技師の月給、2026年度改定で本当にUPする? 1年目・5年目・10年目推測例と現場のリアル

REIMBURSEMENT 2026 · SALARY ANALYSIS
技師の月給、2026年度改定で本当にUPする? 1年目・5年目・10年目推測例と現場のリアル
2026年度診療報酬改定で拡充された「ベースアップ評価料」の仕組みを放射線技師目線で解説。ベア等優先のルールと施設間格差を直撃。
- 月給直撃のチャンス:評価料の収入は原則ベア等(基本給・毎月の手当)に充てる決まりで、ボーナス一時金ではなく「毎月の基本給」が上がる。
- 推測レンジ:厚生労働省統計・求人相場に基づく試算で、1年目+4,600〜5,800円/月、5年目+5,400〜11,600円/月、10年目+7,200〜14,400円/月が目安。
- 施設間格差の拡大:前回から届け出ていた、または一定以上のベアをした「継続優遇施設」と「未実施施設」で格差が固定化。継続的な賃上げの基準を満たさない病院は入院料が減算(急性期一般入院料1などで-121点/日)。
- 今すぐのアクション:自院がどの区分で届出しているかを事務長・人事に確認することが、技師の防衛と待遇改善の第一歩。
病院が職員の給料を上げるために請求できる国の制度。「毎月の基本給を上げること」が条件。
評価料の収入は、まず基本給・毎月の手当の引き上げに充てる決まり。賞与などに回せるのは、ベアをしても収入が余るときだけ。
令和8年3月31日時点で届け出ていた病院や、一定水準以上のベアをした病院への上乗せ点数(外来初診17点→23点)。
継続的な賃上げの基準を満たさない病院は、入院料が1日あたり最大141点(特定機能病院)減算される。
1. 「給料、上がるの?」 ― 改定直後から技師界隈がザワついている
SECTION 012026年度診療報酬改定AIの中医協答申が出た瞬間から、SNS(X)のタイムラインは放射線技師や医療職のポストで一色になりました。
「で、結局うちの基本給はいくら上がるの?」
今回の改定率は本体+3.09%。内訳を見ると、賃上げ分が+1.70%、物価対応分が+0.76%、食費・光熱水費分が+0.09%、経営環境悪化への緊急対応分が+0.44%です。最も注目すべきは、医療従事者の処遇改善を目的としたベースアップ評価料AIが大幅に拡充された点です。病院経営と概算要求の観点からも、医療機関にとって最大の経営テーマとなっています。
- 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ):6点 → 17点へ増点(継続優遇施設は23点、令和9年6月以降は約2倍へ)
- 入院ベースアップ評価料:施設ごとの計算で1〜500点の区分(251〜500点は令和9年6月以降)
- 対象職員:診療放射線技師を含む勤務する職員(※40歳以上の医師・歯科医師と業務委託の人を除く)
- ベア等優先:収入は基本給・毎月の手当の引き上げ(ベア等)とそれに伴う増加分に充てる。賞与などはベア後に余る場合に限る
- 入院料の減算(新設):継続的な賃上げの基準を満たさない病院は入院料から1日39〜141点減算(急性期一般入院料1は121点)
期待と不安が交錯する中、数字の根拠を理解しないと正しい判断はできません。本記事では、診療放射線技師の視点から「月給がいくら上がるのか」の推測試算と、施設格差の現実を明らかにします。
この記事は改定直後のリアルな疑問について、LINAとラッコ先輩の対話形式でわかりやすく進めていきます。
2. ベースアップ評価料の仕組み ― 「ベア等優先」とは?
SECTION 02ベースアップ評価料は、2024年度改定で創設され、2026年度改定で大幅拡充された医療従事者の賃上げ原資を確保するための加算制度です。
対象職種と「医師除外」の構造
診療放射線技師をはじめ、看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士、医事課事務職員などが対象です。一方で40歳以上の医師・歯科医師と業務委託で働く人は対象外です(令和8年度から40歳未満の医師・歯科医師は対象に入りました)。医師と技師のタスクシフトが進む中、コメディカル全体の処遇改善に重点が置かれています。
「ベア等優先」 ― 一時金ではなく基本給直撃
この制度最大の肝が使い道のルールです。令和8年度の施設基準では、評価料の収入を「基本給」または「決まって毎月支払われる手当」の引き上げ(ベア等)と、それに伴う賞与・時間外手当・法定福利費の増加分に用いることとされています。交代制勤務の夜勤手当は基本給等に含めてかまいません。
「ボーナスに少し色をつけて終わり」という処理は制度上認められません。毎月の給与明細の基本給ベースが恒久的に引き上げられる設計です。賞与などベア等以外の方法が認められるのは、ベア等をしても患者数の変動などで収入が上回り、追加のベアが難しい場合に限られます(前回の「3分の2以上」の書き方より厳しくなりました)。
賃上げ未実施の病院への「入院料減算」
令和8年3月31日時点で入院ベースアップ評価料を届け出ておらず、一定水準のベアもしていないなど、「継続的に賃上げに係る取組を実施している保険医療機関の基準」を満たさない病院には、入院基本料の減算AIが科されます。
- 急性期病院A一般入院料・急性期一般入院料1など:−121点/日
- 急性期病院B一般入院料・急性期一般入院料2〜6(看護・多職種協働加算なし):−85点/日
- 地域一般入院基本料など:−65点/日
- 特定機能病院入院基本料:−141点/日(療養病棟は−42点など、入院料ごとに決まっています)
100床の病棟であれば年間数千万円規模の減収となるため、実質的に「届出をしなければ経営が成り立たない強制装置」となっています。
この記事は評価料の配分ルールについて、LINAとラッコ先輩の対話形式でわかりやすく進めていきます。
3. 技師の月給UP推測 ― 1年目・5年目・10年目でいくら?
