放射線障害予防規程の書き方・改訂のポイント|責任者と手順をどう書くか

予防規程は「写して出す」書類ではない
放射線障害予防規程は、施設の日常の放射線管理を定める内規です。原子力規制委員会に届け出て、そのとおりに運用する。そして立入検査は、この規程の遵守状況を最重点で見ます。
つまり予防規程は「提出したら終わる書類」ではありません。自分が書いた基準で、後日自分が採点される——そう考えると、書き方の勘所が見えてきます。この記事では、原子力規制委員会のガイド原典に沿って、実際に自施設の規程を開いて直すところまで進みます。
まず自施設の規程を開く — 5分でできる現状診断

読み進める前に、自施設の予防規程の現物を用意してください。紙のファイルでも、共有サーバのWordでも構いません。手元にあるだけで、この先の話が「他人ごと」ではなくなります。

ゆんさん、予防規程って分厚いファイルですよね…。前任者から引き継いだんですけど、正直どこから手をつければいいのか。

最初から通読しなくていいよ。まず目次だけ開いて、3か所を確認しよう。それだけで「うちの規程が今どういう状態か」が分かる。古いまま放置されている規程は、だいたい同じところでつまずいてるんだ。
下のチェックリストは、タップすると開閉できます。自施設の規程を見ながら、当てはまるものにチェックを入れてください。3つすべてに入れば、ひとまず現行のガイドに追いついています。
💡 ここだけは押さえる
- 予防規程は事業所等ごとに作成する(ガイド 0-2)。法人単位ではありません。
- ガイドは「本ガイドで示す例示は一例であり、使用者等の実態を踏まえ、適切な事項を明記する必要がある」と明記しています。ひな形の丸写しは、そもそも想定されていません。
チェックが入らなかったときの優先順位
3つとも埋まらなくても慌てる必要はありません。直す順番があります。
- ①が未記載なら最優先。法令改正への未対応そのものなので、改訂して届け出るところまで進める必要があります。
- ②が曖昧なら次点。責任者が書かれていない、あるいは個人名で書かれている場合です。検査で最も指摘されやすく、しかも直すのは比較的簡単です。
- ③は運用の整合の問題。下部規程の名称が古いまま(統合・改称されたのに規程が追随していない)というケースが多く、次回の改訂にまとめて含めれば十分なことがほとんどです。
いずれの場合も、気づいた時点で「いつ・誰が・何を直すか」をメモに残すことをおすすめします。改訂は一度の作業でまとめて届け出るほうが効率的なので、そこまでは記録して寝かせておく形で構いません。
定めるべき18号の全体像と、2022年に増えた1つ
予防規程に定めるべき事項は、放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則 第21条第1項に列挙されています。第1号から第18号まで。まず全体像を押さえましょう。
| 号 | 定めるべき事項 |
|---|---|
| 1号 | 主任者その他の安全管理に従事する者に関する職務及び組織 |
| 2号 | 放射線取扱主任者の代理者に関すること |
| 3号 | 放射線施設の維持及び管理、点検に関すること |
| 4号 | 放射性同位元素または放射線発生装置の使用に関すること |
| 5号 | 受入れ・払出し・保管・運搬・廃棄に関すること |
| 6号 | 測定および測定結果についての措置に関すること ※2022年改正で「測定の信頼性確保」が追加 |
| 7号 | 教育及び訓練に関すること |
| 8号 | 健康診断に関すること |
| 9号 | 放射線障害を受けた者等に対する保健上必要な措置 |
| 10号 | 記帳及び保存に関すること |
| 11号 | 地震・火災その他の災害時の措置 |
| 12号 | 危険時の措置に関すること |
| 13号 | 放射線障害のおそれがある場合等の情報提供 |
| 14号 | 応急の措置に関すること |
| 15号 | 放射線障害の防止に関する業務の改善 |
| 16号 | 放射線管理の状況の報告に関すること |
| 17号 | 廃棄物埋設地に係る事項(該当施設のみ) |
| 18号 | その他放射線障害の防止に関し必要な事項 |
2022年に追加された「測定の信頼性確保」
2022年3月のガイド改正で、6号(測定)に関して「測定の信頼性確保」を定めることが求められるようになりました。規則第20条に関係する部分で、令和5年10月1日施行です。ここが未記載の規程は、それだけで改訂対象になります。
実務で押さえるべきは、測定器の点検・校正を1年ごとに適切に組み合わせて行うという考え方です。「毎年必ず校正に出す」という意味ではありません。組み合わせ方を自施設で決めて、それを予防規程に書きます。
管理区域に一時的に立ち入る者であっても、外部被ばくによる実効線量が100μSvを超えるおそれのある者には測定義務があります。業務従事者だけを見ていると漏れます。なお100μSvを超えるおそれのない一時的立入者について自主的に測定することは実務上広く行われていますが、こちらは法令上の規定はありません。
測定を外部に委託する場合は、その機関がISO/IEC 17025に基づく放射線個人線量測定分野の認定を受けていることを確認し、確認した内容を帳簿に記載します。認定機関はJAB(日本適合性認定協会)のほか、ILACの相互承認協定に署名している認定機関でも構いません。
点検と校正は、どう書き分けるか
「点検」と「校正」は別の行為です。規程に書くときも分けて考えます。点検は測定器が正常に動いているかの確認、校正は指示値が正しいかを基準に照らして合わせる行為です。この2つを1年ごとに適切に組み合わせて実施する計画を立て、その考え方を規程に落とします。
| 区分 | 誰が行うか | 主な内容 |
|---|---|---|
| 日常点検 | 測定者・保守管理担当者 | 外観の確認、自動チェック機能(電池残量・高圧電源・計数・警報)、線源やバックグラウンド測定による指示値の確認 |
| 定期点検 | 製造メーカー等 | 外観および内部開放点検、検出部・計測回路の点検 |
| 校正 | 校正機関・メーカー等 | 基準に照らした指示値の補正。JCSS等の認定を確認する |
第○条(測定器の点検及び校正) 放射線測定器については、放射線管理責任者を責任者として、次により点検及び校正を1年ごとに適切に組み合わせて実施する。
一 日常点検 測定者が使用の都度、外観及び自動チェック機能により確認する。
二 定期点検 年1回、製造業者等による点検を受ける。
三 校正 ○年ごとに、計量法に基づく校正事業者登録制度(JCSS)等の認定を受けた事業者による校正を受ける。
2 前項の実施計画及び結果は記録し、帳簿に保存する。
書き方の核心 — 「責任者」と「手順」をこう書く

