装置は算定不可 |
| 3. 組織内照射 | ||
| イ 前立腺癌永久挿入療法 | 48,600点 | I-125粒子を前立腺組織内に挿入。関係法令・ガイドライン遵守が必須 |
| ロ 高線量率Ir / 新型Co | 23,000点 | Ir-192線源を組織内に挿入。外套針の刺入〜抜去の全期間を一連で算定 |
| ハ その他 | 19,000点 | 舌・口腔・皮膚・乳癌等にCo針・Cs針等を刺入。刺入〜抜去を一連で算定 |
| 4. 放射性粒子照射 | ||
| 放射性粒子照射 | 8,000点 | 放射性金粒子等を組織内に刺入。使用本数に関係なく一連で算定 |
加算・線源費用
| 加算項目 | 点数 | 算定ルール |
|---|---|---|
| 画像誘導密封小線源治療加算(IGBT) | +1,200点 | 腔内照射イ(高線量率Ir/新型Co)に限る。CT/MRIで治療計画。子宮頸癌のみ。一連1回。JASTROガイドライン遵守 |
| 食道用アプリケーター加算 | +6,700点 | 食道用アプリケーター使用時 |
| 気管・気管支用アプリケーター加算 | +4,500点 | 気管・気管支用アプリケーター使用時 |
| 前立腺永久挿入 線源使用加算 | +630点/個 | 使用個数分を加算。この場合、注6の放射性粒子費用は算定不可 |
| 線源費用(材料費) | ||
| 高線量率Ir | 購入価格 ÷ 50円。患者1人1回限り。同一線源で複数患者・複数回照射しても1回のみ | |
| 低線量率Ir | 購入価格 ÷ 10円。患者1人1回限り | |
| 放射性粒子 | 購入価格 ÷ 10円 | |
| コバルト | 購入価格 ÷ 1,000円。患者1人1回限り | |
「一連」の落とし穴に注意!
密封小線源治療は疾病・部位・部位数にかかわらず「一連」で算定する。分割照射(例:腔内照射を週1回×4回)であっても、所定点数は1回のみの算定。また、高線量率Irの線源費用も患者1人につき1回限りなので、複数回照射しても線源加算は1回だけ。
IGBT加算のポイント
画像誘導密封小線源治療加算(IGBT)は腔内照射の高線量率Ir/新型Co(2のイ)に限り算定可能。アプリケーター挿入状態でCT/MRIを撮影し、腫瘍と周囲臓器への最適線量を計算して子宮頸癌に照射した場合のみ。JASTROの「密封小線源治療の診療・物理QAガイドライン」遵守が必須です。
密封小線源の点数体系は外部照射と全く違う。「一連につき」の算定ルールと線源費用の加算方法を理解するのがポイントだよ。
特に高線量率Irの費用は「購入価格 ÷ 50円」だけど、同じ線源で複数患者に照射しても加算は1回だけというのが盲点になりやすい。
前立腺の永久挿入が48,600点で一番高いんですね!しかも線源1個あたり630点の加算…数十個使うとかなりの点数になりますね。
そう、I-125シードを50〜100個使うことが多いから、線源加算だけで31,500〜63,000点にもなる。ただし永久挿入の線源使用加算を算定する場合は、注6の放射性粒子費用は算定できないから注意!
10. 血液照射
血液照射って輸血のときに行うんですよね?算定はどういう仕組みになっているんですか?
