心電図検定3級 試験1週間前のプレチェック|10問で総仕上げ【2026年版】

心電図検定 直前プレチェック3
試験1週間前の最終確認 ─ 頻出10問で総仕上げ
心電図検定3級を受験予定の皆さん、試験直前の最終確認はできていますか?この記事では、試験によく出る重要ポイントを10問のプレチェック形式でまとめました。3級以外を受験する方も、力試しにぜひ挑戦してみてください。
10年以上の臨床経験を持つ現役放射線技師の視点から、実践的な解説をお届けします。各問題には詳しい解説と、現場での「効き方」も添えました。直前期の総仕上げに、そのまま使ってください。
合格率は約75%(2024年度)で、基礎の定着がそのまま合否を分ける。頻出は正常洞調律の条件・AF/AFLの鑑別・PVCと脚ブロックの幅広QRS・ST上昇と責任血管の対応・房室ブロックの分類・心拍数計算。そして最優先は致死性不整脈(VF/無脈性VT)。この10問で穴を洗い出し、当日に臨みましょう。
心電図検定3級とは
心電図検定は日本不整脈心電学会が主催する全国統一試験で、心電図判読能力を客観的に評価する検定です。3級は「心電図の基礎〜中等度の判読力」を問う内容で、医療従事者だけでなく医療系学生や一般の方も受験できます。
2024年(第10回)の実績では、受検者6,398人中4,778人が合格し、合格率は74.7%でした。しっかり対策すれば十分に合格が狙えます。
なぜ放射線技師が心電図を学ぶのか
厚生労働省の令和5年(2023)患者調査によると、心疾患の総患者数は約358.1万人。令和4年(2022)の人口動態統計では、心疾患による年間死亡者数は約23.3万人で、死因の第2位(がんに次ぐ)です。私たち放射線技師は、CT検査やカテーテル検査で心疾患患者と接する機会が非常に多く、心電図の基礎知識は「読める・気づける」武器になります。