ここがこの記事の本題です。ガイドには、すべての号に共通する書き方の作法が0-1から0-7として示されています。条文を写すのではなく、この7つに沿って自施設の言葉に置き換えるのが正解です。
責任者は「役職名」で書く

責任者を書くって、部長の名前を書けばいいんですか?

そこが分かれ道。個人名で書くと、人事異動のたびに規程の改訂が必要になる。ガイドが言っているのは「各業務の担当部署の長等、権限及び責任を付与された者」——つまり役職で書く。「放射線科技師長」のように書けば、人が代わっても規程はそのまま生きるんだ。
第○条(測定の実施) 管理区域における放射線の量の測定は、放射線科技師長を責任者として、毎月1回実施する。測定の結果については、放射線取扱主任者の確認を受けたうえで、記録を作成し保存する。
第○条(測定の実施) 管理区域における放射線の量の測定は、法令の定めるところにより適切に実施する。
— 誰が・いつ・どのように実施するかが読み取れず、ガイド0-1が求める「具体的な管理方法」になっていません。検査で「規程と実態の整合が確認できない」と指摘される典型です。
主任者の職務として何を書くか
1号(職務及び組織)では、主任者を監督と指示が確実に実行できる立場に位置づけたうえで、その職務を規定します。ガイドは職務の例として次を挙げています。
- 教育及び訓練の計画等に対する指導及び指示
- 法第43条の2の規定に基づく立入検査の立ち会い
- 予防規程及び下部規程の作成または改訂等における確認
- 危険時の措置等に関する対策への参画
- 組織の長への意見具申
主任者を複数選任している場合は、各主任者の職務の権限を明確にします。また、主任者が測定や施設維持の責任者を兼務することは望ましくないとされていますが、実態に応じ適切であれば認められます。小規模施設では現実的に兼務になることも多く、その場合は兼務している旨を規程上はっきりさせておくほうが安全です。
代理者(2号)の書き方と、30日の落とし穴
代理者については、選任・解任を指定する責任者とその手順、そして代理者の職務及び権限を規定します。
主任者が職務を行うことができない期間が30日に満たない場合、原子力規制委員会への届出は不要です。ただしガイドは、代理者を選任しておく必要はあると明記しています。「届出が要らない=何もしなくてよい」ではありません。数日の出張や休暇でも、その間に使用や廃棄を行うなら代理者が必要です。
記帳(10号)は「種類・閉鎖時期・保存期間・保存場所」を書く
10号では、まず記帳に関する責任者を規定します。そのうえで、自施設の実態に応じて帳簿の種類・閉鎖時期・保存期間・保存場所を規定します。他法令で作成している帳簿が規則第24条の要件と合致していて、それを同条の帳簿として扱う場合は、その旨も規程に書きます(0-7の考え方と同じです)。
施設の点検(3号)— 頻度に「標準」がある
3号は施設を維持するための点検について定めます。ここには頻度の目安が明記されているのですが、意外と知られていません。
💡 点検頻度は「年2回を標準、少なくとも年1回」
- 放射線施設の室等ごとに施設基準・行為基準へ適合しているかを確認するため、年2回を標準とする。
- 事業所等の実情に応じて合理的な範囲で実施してよいが、少なくとも年1回は行うことを規程に書く。
そのうえで3号では、点検の責任者、点検を行う施設・管理区域、施設・管理区域ごとの点検項目の細目、頻度、そして異常を発見したときに措置を講じる手順を規定します。異常時の手順には、必要に応じて作業計画書の作成や主任者の確認手順も含めます。
見落としやすいのが、放射線業務従事者以外の者が管理区域に入るときの手続です。立ち会いや立入制限の手順を規程に書いておく必要があります。工事業者や見学者が入る施設では、ここが曖昧だと実態と合わなくなります。
受入れ・払出し(5号)— 「許可の範囲内か」を確認する方法を書く
核医学検査で放射性医薬品を受け入れている施設なら、5号は毎日の業務に直結します。ここで規程に書くべきは、受入れ・払出し・保管・運搬・廃棄それぞれの責任者と手続に加えて、次の2つの「確認方法」です。
- 受け入れる(払い出す)放射性同位元素等が、許可または届出の範囲内であることの確認方法
- 保管にあたって、貯蔵能力を超えていないことの確認方法
「範囲内で扱う」と書くだけでは足りず、どうやって確認するのかまで規程に落とします。受入台帳と許可証を突き合わせる、発注時にダブルチェックする——自施設で実際にやっている手順を書けば十分です。逆にいえば、書いたとおりに毎回確認できるかを基準に文言を決めるべき箇所でもあります。
