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RADIOLOGIC TECHNOLOGIST EXAM PRESS

主任者法令ドリル

― 第1種放射線取扱主任者 試験対策 一問入魂 ―
令和8年(2026年)6月21日 第①回 / RI法の対象範囲 所要 約3分 放射線技師ラボ
法令ドリル ─ 第①回

なぜ150kVのX線装置は、
RI法の対象外なのか。

第①回のテーマは「RI規制法の対象範囲」。法令で最初につまずく “1MeVの壁” を、条文の定義から一気に攻略する。
法令ドリルに挑むLINA
本連載のナビゲーター/放射線技師1年目・LINA。読者代表として1問に挑戦。先輩のYUNが条文の一次ソースで「ひっかけ」を解説します。

第1種放射線取扱主任者試験で、多くの受験者が法令の入口で立ち止まる論点があります。それが「どの装置がRI規制法の対象になるのか」です。診療現場で毎日使うX線装置と、放射線治療に使うリニアック。同じ「放射線を出す装置」なのに、法律上の扱いはまったく違います。

この回では、たった1問をじっくり解きます。「1MeV」という1つの数字さえ腹落ちすれば、関連する出題の多くが芋づる式に解けるようになる──そんな急所の論点です。まずは下の問題に、自分の知識だけで挑戦してみてください。

使い方:選択肢をタップすると、その場で正誤判定が出ます。答えを選んでから、下の徹底解説を読み進めてください。

本日の一問

RI規制法の対象範囲

RI規制法(放射性同位元素等の規制に関する法律)の規制対象として、正しいものはどれか。

ANSWER
C
正解は C。1MeV以上のエネルギーを出すリニアックが、RI規制法(放射線発生装置)の対象です。

なぜCが正解なのか ─ 「放射線の定義」から

RI規制法でいう「放射線」は、法律本体ではなく政令(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の定義に関する政令/政令第325号 第4条)で定義されています。そこには、α線・β線・γ線・中性子線などと並んで、「1メガ電子ボルト(1MeV)以上のエネルギーを有する電子線及びエックス線」が挙げられています。

つまり電子線・X線については、エネルギーが1MeV以上かどうかが、RI規制法の世界に入るか入らないかを分ける境界線になります。放射線治療に使う直線加速装置(リニアック)は、6MV・10MVといった高エネルギーのX線・電子線を発生させるため、ここに該当します。

RI規制法・1MeVの壁
電子線・X線 1MeV → RI法の対象
1MeV未満(診療用X線など) → 対象外(医療法・電離則で管理)

なぜA・B・Dは誤りなのか

3つの誤答は、いずれも「1MeVの壁」を別の角度から外しています。1枚ずつ確認しましょう。

A 診療用150kVのX線装置 ─ エネルギーが足りない 0.15 MeV

管電圧150kVのX線管が出すX線は最大でも0.15MeV(150keV)程度で、1MeVに遠く届きません。診療用X線装置・CT・血管造影は、RI規制法ではなく医療法・電離則で管理。「病院で一番よく見る装置なのに対象外」というギャップが出題者の狙い目です。

B 0.5MeVの電子線 ─ これも1MeV未満 0.5 MeV

「MeV」という単位を見ると反射的に対象だと思いがちですが、0.5MeVは1MeV未満。単位に惑わされず、必ず数値そのものを1MeVと比べます。「単位を合わせて油断させる」典型的なひっかけです。

D “除外される側” の装置を説明している 除外条件

「表面から10cm離れた位置の最大線量当量率が、原子力規制委員会の定める値以下」の装置は、施行令第2条で放射線発生装置から”除かれる”と明記されています。Dは「対象になる装置」ではなく「対象から外れる装置」の説明なので、正しいものを選ぶ問題では誤りです。具体的な数値は施行令本体ではなく規制委員会の告示で定められ、条文には書かれていない点も押さえておきましょう。

⚠ 受験生が陥る罠

この問題の選択肢は、すべて「数字・条件」で受験者を揺さぶる設計です。150kV・0.5MeV、そして「除外される側」の装置──どれも一見もっともらしいですが、判断軸は「電子線・X線が1MeV以上か」ただ一点。本番では数値に必ず指を置き、1MeVと照合する習慣をつけましょう。

YUN
YUN ─ 先輩・第1種主任者

「150kV」「0.5MeV」みたいに、あえて1MeV未満の数字を混ぜてくるのが定番だ。エネルギーの境目は1MeV、と体に染み込ませよう。

LINA
LINA ─ 読者代表・技師1年目

病院でいつも使うX線装置が “対象外” なの、意外でした…!「MeVって書いてあったら対象」じゃないんですね。1MeVと比べるクセつけます。

ひと目でわかる ─ RI法の対象 / 対象外

装置・線源エネルギー等RI法の対象
直線加速装置(リニアック)1MeV以上のX線・電子線◯ 対象
サイクロトロン・シンクロトロン放射線発生装置◯ 対象
下限数量を超える密封・非密封RI政令の下限数量超◯ 対象
診療用X線装置(150kVなど)1MeV未満× 対象外
診断用CT1MeV未満× 対象外
📌 この1問で押さえる急所

RI規制法の対象は ①1MeV以上の電子線・X線②下限数量を超えるRI③放射線発生装置の3本立て。電子線・X線は「1MeVが境界」──ここさえ腹落ちすれば、診療用X線装置が対象外な理由も一直線でわかります。

解説委員のコラム ─ 出題者の視点

法令の対象範囲は、出題者にとって「ひっかけを仕込みやすい一等地」です。なぜなら、受験者の多くが普段触れている診療用X線装置を「当然RI法の対象だろう」と思い込んでいるから。その思い込みを1MeVという数値ひとつで裏切るのがこの論点の妙味です。逆に言えば、ここを理解しておけば「装置名」ではなく「エネルギーと種別」で冷静に判断でき、得点が安定します。

RI規制法/核原料物質、核燃料物質及び原子炉の定義に関する政令(政令第325号)第4条(放射線の定義・1MeV以上)、RI規制法施行令第2条(放射線発生装置の種類=サイクロトロン・シンクロトロン・直線加速装置等/表面から10cmの最大線量当量率が規制委員会の定める値以下のものを除く)
切り取り保存 ─ 暗記カード
  • 電子線・X線は 1MeV以上 でRI法の対象(境界の数字を暗記)
  • 診療用X線装置・CT(1MeV未満)は 対象外(医療法・電離則で管理)
  • RI法の対象は ①1MeV以上の電子線・X線 ②下限数量超のRI ③放射線発生装置
  • 選択肢の 数値・単位に指を置いて 1MeVと照合するクセをつける
NEXT ─ 第②回 予告
「放射線発生装置」に該当するのはどれ?
サイクロトロン・シンクロトロン・リニアック…そしてCTは? 定義の列挙をスッキリ整理します。
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参考文献・典拠

[ 1 ] 放射性同位元素等の規制に関する法律(昭和32年法律第167号)・同施行令・同施行規則(e-Gov法令検索)

[ 2 ] 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の定義に関する政令(政令第325号)第4条(放射線の定義)

[ 3 ] 原子力規制委員会 放射線規制部門「放射性同位元素等規制法の手続」

ABOUT ME
ゆん
技師歴15年。副業歴5年。投資歴5年。 資格、転職・副業などのキャリア情報と、患者さん向け情報を発信しています。