輸血後GVHDの予防のために血液に照射するんだ。血液量が増えるごとに加算される逓増方式だから計算の仕方をしっかり覚えておこう。
M005 血液照射
| 血液量 | 点数 |
|---|---|
| 400mL以下 | 110点 |
| 400mLを超える場合 | 110点 + 400mL(またはその端数)ごとに+110点 |
計算例
- 600mL照射 → 400mL分(110点)+ 200mL分(端数200mL → +110点)= 220点
- 800mL照射 → 400mL分(110点)+ 400mL分(+110点)= 220点
- 1,200mL照射 → 110 + 110 + 110 = 330点
算定上の重要ポイント(通知)
- 輸血後移植片対宿主病(TA-GVHD)予防のために輸血用血液へ放射線照射を行った場合に算定
- 実際に輸血を行った1日当たりの血液量についてのみ算定する(照射したが輸血しなかった血液は算定不可)
- 血液量は「実際に照射した総量」または「原材料として用いた血液の総量」のいずれか少ない量で算定
- 放射線を照射した血液製剤(照射済製剤)を使用した場合は別に算定不可
血液量算定の具体例(通知)
- 200mLの血液から製造された30mLの血液成分製剤 → 30mLとして算定
- 200mLの血液から製造された230mLの保存血・血液成分製剤 → 200mLとして算定(原材料量の方が少ないため)
血液照射の実施に当たっては、「血液製剤の使用指針」「輸血療法の実施に関する指針」「血小板製剤の適正使用について」等の関係通知・関係学会ガイドラインを遵守するよう努めること。
11. 特定保険医療材料
第2節 特定保険医療材料料
| 区分 | 算定方法 |
|---|---|
| 特定保険医療材料(放射線治療に使用した場合) | 材料価格を10円で除して得た点数 |
算定の仕組み(告示)
- 使用した特定保険医療材料の材料価格は別に厚生労働大臣が定める
- 算定点数 = 材料価格(円)÷ 10(端数処理に注意)
- 放射線治療の各区分(第1節)の所定点数に合算して算定する
- 小児放射線治療加算の加算対象外(各区分の「注」加算には小児加算不適用)
12. 重要な加算項目
ここからが技師として特に重要なところ。「加算」は施設の体制や技術力を評価するものだから、しっかり理解しておこう。
主な加算一覧
| 加算名 | 点数 | 要件 |
|---|---|---|
| 放射線治療専任加算 | 330点 | 常勤の専任放射線治療医が計画・管理を行った場合 |
| 外来放射線治療加算 | 100点 | 外来通院で照射を実施(1日1回) |
| 遠隔放射線治療計画加算 | 2,000点 | 他施設と共同で計画策定(一連につき1回) |
| 体外照射呼吸性移動対策加算 | 150点 | 呼吸同期照射、息止め照射等 |
| 画像誘導放射線治療加算(IGRT) | 300点 | 治療直前の画像確認 |
IGRT加算やっと理解できました!毎回コーンビームCT撮ってるのは、患者さんの安全のためだけじゃなくて、診療報酬的にも意味があるんですね。
その通り!加算を取るためには適切な記録と文書化も必要だから、日々の業務がそのまま算定根拠になるんだよ。
13. 照射料・加算のスタッフ・精度管理要件
ここまでで点数と加算の全体像が見えたね。最後に、施設基準で求められるスタッフ配置と精度管理を横断的に整理しておくよ。技師として自分がどの要件に関わっているか、確認してみよう。
治療区分別のスタッフ要件(2024年度)
| 治療区分 | 常勤医師 | 常勤技師 | 医学物理士等 |
|---|---|---|---|
| 高エネルギー放射線治療 | 経験5年以上×1名 (専ら担当) | 精度管理担当 経験5年以上×1名 | — |
| IMRT | 経験5年以上×1名 (専ら担当) | 精度管理担当 経験5年以上×1名 | 精度管理・照射計画の 検証を専ら担当×1名 |
| 定位放射線治療 | 放射線治療の経験を 有する×1名(専ら担当) | 放射線治療の 経験を有する×1名 | 精度管理担当×1名 |
| 粒子線治療 | 粒子線治療の経験を 有する×1名(専ら担当) | 粒子線治療の 経験を有する×1名 | 精度管理・保守 担当×1名 |
| 密封小線源治療 | 放射線治療の経験を 有する×1名 | 放射線治療の 経験を有する×1名 | — |
精度管理に関する主な要件
| 治療区分・加算 | 年間症例数 | 必要な機器・体制 |
|---|---|---|
| 高エネルギー放射線治療 | 年間100例以上 | 直線加速器、治療計画CT、3D-TPS |
| IMRT | 施設実績として 相当数の実施 | MLC装備のリニアック、逆方向治療計画、 独立した線量検証体制 |
| 定位放射線治療 | — | 固定精度の確保、独立した線量検証体制、 緊急時対応体制 |
| IGRT加算 | — | 照射室内画像取得装置、 位置照合精度5mm以内の記録・検証体制 |
| 呼吸性移動対策加算 | — | 呼吸同期装置またはリアルタイム位置監視装置、 移動量3方向各5mm以下の検証体制 |
