👈 一般の方は前編(患者さん向けガイド)をご覧ください
この記事の対象者
- 診療放射線技師・臨床検査技師・看護師
- 医学生・看護学生・技師学生
- 超音波検査に携わる医療従事者
- 技術的な詳細を知りたい方
Contents
超音波の物理学的原理
超音波の定義と周波数
超音波とは、人間の可聴域(20Hz〜20kHz)を超える高周波数の音波を指します。
【図1】音の周波数範囲の比較図
📊 周波数とは?
周波数(Hz/ヘルツ)は、1秒間に振動する回数を表します。
- 低周波:音が低く、遠くまで届く
- 高周波:音が高く、近距離で明瞭
🏥 医療での使い分け
低周波(1-6MHz):深部まで届くが解像度は中程度
→ 腹部、膀胱、骨盤の観察に使用
高周波(8-20MHz):深部まで届かないが解像度が高い
→ 血管、甲状腺、乳腺の観察に使用
20Hz-20kHz
20kHz以上
1-6MHz
8-20MHz
医療用超音波の周波数範囲:
- 1MHz〜20MHz
- 一般的には2MHz〜15MHz
周波数と用途:
| 周波数 | 用途 | 観察深度 | 解像度 |
|---|---|---|---|
| 2〜5MHz | 腹部、心臓 | 15〜20cm | 低〜中 |
| 5〜10MHz | 表在、血管 | 5〜10cm | 中〜高 |
| 10〜15MHz | 甲状腺、乳腺 | 3〜5cm | 高 |
| 15〜20MHz | 皮膚科 | 1〜3cm | 非常に高 |
パルスエコー法の原理
超音波診断装置はパルスエコー法を用いて画像化を行います。
【図2】パルスエコー法の仕組み図
📝 パルスエコー法の4ステップ
💡 パルスエコー法のポイント
- リアルタイム性:超音波の往復は一瞬なので、動きもリアルタイムで観察できる
- 深さの測定:反射波が戻るまでの時間から組織の深さが分かる
- 組織の性質:反射波の強さから組織の硬さや性質が分かる
- 安全性:放射線を使わず、音波のみで画像化するため安全
🎯 なぜ「パルス」エコー?
超音波をパルス(短い波)として間欠的に送ることで、
① 発射と受信を切り替えられる
② 深さごとの反射を区別できる
③ 正確な画像が得られる
連続的に送ると、どの深さからの反射か分からなくなってしまいます。
基本原理:
- 送信:プローブから超音波パルスを発射
- 反射:組織境界面で反射
- 受信:反射波(エコー)をプローブが受信
- 画像化:反射波の強さと時間から距離を計算
距離の計算式:
距離 = (音速 × 時間) ÷ 2
- 音速:生体内で約1,540m/s
- ÷2:往復距離のため
例: 反射波が10μs後に戻ってきた場合 距離 = (1,540m/s × 0.00001s) ÷ 2 = 0.0077m = 7.7mm
音響インピーダンスと反射
組織間の反射の強さは、音響インピーダンス(Z)の差によって決まります。
音響インピーダンス:
Z = ρ × c
- ρ:密度(kg/m³)
- c:音速(m/s)
主な組織の音響インピーダンス:
| 組織 | 音響インピーダンス (×10⁶ kg/m²s) |
|---|---|
| 空気 | 0.0004 |
| 脂肪 | 1.38 |
| 水/血液 | 1.48 |
| 軟部組織 | 1.50〜1.70 |
| 骨 | 7.80 |
反射係数の計算:
R = [(Z₂ - Z₁) / (Z₂ + Z₁)]²
例:軟部組織と骨の境界
- Z₁ = 1.6 (軟部組織)
- Z₂ = 7.8 (骨)
- R = [(7.8 – 1.6) / (7.8 + 1.6)]² ≒ 0.43