教育訓練(7号)— 「省略の基準」まで書く
教育訓練の時間数は告示で最低時間が定められていますが、これは装置を1台しか使っていない事業者を念頭に置いた最低ラインです。ガイドは、自施設の放射性同位元素の性状・数量や装置の種類、使用の実態に応じて適切な時間数を自分で決めることを求めています。
そのうえで規程に書くのは、責任者と、初回・定期の項目と時間数を決定する手順、管理区域に一時的に立ち入る者への内容と実施方法、そして——
十分な知識・技能を持つ従事者について教育訓練を省略する場合、省略を判断する者と省略の基準を規程に規定しなければなりません。検査での指摘に「省略理由が未記載」が挙がるのは、まさにここが書かれていないためです。他所で受けた研修を自施設の教育訓練として扱う場合も、その手続を規程に書きます。
災害時(11号)— 「いつ点検するか」の基準を決めておく
11号は、地震や火災が起きたときの初動を定めます。ポイントは、危険時の措置(12号)に進むかどうかを判断するために、まず被害状況を確認するという位置づけです。
規定するのは、発見者の対応手順と連絡体制(休日・夜間を含む)、施設・設備の点検と対応の手順、その責任者。そして手順の中に、点検結果を責任者へ連絡すること、点検項目の一覧(3号と同じでも構いません)、そしてどんなときに点検を実施するかの基準を含めます。
第○条(災害時の点検) 次のいずれかに該当する場合は、放射線施設の点検を実施する。
一 所在市町村(特別区を含む。)で震度5弱以上の地震があった場合
二 放射線施設で火災が発生した場合
三 津波または河川氾濫等による床上浸水が発生した場合
「災害が起きたら点検する」とだけ書くと、震度3で駆けつけるべきかを毎回迷うことになります。数値で基準を決めておくと、夜間に電話を受けた当直者でも判断できます。これが「手順を具体的に書く」ということの実例です。
なお12号(危険時の措置)では、応急措置を講じると判断する責任者と対応組織、講ずべき応急措置とその実施責任者、さらに緊急作業に従事する者を定める手順・その線量管理の方法・事後の健康診断等までを規定します。
業務の改善(15号)と管理状況の報告(16号)
この2つは見落とされがちですが、立入検査でPDCAが見られるようになった今、むしろ重要度が上がっている項目です。15号(業務の改善)は、自主点検で見つかった問題を誰が評価し、誰が改善を決め、その結果をどう記録するかという一連の流れを規定します。「改善する」とだけ書いても機能しません。
16号(管理の状況の報告)は、年1回・年度末に提出する放射線管理状況報告書について、誰が取りまとめ、誰が確認して提出するかを規定します。ここで責任者を決めておかないと、年度末に「誰の仕事か分からない」という事態になります。
💡 PDCAを規程に落とすときの型
- Plan 点検・測定・教育の年間計画を、誰が立てるか
- Do 実施の責任者と手順(ここが0-1の「具体的に」)
- Check 結果を誰が評価するか、主任者の確認を受けるか
- Act 改善を誰が決定するか(0-4の決定権者・最終承認者)、結果をどこに記録するか
逆に、予防規程に書かない事項
意外と知られていませんが、施設・設備・機器の廃止に際しての措置は、予防規程に定める事項ではありません。廃止の際にその都度適切な措置を講じればよく、規程に書き込む必要はないとされています。「念のため全部書く」が正解ではない、という一例です。
手元に置いておく資料 — 様式とガイド
規程を書く・直すときに実際に開くことになる資料をまとめました。すべて公式サイトから無料でダウンロードできます。
「雛形」を探している人へ
結論から言うと、そのまま提出できる完成版の雛形は、原子力規制委員会からは配布されていません。配布されているのは上の届出様式(用紙)とガイド(何を書くべきかの基準)です。書き方に迷ったときに開くのは、雛形ではなく解説書のほうです。
大学・研究機関が自施設の予防規程を公開しているため、それを写して提出したくなります。しかし予防規程は自施設の運用そのものを書く文書です。他所の規程を写せば、書いてある手順と実際の運用がその日からズレます——そして立入検査で見られるのは、まさにその乖離です。
この点は解説書自身がはっきり述べています。
「学会等で公開された雛形のような条文をそのまま並べるのではなく、実際の運用を反映した具体的な記述の規程にしなければいけません」
そのうえで、章立てや条文の組み立て方を眺める目的なら、公開されている規程は参考になります。あくまで「構成の確認」であって、中身は自施設の運用に置き換えてください。
改訂して届け出るまで — 様式第26の実務

