IMRT照射計画補助作業研修会|2026年度の申込と中身、常勤医1名でもIMRTを届け出られるようになった背景
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IMRT照射計画補助作業研修会|2026年度の申込と中身、常勤医1名でもIMRTを届け出られるようになった背景

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2026年度の研修会:日程・受講料・単位
正式名は「強度変調放射線治療照射計画補助作業研修会」です。IMRTを実施している施設や導入を予定している施設で、治療計画の補助業務に携わる人が対象で、職種を問わず申し込めます[1]。
| 項目 | 2026年度の内容 |
|---|---|
| 主催 | 一般社団法人 日本放射線治療品質管理機構 |
| 形式 | オンデマンド型のe-learning(期間中は24時間視聴可。同時視聴の人数に上限あり) |
| 申込期間 | 2026年10月26日〜2027年2月22日 |
| 受講期間 | 2026年12月1日〜2027年3月29日 申込と受講開始の日が違う |
| 受講料 | 22,000円(税込) 原則として入金後のキャンセル・返金なし |
| 修了条件 | すべての講義動画を見て、確認問題を全問正解し、アンケートに答える |
| 修了証 | 受講システム(eden)からダウンロード。期限は2027年3月29日 |
| 単位 | 放射線治療専門放射線技師認定機構 3単位(A研修)/医学物理士認定機構 10単位(カテゴリーⅡ D2)/品質管理機構 1単位(カテゴリー2) |
出典:品質管理機構「強度変調放射線治療照射計画補助作業研修会」案内ページ[1]。講義の内容は2025年度と同じ動画です。
品質管理機構は2026年2月1日付の提言で、IMRT物理技術ガイドライン2023が施設に求める「研修や講習会」としてこの研修会を位置づけ、構成8団体の総意として、新しくIMRTを始める施設だけでなく、すでにIMRTに携わる人にも受講を強く勧めています。施設の管理者には、受講の時間と費用を支えるよう求めています[2]。
23本の講義の中身
全23動画・20テーマ・合計689分・スライド944枚。各テーマに確認問題が5問ずつ付きます[1]。
部位別(5本)
| 番号 | テーマ | 講師 | 分 |
|---|---|---|---|
| 1 | 頭部 | 宇藤恵 | 32 |
| 2 | 頭頸部 | 安田耕一 | 22 |
| 3 | 胸部 | 小宮山貴史/川村麻里子 | 17 |
| 4 | 腹部 | 梅澤玲 | 24 |
| 5 | 骨盤部 | 室伏景子/安藤謙 | 24 |
実務(18本)
| 番号 | テーマ | 講師 | 分 |
|---|---|---|---|
| 6〜7 | 患者固定と前処置 | 太田誠一 | 67 |
| 8〜9 | 治療計画用CT画像 | 鈴木秀和 | 56 |
| 10 | CT以外の画像 | 篠田和哉 | 24 |
| 11 | 画像登録と画像融合 | 佐々木幹治 | 25 |
| 12 | マージン設定 | 川守田龍 | 45 |
| 13 | 仮想寝台と固定具 | 上本賢司 | 36 |
| 14 | メタルアーチファクト | 大平新吾 | 32 |
| 15 | 線量処方と線量制約 | 棚邊哲史 | 36 |
| 16 | 最適化計算 | 宇都宮悟 | 60 |
| 17 | ダミー輪郭 | 新井雄 | 24 |
| 18 | ビーム配置 | 水野統文 | 28 |
| 19〜20 | 線量計算設定 | 黒岡将彦 | 48 |
| 21 | 治療計画の評価と確認 | 岡本裕之 | 28 |
| 22 | 治療計画の保存 | 新保宗史 | 24 |
| 23 | データ転送 | 木藤哲史 | 37 |
いちばん長いのは「最適化計算」の60分で、患者固定、CT画像、線量計算設定が続きます。逆方向の治療計画は従来の計画と考え方が違うので、通常の照射に慣れた人ほど最初につまずきやすいところです。CT値の扱いはCT値と電子密度の記事、計画の検証はTG-142とJASTRO QAガイドラインの記事も合わせて読むと理解がつながります。
IMRTの国内の歩み
IMRTは1994年から欧米で臨床に使われ始め、国内では2000年秋ごろ、北大・札幌医大・東北大・千葉がん・京大・近大・天理よろづの7施設で始まりました。どの施設も米国の先行施設で見学や研修を受け、十分なリハーサルを積んでから臨床に入っています[3]。
2008年の保険導入では、IMRTの放射線治療管理料が5,000点と、当時の放射線治療で最も高い点数が付けられました[5]。点数が高いぶん、施設基準も厳しく作られています。
「常勤医2名」の壁
IMRTの施設基準は、放射線治療を専ら担当する常勤医師が2名以上(うち1名は経験5年以上)です。ほかに、経験5年以上の常勤の診療放射線技師、機器の精度管理や照射計画の検証を専ら担当する者、IMRTを年間10例以上という要件があります[9]。

