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検査を受ける方へ

レントゲン・CT・MRIは、何がちがうの?

「どれが一番いい検査ですか」とよく聞かれます。じつは、どれか一つが万能ということはありません。3つのちがいを、やさしくご説明します。

診療放射線技師が監修しています

この記事でわかること
  • 検査に「一番いい」はなく、調べたいものによって使い分けること
  • レントゲンは全体をすばやく見るのが得意なこと
  • CTは体を輪切りにして、奥を数秒で調べるのが得意なこと
  • MRIは放射線を使わず、やわらかい部分を見るのが得意なこと

LINA

LINA(リナ)

おなかが痛くてレントゲンを撮ったのに、今度はCTも撮りましょうと言われました。最初から一番くわしいMRIで全部調べてもらえば、何度も検査しなくて済むのに……と思ってしまいます。

ラッコ先輩

ラッコ先輩

何度も受けるのは大変だよね。でも、MRIが一番よく見える魔法の機械というわけではないんだ。3つはカメラのレンズみたいなもので、得意な場面がそれぞれ違う。だから順番に使い分けるんだよ。

01BASICS

「どれが一番いい」と言えないわけ

3つのちがい

3つの検査は、カメラにたとえるとちがいがわかりやすくなります。

広角
レントゲン
全体をすばやく見る

輪切り
CT
奥を数秒でくわしく

やわらかさ
MRI
神経や筋肉を見分ける

骨折が心配なときは、骨がよく写るレントゲンやCTが「一番いい検査」になります。スポーツで靭帯(じんたい)を痛めたかもしれないときは、やわらかい部分が写るMRIが「一番いい検査」です。

時間も大切な条件です。救急車で運ばれた方には、数十分かかるMRIより、数秒で撮れるCTのほうが適しています。お医者さんは「何を調べたいか」「どれくらい急ぐか」「体内に金属がないか」を組み合わせて選んでいます。

ここがポイント

  • すべてが見える万能な機械はありません
  • 調べたいものによって、選ぶ検査が変わります
  • 急ぐかどうか、体内に金属がないかも判断の材料です

02X-RAY

レントゲンが得意なこと

全体をすばやく

レントゲンのいちばんの強みは、一瞬で体の広い範囲を確認できることです。

息が苦しい、せきが出るというとき、まず胸のレントゲンを撮ります。1秒ほどの撮影で、肺に水がたまっていないか、肺炎の影がないか、心臓が大きくなっていないかを、1枚の写真で確かめられます。転んで腕を痛めたときも、骨が折れていないかをすぐ判断できます。

体への負担が少ないことも特長です。着替えを入れても数分で終わり、息を止めるのは数秒だけ。トンネルに入る必要もなく、費用もいちばん安く済みます。

苦手なのは、奥にあるものが重なって見えにくいことです。体は立体ですが、レントゲンは1枚の平らな写真にするため、心臓のうしろに隠れた小さな影などは見つけにくくなります。そこを補うのが、次のCTとMRIです。

03CT

CTが得意なこと

輪切りにして奥を見る

CTの得意技は、体を輪切りにして、奥に隠れたものを数秒で見つけることです。

体のまわりから放射線をあてながら回転し、そのデータから断面の画像を作ります。レントゲンでは重なって見えなかったところも、パラパラ漫画のように1枚ずつ引き出して見られます。とくに得意なのは、肺、骨、そして出血です。くわしい流れはCT検査を受ける方へでご説明しています。

もうひとつの強みは速さです。新しい機械なら、頭から足まで撮っても、息を止めるのは5〜10秒ほど。じっと寝ているのがつらい方や、急いで運ばれてきた方でも、すぐに体の中の様子を確かめられます。

気をつける点は放射線を使うことです。レントゲンより多くの放射線を使うため、必要なときにしぼって、できるだけ少ない量で撮るのが決まりになっています。

LINA

LINA(リナ)

CTはあんなにくわしい画像が出るのに、息を止めるのは一瞬なんですね。でも、ドーナツの穴に入るのがCTで、長いトンネルがMRI……見た目が似ていて、よくわからなくなります。

ラッコ先輩

ラッコ先輩

見た目は似ているけれど、中身はまったく違うんだ。CTはドーナツの幅がせまいから、顔が外に出ていることが多くて、圧迫感は少なめ。MRIは強い磁石を使うので土管のように長いトンネルになる。ここが少しつらいところなんだよ。

04MRI

MRIが得意なこと

やわらかい部分を見る

MRIの強みは、やわらかい部分のちがいを、くっきり見分けられることです。

CTは骨のような硬いものが得意でした。いっぽう、脳の神経、脊髄(せきずい)、筋肉、靭帯などのやわらかい部分は、CTではどれも似た灰色になってしまいます。MRIは強い磁石と電波を使って体の中の水分の様子を読み取るため、「ここは正常な筋肉」「ここは炎症を起こしている」といったちがいを、白黒の濃淡で見分けられます。

放射線をまったく使わないことも大きな利点です。被ばくを気にせず、くわしい断面の画像を撮れます。

いっぽうで、負担になる点もいくつかあります。まず時間がかかること。1か所撮るのに20〜40分ほどかかり、その間じっとしている必要があります。次に大きな音とせまさ。工事現場のような音が鳴るトンネルに入ります。そして金属が持ち込めないことです。当日の準備はMRI検査を受ける方へにまとめています。