規程を直したら、届け出るところまでが実務です。まずどんなときに改訂が必要かを整理します。
- 法令・ガイドの改正(例:2022年の「測定の信頼性確保」の追加)
- 組織・責任者の変更(役職名で書いていれば、人事異動そのものでは改訂不要)
- 装置の更新・施設の変更(許可の内容と整合させる)
- 立入検査での指摘
- 自主点検で判明した、規程と実態の乖離
ここからは、実際に届け出るまでの手順です。上から順にたどれば提出まで終わります。
- 改訂案をつくる現行の規程をコピーして改訂案を作ります。書き方に迷ったら、この記事の作法0-1〜0-7と記載例に戻ってください。判断に迷う条文があれば、原典の予防規程に定めるべき事項に関するガイドで該当する号を確認します。
- 主任者の確認を受けるガイドが主任者の職務例に「予防規程及び下部規程の作成または改訂等における確認」を挙げているとおり、確認は職務として組み込まれています。自分が主任者なら、確認した事実を記録に残しておきます。
- 施設内で承認を得る規程に定めた決定権者・最終承認者(作法0-4)の承認を得ます。ここで許可証・申請書の記載と整合が取れているかを必ず突き合わせます。
- 様式第26に記入する別記様式第26 放射線障害予防規程変更届をダウンロードして記入します。はじめての届出なら様式第25です。改訂した予防規程を添えます。
- 提出する(オンラインまたは郵送)オンラインなら放射性同位元素等規制法オンライン手続サイトから。ログインにはGビズIDが必要です。郵送の場合の宛先と封筒の書き方は下のカードにまとめました。
- 施行し、現場に反映する改訂内容を周知し、教育訓練の中身にも反映します。規程だけ新しく現場が旧運用のままだと、検査で乖離として指摘されます。
原子力規制庁長官官房 放射線規制部門 封筒には業種を朱書きします。業種は業種区分表(PDF)で確認してください。複数の届出を同封するときは、「放射線障害予防規程変更届 在中」のように文書名を明記すると親切です。
03-5114-2155
受付は平日9:30〜18:15(土日祝・年末年始を除く)。業種と許可・届出番号(例:使第012号、届第3―456号)を伝えると、担当の係につないでもらえます。書き方の判断に迷ったまま提出するより、先に確認したほうが結果的に早く終わります。
- DOC 別記様式第25 放射線障害予防規程届 はじめて予防規程を届け出るとき
- DOC 別記様式第26 放射線障害予防規程変更届 規程を改訂したとき
- DOC 別記様式第41 放射線取扱主任者選任・解任届 主任者を選任・解任したとき
- DOC 別記様式第42 放射線取扱主任者の代理者選任・解任届 代理者を選任・解任したとき(30日以上のとき届出)
あわせて使う様式
予防規程の改訂と前後して必要になることが多い様式です。年度末の報告書は毎年必ず使うので、ブックマークしておくと探す手間が省けます。
💡 改訂時に必ず確認すること
- 許可の内容と整合しているか。許可証・申請書の記載と規程がずれていないかを突き合わせます。
- 下部規程に委任している部分を変えたなら、予防規程側に書いた名称も合っているか。
- 改訂した内容が、教育訓練の中身に反映されているか。規程だけ新しく現場が旧運用のままだと、検査で乖離として出ます。
検査で指摘される4つの型 — 規程と実態の乖離