→ 約43%が反射される(大部分が反射するため、骨の奥は見えない)
減衰
超音波は体内を進む際に減衰します。
減衰の要因:
- 吸収:音波エネルギーが熱に変換される
- 散乱:小さな構造物による不規則な反射
- 拡散:ビームが広がる
減衰係数:
α ≒ 0.5〜1.0 dB/cm/MHz
例:5MHzで10cm進んだ場合 減衰 = 5MHz × 10cm × 1.0dB/cm/MHz = 50dB
減衰による影響:
- 深部ほど画像が暗くなる
- TGC(Time Gain Compensation)で補正
- 高周波ほど減衰が大きい
プローブの種類と特性
プローブの分類

【図3】プローブの種類と特徴の比較表
| プローブの種類 | 周波数 | 形状の特徴 | 主な用途 | 観察深度 | 解像度 |
|---|---|---|---|---|---|
| コンベックス型 | 3~6MHz | 緩やかな曲面 | 腹部、膀胱、骨盤 | 深い(15~20cm) | 中程度 |
| リニア型 | 8~14MHz | 平面・直線状 | 血管、甲状腺、乳腺、表在 | 浅い(5~8cm) | 高い |
| セクタ型 | 3~5MHz | 扇形に広がる | 心臓専用 | 深い(15~20cm) | 中程度 |
最も一般的なプローブ
体表近くの臓器に最適
心エコーに特化した設計
📖 周波数と画像の関係
高周波(高MHz)
✓ 解像度が高い
✗ 深部まで届かない
体表近くの詳細な観察に適している
低周波(低MHz)
✓ 深部まで届く
✗ 解像度が低い
体の深い部分の観察に適している
🎯 プローブ選択のポイント
- 深い部位を観察したい → コンベックス型(低周波)
- 細かい構造を見たい → リニア型(高周波)
- 心臓を観察したい → セクタ型(専用設計)
現場では検査部位に応じて最適なプローブを選択することが重要です。 周波数が高いほど画像は鮮明になりますが、深くまで届きません。 このトレードオフを理解して使い分けます。
1. コンベックス型(Convex)
構造:
- 圧電素子が湾曲面に配列
- 接触面が小さく、視野が広い
仕様:
- 周波数:2〜6MHz
- 視野角:60〜90度
- 観察深度:15〜25cm
用途:
- 腹部(肝、胆、膵、脾、腎)
- 骨盤(子宮、卵巣、前立腺、膀胱)
- 産科(胎児観察)
特徴:
- 接触面が小さい → 肋間走査に有利
- 扇状の視野 → 広範囲を観察可能
- 低周波 → 深部まで届く
2. リニア型(Linear)
構造:
- 圧電素子が直線状に配列
- 接触面が広い
仕様:
- 周波数:7〜15MHz
- 視野:長方形(3〜5cm幅)
- 観察深度:3〜8cm
用途:
- 血管(頸動脈、下肢)
- 甲状腺
- 乳腺
- 表在リンパ節
- 整形外科(関節、筋肉)
特徴:
- 高周波 → 高解像度
- 平面接触 → 表在部に最適
- 長方形視野 → 血管の長軸観察に有利
3. セクタ型(Sector)
構造:
- 小さな接触面から扇状に広がる
- 機械式またはフェーズドアレイ
仕様:
- 周波数:2〜5MHz
- 視野角:70〜90度
- 観察深度:15〜25cm
用途:
- 心臓専用
特徴:
- 接触面が非常に小さい → 肋間から挿入可能
- 扇状視野 → 心臓全体を観察
- リアルタイム性 → 心臓の動きを追従
4. コンベックス型 vs リニア型 の使い分け
| 項目 | コンベックス | リニア |
|---|---|---|
| 接触面 | 小(湾曲) | 大(平面) |
| 視野 | 扇状・広い | 長方形・狭い |
| 周波数 | 低(2〜6MHz) | 高(7〜15MHz) |
