2026年以降の放射線治療経営戦略|包括化・寡分割時代の収益最大化モデル

REIMBURSEMENT 2026 · RADIOTHERAPY MANAGEMENT · お金と制度
放射線治療の経営戦略2026|一連評価と寡分割の時代に、収支は症例構成で決まる
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改定で変わった放射線治療の点数
令和8年度の診療報酬本体の改定率は、令和8・9年度の2年度平均で+3.09%です[4]。放射線治療の収支に効く変更を、告示と施設基準通知で確かめます。
| 項目 | 令和8年度 | ポイント |
|---|---|---|
| 前立腺癌の前立腺照射(IMRT) | 96,500点 | 一連につき。分割の回数にかかわらない[1] |
| 乳癌の全乳房照射 | 41,500点 | 一連につき[1] |
| IGRT加算 | 一連で算定 | 前立腺IMRTは腫瘍の位置情報で9,000点、全乳房照射は2,400点[1] |
| 一回線量増加加算 | 廃止 | 前回は全乳房690点・前立腺IMRT1,400点(1回ごと)[1][2] |
| 粒子線の小児放射線治療加算 | 7,000点 | 15歳未満。新設[1] |
| IMRTの施設基準 | 常勤医1名特例 | 拠点病院等で同じがん医療圏に他のIMRT施設がない場合、遠隔の支援施設と組めば常勤医1名で届出可[3] |
寡分割(全乳房は1回2.5Gy以上、前立腺は1回3Gy以上)で行う場合は、別に施設基準の届出が要ります[3]。常勤医1名特例の詳しい要件と、地方と集約化の両面からの読み方はIMRT緩和と寡分割の一連評価で扱っています。
改定の影響を部門で試算することになったLINAに、ラッコ先輩が対話形式で考え方を伝えます。
1症例あたりの照射料+IGRTを比べる
放射線治療管理料・外来放射線治療加算・固定具などは前後で共通なので除き、照射料とIGRT加算だけを告示の点数で比べます(1点10円)。
| 症例 | 令和6年度・通常分割 | 令和6年度・寡分割 | 令和8年度(一連) |
|---|---|---|---|
| 前立腺IMRT | 134,550点 (3,000+450)×39回 | 97,000点 (3,000+1,400+450)×20回 | 105,500点 96,500+IGRT 9,000 |
| 全乳房照射 | 24,750点 (840+150)×25回 | 26,880点 (840+690+150)×16回 | 43,900点 41,500+IGRT 2,400 |
回数は例として置いた仮定です。令和6年度の全乳房照射は対向2門(840点/回)とIGRTの体表面の位置情報(150点/回)、前立腺IMRTはIGRTの腫瘍の位置情報(450点/回)で計算しています[2]。施設の照射法と回数に置き換えてください。
前立腺IMRTは、通常分割で治療していた施設から見ると1症例あたり29,050点(約29万円)の減額です。寡分割をしていた施設なら8,500点の増額です。全乳房照射は、通常分割からでも寡分割からでも大きく増えます。「一連評価=減収」とは言い切れず、症例の構成で結果が逆になるのが今回の改定の特徴です。
年間で見る:前立腺200人・全乳房150人の例
1症例あたりの差に症例数を掛けた試算(照射料とIGRTのみ)。棒の長さは金額の絶対値です。
前回すでに寡分割をしていた施設は、照射料とIGRTだけで見れば増収です。通常分割が中心だった施設は前立腺の減額が効いて減収になりますが、寡分割に移れば、前立腺19回×200人と全乳房9回×150人で、年間5,150枠の治療枠が空きます。この枠を新しい患者の受け入れに回せるかが、減収を取り戻せるかの分かれ目です。
施設と技師がとれる3つの戦略
回数は施設のプロトコルによります。寡分割の適応は治療医の判断です。
本記事のまとめ
- 前立腺IMRTは96,500点、全乳房照射は41,500点の一連評価:IGRTも一連で9,000点・2,400点
- 前立腺は通常分割からの移行で減額:1症例29,050点。寡分割からなら8,500点の増額
- 全乳房は大きく増額:通常分割からでも19,150点増える
- 空いた枠をどう使うか:寡分割で空いた治療枠を新しい患者に回せるかが収支を決める
制度の読み方 IMRT緩和と寡分割の一連評価|改定の二面性 地方格差の是正か、集約化の加速か 解説を読む →
改定の全体像 診療報酬改定2026 放射線部門 完全ガイド 告示と通知で読む主な変更点 解説を読む →参考文献
- [1]厚生労働省:診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 別表第一 医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示第69号)M001・M001-4
- [2]厚生労働省:令和6年度 医科診療報酬点数表(前回との比較に使用)
- [3]厚生労働省:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日 保医発0305第8号)第83の2・第83の3
- [4]厚生労働省:診療報酬改定について(令和7年12月24日 予算大臣折衝・改定率と内訳)
確認日:2026年11月6日。試算は照射料とIGRT加算だけを比べたもので、施設の収支全体を示すものではありません。






