IMRT緩和と寡分割の一連評価|「地方格差の是正」か「集約化の加速」か、技師が読む2026年改定の二面性

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IMRT緩和と寡分割の一連評価|「地方格差の是正」か「集約化の加速」か、技師が読む改定の二面性
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改定で何が変わったか
令和8年度の改定率は、診療報酬本体で令和8・9年度の2年度平均+3.09%です[1]。放射線治療で大きいのは次の2つです。
IMRTの常勤医1名特例
IMRTの施設基準は、放射線治療を専ら担当する常勤医師2名以上(うち1名は経験5年以上)が原則です。令和8年度は人口減少地域の提供体制を守るため、条件を満たせば常勤医1名で届け出られる規定ができました(施設基準通知 第83の3 1(3))[2][4]。
| 項目 | 従来 | 令和8年度の特例 |
|---|---|---|
| 実施施設の常勤医 | 2名以上(1名は経験5年以上) | 1名(経験5年以上) |
| 対象の施設 | 制限なし | 地域がん診療連携拠点病院、または体外照射が年間200症例以上の地域がん診療病院。同じがん医療圏にIMRTの届出施設がないこと |
| 支援する側 | ― | 特定機能病院・都道府県がん診療連携拠点病院・地域がん診療連携拠点病院で、常勤医3名以上(うち2名以上が経験5年以上)。支援する医師1名につき2施設まで |
| 設備と運用 | ― | セキュリティ対策をした遠隔放射線治療システム、第三者機関による出力線量の評価、支援施設の医師と常に連絡がとれる体制 |
出典:特掲診療料の施設基準等通知(令和8年3月5日 保医発0305第8号)第83の3[2]。
全乳房照射と前立腺IMRTの一連評価
前回まで1回ごとに算定していた照射料が、乳癌の全乳房照射と前立腺癌のIMRTに限って、分割の回数にかかわらず一連の定額になりました。あわせて一回線量増加加算(全乳房690点・前立腺IMRT1,400点)は廃止です。寡分割照射(全乳房は1回2.5Gy以上、前立腺は1回3Gy以上)で行う場合は、別に施設基準の届出が要ります[3][4]。
| 区分 | 一連の点数 | IGRTなどの加算 |
|---|---|---|
| M001 2イ 乳癌の全乳房照射 | 41,500点 | IGRT加算・呼吸性移動対策加算は一連でそれぞれ2,400点 |
| M001 3イ 前立腺癌の前立腺照射(IMRT) | 96,500点 | 腫瘍の位置情報によるIGRT加算は一連で9,000点 |
このほか、粒子線治療には15歳未満への小児放射線治療加算7,000点が新しく付きました[3]。改定全体の読み方は診療報酬改定2026 放射線部門ガイドにまとめています。
地方の中規模病院で働くLINAと、ラッコ先輩が、改定の受け止め方を対話形式で整理します。
改定直後の現場の声
答申の公表直後、Xには放射線治療に関わる人の反応が相次ぎました。寡分割の方向性への理解と、集約化への懸念が入り混じっています。
歓迎する側は「寡分割の標準化は合理的で、地方の治療へのアクセスがよくなる」と見ています。懸念する側は「緩和は大病院に頼る入り口で、地方の中小病院は結局取り残される」と見ています。
二面性を技師目線で読む
格差の是正につながる3つの要素
導入のハードルが下がる
常勤医1名でもIMRTを届け出られれば、患者が治療のために都市部へ移る負担が減ります。通院距離が短くなることは、高齢の患者の生活に直結します。
治療期間が短くなる
寡分割を採れば、前立腺は通常分割の37〜39回前後から20回程度、全乳房は25回前後から16回程度に減らせます(回数は施設のプロトコルによる)。遠くから通う患者には大きな違いです。
計画の力が見える
遠隔支援のつながりの中で、技師の計画立案や線量管理の力が、施設の実力として見えるようになります。
集約化を進める4つの構造
2〜4は本記事の見立てです。施設ごとの症例数や地域の事情で結論は変わります。
自施設で確かめること
項目を押すと、進み具合がこの端末に保存されます。
施設の戦略を3つの型で比べ、収支を試算する方法は放射線治療の経営戦略2026で扱っています。計画を支える人の育成には、IMRT照射計画補助作業研修会が使えます。
本記事のまとめ
- IMRTの常勤医1名特例:拠点病院等で、同じがん医療圏に他のIMRT施設がなく、遠隔の支援施設と組む場合に限る
- 一連評価:全乳房照射41,500点・前立腺IMRT96,500点。一回線量増加加算は廃止
- 二面性:地方の治療アクセスを広げる一方、支援する大病院を中心にした集約の仕組みにもなりうる
- 技師に求められること:自施設の症例数と地域の事情から、どの道を選ぶかを数字で考える
戦略と試算 放射線治療の経営戦略2026|包括化・寡分割時代の収益 3つの型と収支のシミュレーター 解説を読む →
改定の全体像 診療報酬改定2026 放射線部門 完全ガイド 告示と通知で読む主な変更点 解説を読む →参考文献
- [1]厚生労働省:診療報酬改定について(令和7年12月24日 予算大臣折衝・改定率と内訳)
- [2]厚生労働省:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日 保医発0305第8号)第83の2・第83の3
- [3]厚生労働省:診療報酬の算定方法の一部を改正する告示 別表第一 医科診療報酬点数表(令和8年厚生労働省告示第69号)
- [4]中央社会保険医療協議会 総会:個別改定項目について(令和8年2月13日)人口減少地域におけるIMRTの施設基準の見直し
確認日:2026年11月6日。点数と要件は告示・通知の原本で確かめています。