| 深度 | 深い(15〜25cm) | 浅い(3〜8cm) |
| 解像度 | 低〜中 | 高 |
| 用途 | 腹部・骨盤 | 血管・甲状腺 |
画像化の原理とモード
Bモード(Brightness mode)
最も一般的な表示モード。組織の断面を輝度(明るさ)で表示します。
輝度の意味:
- 高輝度(白):強い反射 → 骨、結石、石灰化
- 中輝度(灰色):中程度の反射 → 肝実質、腎実質
- 低輝度(黒):弱い反射 → 液体、嚢胞、血管内腔
用語:
- 高エコー(hyperechoic):周囲より明るい
- 等エコー(isoechoic):周囲と同程度
- 低エコー(hypoechoic):周囲より暗い
- 無エコー(anechoic):真っ黒(液体)
Mモード(Motion mode)
時間軸を加えた表示モード。動く構造物の動きを記録します。
用途:
- 心臓の壁運動
- 弁の動き
- 胎児の心拍確認
表示:
- 横軸:時間
- 縦軸:深さ
- 輝度:反射強度
カラードプラモード
血流を色で表示するモード。
【図4】カラードプラ法の血流表示説明図
(近づく血流)
(離れる血流)
血流の速度による色の濃さ
赤:プローブに向かう血流 | 青:プローブから離れる血流
🔬 ドプラ効果の原理
ドプラ効果とは
ドプラ効果: 音源と観測者が相対的に移動すると、音の周波数が変化する現象
医療応用: 血球が移動することで反射超音波の周波数が変化し、その変化量から血流速度と方向を検出
🏥 臨床応用分野
❤️ 心臓弁膜症の評価
- 僧帽弁閉鎖不全症(逆流)
- 大動脈弁狭窄症(乱流)
- 逆流の程度評価
- 血流速度の測定
🩺 血管狭窄の評価
- 頸動脈狭窄
- 腎動脈狭窄
- 下肢動脈閉塞
- 狭窄率の推定
🔬 腫瘍の血流評価
- 腫瘍内の血管分布
- 血流の豊富さ
- 悪性度の推定
- 良悪性鑑別
🤰 産科領域
- 胎児の臍帯血流
- 胎盤の血流
- 胎児の心拍動
- 胎児健康状態評価
📊 他のドプラ法との比較
| 種類 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| カラードプラ | 血流を色で表示 | 全体的な血流分布の把握 |
| パワードプラ | 血流量を色の明るさで表示 | 微小血流の検出 |
| パルスドプラ | 特定点の血流速度を波形表示 | 定量的な血流評価 |
| 連続波ドプラ | 高速血流の測定 | 弁膜症の重症度評価 |
✅ 利点と限界
✓ 利点
- リアルタイムで血流を可視化
- 非侵襲的
- 繰り返し検査可能
- 広範囲の血流分布を一度に把握
⚠️ 限界
- 角度依存性あり(血流とプローブの角度が重要)
- 浅い血流のみ検出可能
- モーションアーチファクトの影響を受けやすい
ドプラ効果の原理:
運動する物体(血球)からの反射波は周波数が変化します。
ドプラ偏移周波数:
Δf = (2 × f₀ × v × cosθ) / c
- f₀:送信周波数
- v:血流速度
- θ:ドプラ角度(超音波ビームと血流の角度)
- c:音速(1,540m/s)
色の意味:
- 赤色:プローブに近づく血流
- 青色:プローブから遠ざかる血流
- 明るい色:速い血流
- 暗い色:遅い血流
- モザイクパターン:乱流
用途:
- 心臓弁膜症の逆流評価
- 血管狭窄の検出
- 腫瘍の血流評価
- 胎児の血流評価
パワードプラモード
血流の有無と強度を色の輝度で表示します。
カラードプラとの違い:
| 項目 | カラードプラ | パワードプラ |
|---|---|---|
| 表示 | 速度と方向 | 強度のみ |