05TABLE

3つをくらべてみる

時間・音・被ばく・金属

受ける前に知っておきたいちがいを、表にまとめました。

項目レントゲンCTMRI
得意なもの肺・骨の全体骨・出血・肺のくわしい断面脳・神経・筋肉・靭帯
しくみ放射線放射線磁石と電波
被ばくあり(ごく少ない)あり(やや多い)なし
かかる時間1〜3分5〜15分20〜40分
静か静かとても大きい
せまさほぼなし少なめトンネルに入る
体内の金属問題なし問題なし受けられないことがある

この表を見ると、なぜ「とりあえず全部MRIで」とならないのかがわかります。事故で運ばれた方に、20分かかって金属も持ち込めないMRIを最初に行うのは現実的ではありません。逆に、腰の痛みで神経を見たいときは、被ばくなしで神経がはっきり見えるMRIを1回受けるほうが、負担が少なくて済みます。

06DAY

当日の流れのちがい

準備とお願いごと

しくみが違うので、当日おねがいすることも変わります。

1
レントゲン
撮るところの服を脱ぐか検査着に着替えます。金属のボタン、ホック、湿布は白く写るので外します。息を数秒止めて終わりです。

2
CT
着替えのきまりはレントゲンとほぼ同じです。検査台にあおむけに寝て、案内に合わせて「吸って、止めて」を数回くり返します。動くとぶれるので、力を抜いてじっとしていてください。

3
MRI
検査室は強力な磁石がいつも働いているため、金属は持ち込めません。時計・スマートフォン・鍵はもちろん、保温下着、カラーコンタクト、マスカラも外していただきます。体内に金属がないか(心臓ペースメーカーや手術で入れた金属など)も、問診票で事前に確認します。

当日おぼえておくこと

  • 撮るところの金属(ボタン・ホック・湿布)は外します
  • CTは数秒の息止めが大切です。力を抜いて動かないでいてください
  • MRIは化粧や下着まで確認します。心配なことは先にお伝えください

07Q&A

迷いやすいこと

造影剤・予約・撮り直し

造影剤(ぞうえいざい)は、血管や臓器を白く浮き上がらせて、病気を見つけやすくするお薬です。使ったあとは「お水をたくさん飲んでください」とご案内します。お薬を早く体の外に出すためです。ぜんそくや、以前に副作用が出たことがある方は、必ず前もってお伝えください。

予約と待ち時間について。レントゲンはその日にすぐ撮れますが、CTやMRIは1人あたりの時間が長いため、予約制のことがほとんどです。数週間待つこともありますが、これは「急いで撮らなくても大丈夫」と判断されているからです。

別の病院での撮り直しを不満に思う方もいらっしゃいます。これは、前のデータが古くなっていたり、手術に向けてもっと細かい画像が必要だったりするためです。負担をおかけしますが、安全に治療を進めるための判断です。

LINA

LINA(リナ)

造影剤は、血管を白く光らせて見やすくするお薬なんですね。別の病院で撮り直すのも、意地悪ではなくて、手術を安全にするための新しい地図が必要だからなんだ。

ラッコ先輩

ラッコ先輩

そのとおり。正確な地図がないと、手術のときに迷ってしまうからね。負担をおかけしてしまうけれど、安全を第一に考えての判断なんだ。気になったら遠慮なく聞いてほしい。

放射線について、よくあるご心配

数字で見る

日本で1年間に受ける放射線は、平均でおよそ4.7ミリシーベルトと推定されています。このうち2.1ミリシーベルトは自然に浴びるもの、2.6ミリシーベルトが医療によるものです(環境省の資料より)。

ミリシーベルトという単位のイメージがつかめると、数字の意味がわかりやすくなります。検査ごとに国内で目安がまとめられていて、必要な画像が得られる範囲で、できるだけ少ない量になるように調整しています。MRIと超音波は放射線を使わないため、被ばくはありません。

レントゲンだけですべてを見つけるのは難しいのが正直なところです。心臓や骨のうしろに隠れた小さなものは写らないことがあります。より早く見つけるためには、CTを使った検診を組み合わせることがすすめられています。

3割負担の場合、造影剤を使わないCTでおよそ4,000〜5,000円、MRIでおよそ6,000〜8,000円が目安です。MRIのほうが少し高くなります。撮る部位や造影剤の有無、病院によって変わります。

横が開いている「オープン型」のMRIがある病院なら、圧迫感が少なく受けやすくなります。ただしトンネル型にくらべて時間が長くなることがあります。事前に病院にご確認ください。手元のブザーはいつでも押せますので、つらいときは遠慮なく呼んでください。

歯科で使われるインプラント(チタン製)や銀歯、金歯は、磁石に強く引き寄せられる材質ではないため、基本的にそのまま受けられます。ただし口の周りを撮るときに画像が歪むことがあります。念のため問診票には必ずご記入ください。

妊娠している、またはその可能性があることを、必ず前もってお伝えください。おなかや骨盤のCTは、特別な理由がないかぎり避けます(胸や頭のCTはおなかから離れているため影響はごくわずかです)。MRIは被ばくがありませんが、妊娠初期は慎重に判断します。妊娠中・授乳中の検査が不安な方へもあわせてご覧ください。

急ぐ場合はその場で医師が確認します。通常の予約検査では、撮影した何百枚もの画像を専門の医師がていねいに確認して報告書を作り、それをもとに主治医から説明があるため、数日から1週間ほどかかるのが一般的です。

CT検査ガイド
CT検査

CT検査を受ける方へ

MRI検査ガイド
MRI検査

MRI検査を受ける方へ

ミリシーベルトのガイド
被ばくの単位

「ミリシーベルト」ってどのくらい?

妊娠中の画像検査ガイド
妊娠中・授乳中

妊娠中・授乳中の検査が不安な方へ

参考文献

RadiTech · 放射線技師ラボ検査Q&A

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