【主任者ドリルNo.17】特定RI防護の境界線D値とは

特定RI防護の境界線D値とは

第1種放射線取扱主任者試験を受験される皆さん、こんにちは!今日は、令和元年9月1日施行でRI規制法の目的に追加された「特定放射性同位元素の防護(security)」について深く掘り下げていきます。この概念は、施設の安全管理(safety)とは異なる、盗取やテロ対策を目的とした重要な枠組みです。
特に、施設に求められる防護措置がどの「区分」に該当するのかは、扱う特定RIの放射能と、IAEAが定める「D値」が鍵となります。D値は、重篤な確定的影響を生じうる危険量を指すもので、この基準を正しく理解することが、防護規程の適切な運用につながります。
本日の一問
放射性同位元素等の規制に関する法律において、「特定放射性同位元素の防護」の対象となる特定放射性同位元素の定義と、その防護措置に関する区分に関する記述として、最も適切なものはどれか。
D値とA/D比が防護区分の鍵
特定放射性同位元素とは、指定された24核種のうち、放射能がそのD値(危険量)以上のものであり、防護の対象となります。D値は、事故や悪用で人体に重篤な確定的影響を起こしうる放射能量の目安です。
防護措置に関する区分は、放射能とD値の比(A/D比)によって定められます。A/D比が1以上10未満の場合を区分3、10以上1000未満の場合を区分2、1000以上の場合を区分1とし、それぞれに応じた厳重な措置が求められます。
なぜ他の選択肢は誤りなのか
他の選択肢はどこが違うのでしょうか?
特定放射性同位元素は密封・非密封を問わず、D値以上が対象です。また、IAEAカテゴリ4は特定RIの防護対象外となります。A/D比が100未満の場合を区分3とするのは誤りです。
特定放射性同位元素の防護は、D値という危険量を基準とするもので、下限数量の倍率で決まるものではありません。また、核種によらず一律に区分1として扱われるというのも誤りです。
特定放射性同位元素の防護の対象は放射性同位元素であり、放射線発生装置は含まれません。放射化物も防護措置の対象外とされています。
受験者は「放射線発生装置」も特定RIの防護対象と勘違いしやすいですが、防護の対象は「放射性同位元素」です。またD値やA/D比の数値境界を取り違えないように注意が必要です。

今回のテーマは比較的新しい法改正によるもので、テロ対策の観点から非常に重要視されています。特にD値やA/D比の数値は試験で問われやすいポイントなので、しっかりと頭に入れておきましょう。

D値やA/D比の具体的な数値と区分は覚えにくいですね。ガンマナイフのような高線量率のRIは区分1になる可能性があるという話は、実務のイメージが湧きやすいです!
ひと目でわかる ─ 特定放射性同位元素の防護措置に関する区分
| 項目 | 基準 | 判定/区分 |
|---|---|---|
| 特定放射性同位元素 | 指定24核種の放射能がそのD値以上 | ◯ 対象 |
| 防護の区分1 | 放射能とD値の比(A/D比)が1000以上 | ◯ 対象 |
| 防護の区分2 | 放射能とD値の比(A/D比)が10以上1000未満 | ◯ 対象 |
| 防護の区分3 | 放射能とD値の比(A/D比)が1以上10未満 | ◯ 対象 |
特定放射性同位元素の防護は、放射能とD値の比(A/D比)によって区分1から3に分けられ、それぞれ防護措置の厳重さが異なります。放射線発生装置や放射化物は防護の対象外です。
このD値の概念は、単なる法令知識としてだけでなく、実務において施設がどのような防護措置を講じるべきか、リスクをどう評価するかの根幹をなします。特定RIの取り扱い施設では、D値に基づき防護規程を策定し、盗取や悪用から放射性同位元素を守るための体制を維持する責任があります。
- 特定放射性同位元素とは、指定された24核種のうち、放射能がそのD値(危険量)以上のものである。
- D値とは、人体に重篤な確定的影響を起こしうる放射能量の目安である。
- 防護の区分は、放射能とD値の比(A/D比)により1〜3が定められ、A/D比が大きいほど厳重な防護措置が求められる。
- 放射線発生装置や放射化物は、特定RI防護の対象ではない。
参考文献・典拠
[1] 放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則 第24条の2の2
[2] 特定放射性同位元素の数量を定める告示(平成30年11月26日 原子力規制委員会告示第10号)















.jpg)