| 角度依存性 | あり | なし |
| 感度 | 中 | 高 |
| 用途 | 血流速度測定 | 微小血流検出 |
用途:
- 腫瘍の血流豊富度評価
- 腎血流の評価
- 虚血の検出
各部位の走査法
腹部超音波検査
準備:
- 6時間以上の絶食
- 仰臥位
走査法:
- 肝臓
- 右肋間走査(RIC):肋間から観察
- 右肋弓下走査(RCS):肋骨の下から観察
- 観察項目:大きさ、形態、エコーレベル、腫瘤性病変
- 胆のう
- 右肋弓下走査
- 左側臥位で観察しやすくなる
- 観察項目:壁の厚さ、結石の有無、腫瘤
- 膵臓
- ランドマーク:脾静脈(膵体部・膵尾部の背側を走行)
- 上腸間膜動脈(SMA):膵頭部と膵体部の境界
- 飲水法:胃に水を飲んでもらい、acoustic windowとして利用
- 腎臓
- 背側からの走査(体軸に平行)
- 長軸像と短軸像を観察
- 観察項目:大きさ、皮髄境界、腎洞エコー、水腎症
- 脾臓
- 左肋間走査
- 頭尾長を測定(12cm以上で脾腫)
ポイント:
- 呼吸による臓器の動きを利用
- 深呼吸で横隔膜が下がり、肝臓・脾臓が観察しやすくなる
- 膵臓は消化管ガスで見えにくいことが多い
心臓超音波検査
準備:
- 食事制限なし
- 左側臥位(左を下に)
基本4断面:
- 傍胸骨左縁長軸像(PLAX)
- 左室、左房、大動脈、僧帽弁を観察
- 測定:左室拡張末期径(LVDd)、左室収縮末期径(LVDs)
- 傍胸骨左縁短軸像(PSAX)
- 左室を輪切りで観察
- 弁レベル、乳頭筋レベル、心尖部レベル
- 心尖部四腔像(A4C)
- 左室、右室、左房、右房を同時に観察
- 測定:左房径、右房径、心室中隔の動き
- 心窩部アプローチ
- 下大静脈(IVC)、肝静脈を観察
- IVC径で右心系の圧を評価
測定項目:
- 左室駆出率(EF):正常50%以上
- E/A比:拡張能の評価
- 弁逆流の有無と程度
頸動脈超音波検査
準備:
- 食事制限なし
- 仰臥位、頸部を反対側に向ける
走査法:
- 長軸像
- 総頸動脈(CCA)の遠位壁でIMT測定
- IMT(Intima-Media Thickness):内膜中膜複合体厚
- 正常:1.0mm以下、肥厚:1.1mm以上
- 短軸像
- プラークの性状評価
- 血管の拡張度
観察ポイント:
- プラークの有無、大きさ、形状
- 血流速度(PSV:収縮期最大血流速度)
- 狭窄率の評価
乳腺超音波検査
準備:
- 食事制限なし
- 仰臥位
走査法:
- 放射状走査
- 乳頭を中心に放射状に走査
- 乳管の走行に沿う
- 同心円状走査
- 乳頭を中心に円を描くように走査
- 見落とし防止
観察ポイント:
- 腫瘤の有無、形状、境界、内部エコー
- 後方エコーの変化
- 微細石灰化の有無
良性 vs 悪性の鑑別:
| 所見 | 良性 | 悪性 |
|---|---|---|
| 形状 | 楕円形 | 不整形 |
| 境界 | 明瞭 | 不明瞭 |
| 内部エコー | 均一 | 不均一 |
| 後方エコー | 増強 | 減弱 |
| 縦横比 | < 1 | > 1 |
アーチファクトと対策
1. 多重反射(Reverberation)
原因: プローブと強い反射体の間で超音波が何度も往復する。
特徴:
- 等間隔の線状エコー
- コメットサイン(彗星の尾状)
対策:
- プローブの位置を変える
- ゲインを下げる
2. 音響陰影(Acoustic Shadow)
原因: 超音波を強く反射または吸収する構造物(骨、結石、石灰化)の後方が黒く抜ける。
特徴:
- 構造物の後方が無エコー