立入検査の重点は、予防規程の遵守状況です。法改正後は、自主的・継続的な取り組み(自主点検 → 評価 → 改善 → 記録)というPDCAの過程が見られるようになり、マネジメント層への5分程度のインタビューも実施されています。
実際に指摘される事例は、突き詰めると「規程にはこう書いてあるのに、実態がそうなっていない」という乖離に集約されます。代表的な4つの型を挙げます。
① 教育訓練 管理状況報告書の業務従事者数と、教育訓練の受講者数が一致しない(受講者が従事者より少ない)。省略した場合の理由が記載されていない。
② 個人被ばく 業務従事者の被ばく線量の状況を管理者が把握していない。非密封RIを扱う施設で内部被ばくが未測定・未評価。
③ 施設の測定 測定すべき箇所(事業所境界など)が省略され評価されていない。業者任せで、報告書の内容を自分で確認していない。
④ 自主点検 点検結果と施設の実態に整合性がない。措置を講じた結果を確認しておらず、記録も残っていない。
もし指摘や指導を受けたら、検査官にその法令根拠を確認し、なぜそれが問題なのか要因まで理解することが大切です。指摘をその場しのぎで直すのではなく、規程と実態のどちらを合わせるべきかを判断する材料になります。
- 予防規程は提出書類ではなく、後日自分が採点される運用基準。立入検査の最重点はこの規程の遵守状況。
- 定めるべきは規則第21条第1項の第1号〜第18号。2022年に「測定の信頼性確保」が追加され、未記載の規程は改訂対象。
- 書き方の核心は条文の丸写しではなく、「責任者」と「誰が・どの手順で」を自施設の言葉で書くこと。責任者は役職名で書く。
- 下部規程に委任するならその名称を規程に書く。他法令の規程が合致していれば流用してよい。
- 代理者は、30日未満で届出不要でも選任は必要。
- 施設の点検頻度は年2回を標準・少なくとも年1回。災害時の点検基準は震度5弱以上・火災・床上浸水のように数値で決めておく。
- 教育訓練を省略するなら、省略を判断する者と省略の基準をセットで規定する。
- 改訂は様式第26で届け出る。許可の内容と整合させ、教育訓練にも反映する。
- 検査の指摘は規程と実態の乖離として現れる(教育訓練・個人被ばく・施設の測定・自主点検)。
このシリーズの続き
主任者の書類業務を、テーマごとに分けて解説しています。
📚 参考・一次資料
[1]放射線障害予防規程に定めるべき事項に関するガイド(原子力規制委員会 令和4年3月16日改正) リンク
[2]放射性同位元素等の規制に関する法律(e-Gov 法令検索) リンク
[3]放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則(第21条第1項=予防規程に定めるべき事項/e-Gov 法令検索) リンク
[4]放射性同位元素等の規制に関する法律に基づく立入検査ガイド(原子力規制委員会 令和6年2月14日改正) リンク
[5]施行規則第24条に規定する帳簿の記載等に関するガイドライン(原子力規制委員会) リンク
[6]公益社団法人日本アイソトープ協会「放射線障害予防規程ガイドの解説書」(令和4年12月) リンク








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