刺激伝導系のこの流れを頭に入れておくと、不整脈の判読がラクになる。「どこで電気が乱れているか」を場所で考えると、AFは心房、PVCは心室、房室ブロックは房室結節…と整理できるんだ。
10問プレチェック ─ 総仕上げ
以下の10問で総仕上げを行いましょう。まず選択肢から答えを決め、それから解説を開いて確認してください。
正解:B
正常洞調律(NSR)の条件は、①P波が存在しⅡ誘導で陽性(上向き)、②各P波の後にQRS波が続く(1:1伝導)、③PR間隔が0.12〜0.20秒、④心拍数60〜100回/分、⑤RR間隔がほぼ一定(変動10%以内)。ワンポイント:CT検査前のモニター確認で「P波→QRS」の対応を見る習慣をつけると、不整脈への気づきが早くなります。
正解:B
心房細動(AF)は最も頻度の高い持続性不整脈で、日本では推定約100万人以上とされます。特徴は、P波が消失し不規則なf波が出現、RR間隔が絶対的に不規則(irregularly irregular)、心房は300〜600回/分で無秩序に興奮、心室は不規則に伝導(QRSは通常正常幅)。脳梗塞リスクが上がるため抗凝固療法の対象になることがあります。
正解:B
心房粗動(AFL)=鋸歯状のF波(250〜350/分)が規則的、RR間隔は比較的規則的(4:1・2:1伝導など)、Ⅱ・Ⅲ・aVFでF波が見やすい。心房細動(AF)=不規則なf波(300〜600/分)、基線が細かく揺れ、RR間隔は絶対的に不規則。「規則的な鋸歯=粗動、不規則=細動」で覚えましょう。
正解:D
PVCは心室から発生する異所性興奮。特徴は、幅広いQRS波(0.12秒以上)、先行するP波がない、代償性休止期を伴うことが多い、T波はQRSと逆方向。危険なパターン(多源性・連発・R on T=Lown分類の高グレード)は要注意です。
正解:C
梗塞部位と誘導・責任血管の対応:前壁中隔=V1〜V4/左前下行枝(LAD)、側壁=Ⅰ・aVL・V5・V6/回旋枝(LCX)、下壁=Ⅱ・Ⅲ・aVF/右冠動脈(RCA)、後壁=V7〜V9(V1〜V3で鏡像変化)。この表は試験でも臨床でも頻出です。
正解:B
房室ブロックの分類:Ⅰ度=PR間隔0.20秒以上に延長するが全てのP波が伝導。Ⅱ度 MobitzⅠ型(Wenckebach)=PR間隔が徐々に延長し最終的にQRSが脱落。Ⅱ度 MobitzⅡ型=PR間隔一定で突然QRSが脱落(完全ブロックへ移行リスク)。Ⅲ度(完全)=P波とQRSが完全解離。
正解:A
完全右脚ブロック(CRBBB)=QRS幅≧0.12秒、V1でrsR’型(M字型・うさぎの耳)、V5・V6・Ⅰで幅広いS波。左脚ブロック(LBBB)=V1でrS型/QS型(下向き)、V5・V6でRR’型(ノッチ)。覚え方は「V1で上向き(M字)=右脚、下向き=左脚」。次の図で波形を確認しましょう。
正解:C
QT延長症候群は、QT間隔が延長しトルサード・ド・ポワンツ(TdP)という多形性心室頻拍を引き起こしうる疾患。QT間隔の正常値は約0.36〜0.44秒で、補正QTc>0.45秒(男性)/>0.46秒(女性)で延長と判断します。先天性と後天性(薬剤性・電解質異常など)があり、とくに抗不整脈薬など薬剤性に注意が必要です。
正解:B
記録速度25mm/秒では、1秒=25mm、1分=1,500mm。心拍数=1,500 ÷ RR間隔(mm)。RR間隔25mmなら 1,500÷25=60回/分。簡単計算法として、大マス(5mm)で数える「心拍数=300 ÷ RR間隔(大マスの数)」もあります(例:5大マス→300÷5=60)。
正解:D
心室細動(VF)は心室が無秩序に興奮し有効な心拍出がなくなる心停止状態で、数分以内に除細動しなければ死亡します。緊急度の順は、VF → 無脈性VT →(有脈)VT → 完全房室ブロック。VF・無脈性VTは「除細動の適応(Shockable)」であることを必ず覚えましょう。詳しくは巻末の緊急不整脈フローチャートを参照してください。
私自身の経験から、試験直前の1週間は新しいことを覚えるより、今まで勉強したことの定着に時間を使うのがおすすめです。間違えた問題を繰り返し、頻出パターンを「見た瞬間に分かる」状態まで持っていきましょう。
試験直前1週間の過ごし方
- 6〜4日前:公式問題集の誤答だけを解き直し、間違いパターンを潰す。
- 3〜2日前:このプレチェック10問と頻出図解(責任血管・脚ブロック・房室ブロック)を反復。
- 前日:致死性不整脈(VF・無脈性VT)と心拍数計算だけは確実に。夜更かしせず睡眠を優先。
- 当日:持ち物(受験票・筆記用具・デバイダー/定規・時計)を確認。分からない問題は後回し、深追いしない。
心電図判読は「パターン認識」と「系統的なアプローチ」の両方が大切です。まず①心拍数、②調律(P波の有無・RR間隔)、③PQ・QRS・QT間隔、④ST-T ── といつも同じ順で見るクセをつけると、緊張する試験本番でも取りこぼしが減ります。
今回の10問は、どれも現場で遭遇頻度の高い所見ばかり。試験対策としてだけでなく、今後の臨床にもそのまま活きます。
付録 ─ 緊急不整脈 判断フローチャート
不整脈を見つけたときの初動を整理した図です。まず「脈あり?」から確認し、Shockable(VF/無脈性VT)かどうかで初期対応が分かれます。
よくある質問(FAQ)
基礎ができていれば、総仕上げには十分です。直前期は新規学習より定着が効きます。このプレチェック10問と公式問題集の誤答復習を回し、致死性不整脈と心拍数計算を固めれば、当日の得点力が上がります。ゼロからの場合は、まず完全攻略ガイドで基礎を作りましょう。
「心拍数 → 調律 → 各間隔 → ST-T」の順が基本です。①心拍数(速い/遅い)、②調律(P波の有無・RR間隔の規則性)、③PQ・QRS・QT間隔、④ST-T変化 ── といつも同じ順で系統的に見ると、抜け漏れが減ります。この順序を体に染み込ませておきましょう。
意欲があればぜひ。2級は合格率が約59%(2024年度)と難度が上がりますが、3級の基礎がそのまま土台になります。公式問題集は2級/3級が1冊にまとまっているので、3級合格後も続けて活用できます。
おわりに
- 合格率は約75%(2024年度)。基礎の定着が合否を分ける。
- 頻出は洞調律の条件・AF/AFLの鑑別・幅広QRS(PVC/脚ブロック)・ST上昇と責任血管・房室ブロック分類・心拍数計算。
- 最優先は致死性不整脈(VF/無脈性VT=Shockable)。フローチャートで初動を確認。
- 直前1週間は新規学習より定着。判読は「心拍数→調律→各間隔→ST-T」の順で系統的に。
心電図検定3級は、しっかり準備すれば十分に合格可能な試験です。今回の10問は、どれも現場で遭遇する頻度の高い所見ばかり。試験対策としてだけでなく、今後の臨床にも活かしていただければ幸いです。皆さんの合格を心よりお祈りしています ── 頑張ってください!
- 【完全攻略】心電図検定3級|放射線技師のための徹底解説 ─ 基礎から体系的に
- CT検査 完全ガイド ─ 心電図同期の理解に
- MRI検査 完全ガイド ─ 心臓MRIの基礎に















.jpg)