活用:
- 胆石、腎結石の診断に利用
3. 後方エコー増強(Posterior Enhancement)
原因: 液体(嚢胞、血管)を通過した超音波が減衰せずに深部に届く。
特徴:
- 液体病変の後方が明るく見える
活用:
- 嚢胞性病変の診断に利用
4. サイドローブアーチファクト
原因: メインビーム以外の副ローブによる偽像。
特徴:
- 液体内に点状エコーが出現
対策:
- プローブの角度を変える
- 低ゲインで観察
5. ミラーイメージ
原因: 横隔膜などの強い反射面で超音波が反射し、実際には存在しない臓器が鏡像として描出される。
特徴:
- 横隔膜の上に肝臓が見える
対策:
- 走査方向を変える
最新技術
1. 3D/4D超音波
3D超音波:
- 立体的な画像構築
- 容積測定が正確
4D超音波:
- 3D + 時間軸 = リアルタイム立体像
- 胎児の動きを観察
用途:
- 産科:胎児の顔、奇形のスクリーニング
- 腫瘍:形状の立体的評価
- 血管:動脈瘤の容積測定
2. エラストグラフィ(Elastography)
原理: 組織の硬さを測定し、色で表示。
種類:
- ストレインエラストグラフィ
- プローブで圧迫して硬さを評価
- 定性的評価
- シェアウェーブエラストグラフィ
- 超音波パルスで組織にせん断波を発生させる
- 定量的評価(kPa単位)
用途:
- 肝線維化の評価(肝硬度測定)
- 乳腺腫瘤の良悪性鑑別
- 甲状腺結節の評価
肝硬度の基準:
- 正常:< 7 kPa
- 軽度線維化:7〜10 kPa
- 肝硬変:> 14 kPa
3. 造影超音波検査
造影剤:
- ソナゾイド(微小気泡製剤)
- 血管内に投与
原理:
- 微小気泡が超音波を強く反射
- 血流の造影効果を得る
相:
- 血管相:0〜40秒
- 実質相:40秒〜数分
- クッパー相(肝臓特異):10分〜
用途:
- 肝腫瘍の鑑別(肝細胞癌、血管腫、転移性肝癌)
- 血流評価
- 腎腫瘍の鑑別
4. フュージョンイメージング
原理: 超音波画像とCT/MRI画像をリアルタイムで重ね合わせ。
用途:
- ラジオ波焼灼術(RFA)のガイド
- 生検のガイド
- 見えにくい病変の位置同定
【フローチャート】超音波検査の全体の流れ
【図8】検査フローチャート
【図5】検査の流れフローチャート
他の検査→通常は準備不要
② ゼリーを塗る
③ プローブで観察
④ 必要に応じて呼吸調整 15~30分
(当日または後日)
⏱️ 所要時間の目安
📋 【STEP 1】検査前(1~7日前)
1-1. 外来受診
- 医師の診察を受ける
- 症状や既往歴を伝える
- 医師が超音波検査の必要性を判断
- 検査オーダーが出される
1-2. 検査予約
- 受付または検査部門で予約
- 当日検査可能な場合もあり
- 予約票または案内を受け取る
- 注意事項の説明を受ける
1-3. 検査前準備
腹部超音波検査
- ✓ 前日夜10時以降は絶食
- ✓ 当日朝食は抜く
- ✓ 水は少量なら可
- ✓ 薬は通常通り服用
心エコー
- 準備不要
- 上半身が出しやすい服装
頸動脈エコー
- 準備不要
- 絶食不要
乳腺エコー
- 準備不要
- 上半身が出しやすい服装
🏥 【STEP 2】検査当日
2-1. 受付(予約時間の10~15分前)
- 診察券・保険証を提出
- 検査予約票を提示
- 受付票を受け取る
- 待合室へ移動
2-4. 検査実施(15~30分)
検査の流れ:
-
体位を整える
ベッドに仰向けに横になる
心エコーは左側臥位
リラックスして力を抜く -
ゼリーを塗布
検査部位にゼリーを塗る