| 一回線量増加加算 | — | JASTROガイドライン遵守、患者への文書説明・同意、 線量・回数の比較情報提供 |
「専任」「専従」「専ら担当」の違い
ゆんさん、施設基準で「専任」とか「専従」とか出てきますけど、何が違うんですか?「専ら担当」もよく見るし、正直混乱してます…
ここ、適時調査で一番突っ込まれるポイントだから超重要!3つの用語は似てるけど、拘束度がまったく違うんだ。
| 区分 | 定義 | 就業時間の目安 | 他業務との兼務 |
|---|---|---|---|
| 専従 | 当該業務に専ら従事していること | 8割以上 | 原則不可。残り2割以内の範囲で一時的・限定的な兼務のみ |
| 専任 | 当該診療の実施を自ら担当しており、その就業時間の少なくとも5割以上を当該診療に従事していること | 5割以上 | 残りの就業時間で他の業務に従事可能 |
| 専ら担当 | 主たる業務として従事していること | 明確な数値基準なし | 一定程度の兼務可能。主たる業務が当該診療であることが条件 |
放射線治療での具体例
- 放射線治療専任加算の「専任」医師:就業時間の5割以上を放射線治療に従事。残りの時間で放射線診断や読影業務を行うことが可能
- 高エネルギー放射線治療の「専ら担当」医師:放射線治療を主たる業務とする。「専任」ほど明確な数値基準はないが、主に治療業務に携わっていることが求められる
- 精度管理を「専ら担当」する技術者:精度管理業務が主たる業務。一般撮影との兼務は可能だが、精度管理が中心であることを勤務実績で示す必要あり
適時調査での確認ポイント
適時調査では勤務実績表(タイムスタディ)で実際の従事割合が確認される。「専任」なのに就業時間の5割未満しか従事していない場合や、「専従」なのに日常的に他業務に従事している場合は施設基準の返還につながるリスクがある。日頃から勤務実績の記録を整備しておくこと。
専従が8割、専任が5割…!数字で決まってたんですね。「専ら担当」は数値基準がない分、逆に曖昧で怖いかも。
その感覚は正しい!「専ら担当」は数値基準がないからこそ、実際の勤務実績で「主に治療に携わっている」と客観的に示せるかがカギなんだ。施設基準は「人員・機器・実績」の3つが揃って初めて算定できる ―― 自分の施設の体制を一度確認してみよう。
14. 2026年6月改定のポイント
2026年診療報酬改定に向けて
2026年6月の診療報酬改定では、以下の分野での見直しが予想されています:
- 粒子線治療の保険適用拡大
- AI支援治療計画に対する評価
- アダプティブ放射線治療の評価新設
- 地域医療連携体制の評価強化
※本記事は改定情報が公開され次第、随時更新予定です。
改定のたびに新しい技術が評価されるようになるから、最新の動向をキャッチアップすることが大切だね。
特に今回はAI関連の評価が注目されているよ。
AIが普及すれば、私たちの業務ももっと効率的になって、点数もしっかりつくようになるんですね!楽しみです!
15. 実務で役立つ算定チェックリスト
日々の業務で確認すべきポイントをまとめました。
照射前チェック
- ✅ 治療計画書は作成・承認されているか
- ✅ 施設基準を満たしているか(特に定位照射)
- ✅ 必要な加算の算定要件を満たしているか
照射時チェック
- ✅ IGRTを実施した場合、記録を残しているか
- ✅ 呼吸同期を使用した場合、記録を残しているか
- ✅ 照射門数は正確に記録されているか
月次チェック
- ✅ 医師・診療放射線技師(など各報酬上の専任者)の勤務実績
- ✅ QA記録の整備状況
- ✅ 算定漏れがないか
まとめ:診療報酬は「治療を支える基盤」
FOCUS POINT
診療報酬の知識は、単なる「お金の話」ではありません。
「この治療を患者さんに届けられるか」を左右する、医療の根幹を支える知識です。
技術料・管理料・加算の3本柱を理解し、施設基準と算定要件を把握することで、あなたはチーム医療の頼れる存在になれます。
ゆんさん、診療報酬って最初は難しそうって思ってたけど…
構造がわかると、自分の仕事がどう評価されているかが見えてきますね。もっと勉強します!
その意気だね!診療報酬を理解している技師は、医師や医事課からも頼りにされるし、何より自信を持って患者さんの前に立てるようになるんだよ。
知識は一度に定着しなくても、毎日少しずつ「今日のこの治療はどう算定されるんだろう?」って意識するだけで全然違うからね。
6月の改定情報が出たら、また新しい情報を整理して一緒に勉強しよう!
参考文献・関連リンク
[ 1 ] 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html
※本記事の点数は2024年度診療報酬点数表に基づいています。2026年6月改定後は内容が変更される可能性があります。最新情報は厚生労働省の告示をご確認ください。














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