SECTION 03厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」および求人相場データを基に、外来・入院ベースアップ評価料の配分モデルを推測試算しました。放射線技師の生涯給与・退職金水準とも連動する重要な数値です。
外来ベースアップ評価料による施設増収試算
| 区分 | 点数 | 月間算定回数(想定) | 月間増収額 | 技師1人あたり還元目安 |
|---|---|---|---|---|
| 新規算定(標準) | 17点 | 2,300回 | +約39.1万円 | 月+3,000〜6,000円 |
| 継続優遇(上位) | 23点 | 2,300回 | +約52.9万円 | 月+5,000〜11,000円 |
| 令和9年6月〜(拡充) | 約40点 | 2,300回 | +約92.0万円 | 月+8,000〜18,000円 |
年代別・キャリア別の月給UP推測レンジ
| 対象キャリア | 基本給想定モデル | 継続優遇(上位) | 新規賃上げ(標準) | 未実施施設 |
|---|---|---|---|---|
| 🔰 1年目(新卒) | 月給20〜24万円 (基本給20〜22万) | +4,600〜5,800円 (年+6〜8万円) | +2,900〜3,800円 (年+4〜5万円) | 据え置き (0円) |
| 5年目(20代後半) | 月給27〜29万円 (基本給23〜25万) | +5,400〜11,600円 (年+7〜14万円) | +3,400〜7,700円 (年+4〜9万円) | 据え置き / 賞与減 (凍結リスク) |
| 10年目(中堅技師) | 月給36万円前後 (基本給30万) | +11,500〜14,400円 (年+14〜18万円) | +7,200〜9,600円 (年+9〜12万円) | 昇給停止リスク (実質目減り) |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(放射線技師:平均年収約550万円、平均年齢40歳。20〜24歳:月給26〜28万円・基本給23〜26万円、25〜29歳:月給27〜31万円・基本給24〜28万円)および大手求人サイト相場を基準に設定。評価料の収入のうち3分の2を基本給に回すと置いた控えめな試算(令和8年度の施設基準では原則ベア等に充てるため、実際はこれより大きくなりうる)。
この記事は年代別の試算結果について、LINAとラッコ先輩の対話形式でわかりやすく進めていきます。
4. 医療現場のリアルな声 ― 期待と不安とXの声
SECTION 04改定答申以降、SNS上では現場の放射線技師から切実な声が多数寄せられています。公式統計(平均年収550万円)と、若手・地方技師の手取り実感(月収17〜22万円)とのギャップが浮き彫りになっています。転職・キャリア形成を模索する技師も増加傾向にあります。
厚生労働省統計の平均年収550万円は「全年齢・国公立大病院・管理職」を含んだ数値です。20〜30代の現場技師や地方クリニックでは年収350〜420万円、手取り17〜21万円がボリュームゾーンとなっており、今回の改定による底上げが急務となっています。
この記事は現場のリアルな声について、LINAとラッコ先輩の対話形式でわかりやすく進めていきます。
5. 技師が今すぐやるべき5つのアクション
SECTION 05制度を知るだけでなく、現場で自分の待遇を守るための具体的な行動手順です。
自院が「ベースアップ評価料」をどの区分(新規17点か、継続優遇23点か)で届出しているか確認します。職員が関心を持っている姿勢を示すこと自体がプレッシャーになります。
評価料の収入は原則ベア等に充てる決まりなので、「賞与への一時金上乗せ」だけで処理されていないか給与明細をチェックしましょう。
賃上げ未実施による入院料減算ペナルティで経営が悪化すると、昇給凍結や賞与カットの負のスパイラルに陥ります。DPC公開データAI等で自院の財務安全性を確認しましょう。
造影剤静脈確保AIやAIルールファイル運用など、技師業務の効率化と高度化をアピールして待遇改善の根拠を作ります。
6. まとめ ― 制度を理解した技師が待遇を守る
SUMMARY2026年度診療報酬改定は、放射線技師にとって「月給直接UPの大きなチャンス」であると同時に、「勤務先による格差拡大の分岐点」でもあります。
- 評価料の収入は原則ベア等(基本給・毎月の手当)に充てるのが施設基準。
- 1年目で月+4,600〜5,800円、5年目で月+5,400〜11,600円、10年目で月+7,200〜14,400円が推測ライン。
- 自院の届出区分(継続優遇 / 新規 / 未実施)を把握し、正当な評価を勝ち取ることが重要。
まずは明日の勤務で、事務部門へ「うちのベースアップ評価料の届出区分」を確認してみましょう!
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