超音波の伝達を良くするため
冷たく感じることがある -
プローブで観察
プローブを体表に当てる
軽く圧迫することがある
痛みはほとんどない -
呼吸調整
「息を吸って」
「止めてください」
「楽にしてください」
技師の指示に従う
💡 検査中のポイント
- リラックスする(緊張すると観察しにくい)
- 呼吸の指示に従う
- 痛みや気分不良があれば伝える
- 不明点は遠慮なく質問
📝 【STEP 3】検査後
3-1. 画像読影
- 撮影した画像を放射線診断専門医が読影
- 異常所見の有無を確認
- 詳細な診断レポートを作成
- 担当医に報告
読影にかかる時間
- 緊急性が高い場合: 当日中
- 通常の場合: 数日~1週間程度
3-2. 結果説明
- 担当医から結果の説明
- 異常所見があれば追加検査の提案
- 治療方針の決定
- 次回予約(必要な場合)
結果説明のタイミング
- 当日: 緊急性が高い場合、または即日読影体制がある場合
- 後日: 通常は1週間~2週間後の外来で説明
✅ 検査をスムーズに受けるために
- ✓ 予約時間の10~15分前に到着
- ✓ 保険証・診察券を忘れずに
- ✓ 腹部検査は絶食を守る
- ✓ 脱ぎ着しやすい服装で
- ✓ 貴重品は最小限に
- ✓ 不明点は遠慮なく質問
💬 技師からのメッセージ
私たち技師は、患者さんが少しでもリラックスして検査を受けられるよう心がけています。 「冷たくないですか?」「痛くないですか?」と声をかけながら進めていますので、安心してくださいね。
参考文献(医療従事者向け)
教科書・専門書
- 「超音波検査士認定試験対策:基礎編【五訂版】」 日本超音波検査学会編 ベクトル・コア
- 超音波検査士認定試験の公式テキスト
- 基礎から臨床まで網羅的に解説
- 各領域別の詳細な走査法
認定試験対策
学術雑誌
- 「Japanese journal of medical ultrasonics」 日本超音波医学会 月刊
- 最新の研究論文
- 症例報告
- 技術解説
- 「Journal of Medical Ultrasonics」 日本超音波医学会 英文誌
- 国際的な研究論文
- 最新技術の紹介
オンラインリソース
- 日本超音波医学会https://www.jsum.or.jp/
- 診断基準、ガイドライン
- 学術集会情報
- e-learning
- 日本超音波検査学会https://www.jss.org/
- 認定試験情報
- 標準的記録法
- 技術講習会
- 日本心エコー図学会https://www.jse.gr.jp/
- 心エコーガイドライン
- 認定試験情報
- 症例データベース
参考動画・講習会
- 全衛連研修会 YouTube
- 走査法の解説動画
- 症例検討
- 日本超音波医学会 超音波セミナー
- 年2回開催(春・秋)
- ハンズオンセミナー
- 症例検討会
まとめ
超音波検査は、安全性が高く、リアルタイムで臓器の動きを観察できる優れた画像診断法です。
技師として重要なポイント:
- 物理学の理解
- 周波数、減衰、音響インピーダンス
- プローブの特性を理解して使い分け
- 解剖学の知識
- 正常解剖を熟知
- ランドマークを利用した走査
- 病態の理解
- 正常と異常の鑑別
- 典型的所見のパターン認識
- 技術の向上
- 走査法の練習
- アーチファクトの理解と対策
- 新技術の習得
- コミュニケーション
- 患者さんへの説明
- 医師への報告
- チーム医療の一員として
👈 一般の方は前編(患者さん向けガイド)をご覧ください
監修:放射線技師歴10年以上の現役技師 最終更新日:2025年11月