この「常勤医2名」が、地方や中小規模の病院でIMRTを始められない大きな理由でした。2023年度のJASTRO高精度部会のアンケートでは、IMRTを実施できていないと答えた75施設のうち45施設が「常勤医が1名であること」を理由に挙げています[6]。
背景には、国内のがん患者に対する放射線治療の提供率が欧米より低く、IMRTのような高精度照射の提供率も低いという指摘があります[7]。
大西班と治療計画補助者会議
2021年度から、厚生労働科学研究「放射線療法の提供体制構築に資する研究」(研究代表者 大西洋・山梨大学)が始まりました。標準的な放射線療法の提供体制を全国にそろえること、高度な放射線療法の都道府県を越えた連携、医学物理士など必要な人材を育てる方策を目的にしています[7]。
2024年度からは、この研究班の委託で品質管理機構が放射線治療関係団体の代表者による「治療計画補助者会議」を開きました。研究班のアンケートで、治療計画の実務を学ぶ機会が少ないことが分かり、それを受けて今回の教育コンテンツが作られています[8]。
| 引き継いだテーマ | 引き継ぎ先 |
|---|---|
| IMRT施設要件に関する医療技術評価提案書(案) | 日本放射線腫瘍学会(JASTRO)健保委員会 |
| 放射線治療の技術職資格の整理・統合 | JASTRO全体の中長期の検討課題 |
| 治療計画補助研修のあり方と運用 | 品質管理機構の理事会(放射線治療計画補助研修委員会) |
出典:品質管理機構「放射線治療計画補助研修委員会の設立と教育コンテンツについて」(2025年11月25日)[8]。
REMOTE-IMRT trial
研究班の分担研究として、専従の常勤医が1名の施設でも、施設間の遠隔支援と医師以外の治療計画補助者の関与によってIMRTの治療計画が臨床的に問題なく行えるかを確かめる実証実験「REMOTE-IMRT trial」が進められました[10]。

令和8年度で変わったこと:常勤医1名でも届け出られる
令和8年度の診療報酬改定で、遠隔の支援施設と組めば、IMRTの常勤医を1名にできる規定が施設基準に加わりました(施設基準通知 第83の3 1(3))[9]。研究班と関係団体が積み上げてきた議論が、制度の形になったものです。
| 対象 | 主な要件 |
|---|---|
| 実施施設 | 地域がん診療連携拠点病院、または体外照射を年間200症例以上行う地域がん診療病院。同じがん医療圏にIMRTを届け出ている医療機関がないこと |
| 実施施設の医師 | 放射線治療を専ら担当する常勤医師1名(経験5年以上) |
| 実施施設の設備 | セキュリティ対策をした遠隔放射線治療システム、第三者機関による出力線量の評価など |
| 支援施設 | 特定機能病院・都道府県がん診療連携拠点病院・地域がん診療連携拠点病院のいずれかで、常勤医師3名以上(うち2名以上が経験5年以上) |
| 支援する医師 | 経験5年以上の常勤医師。1名が支援できるのは2施設まで |
詳しい要件と、別の加算(遠隔放射線治療計画加算)との違いは診療報酬改定2026の解説にまとめています。
この特例は、研修を修了すれば届け出られるという仕組みではありません。ただ、実施施設では常勤医が1名になるぶん、治療計画を支える技師や医学物理士の力量がこれまで以上に問われます。研修会が求めている「治療計画全体を通した基礎知識」は、まさにそこに当たります[2]。
IMRTを担当し始めたLINAとラッコ先輩が、研修の受け方を対話形式で確かめます。
受講を考えたい人
- IMRTの計画補助を始めた、または始める予定の技師:流れ全体を一度通して学べる機会は多くありません
- 放射線治療専門放射線技師を目指す人・更新を控えた人:A研修3単位になります。教材選びは専門技師の教材ガイドを参考に
- 医学物理士・品質管理士:それぞれ10単位・1単位が付きます
- これからIMRTを導入する施設の管理者:提言は、受講の時間と費用を施設が支えるよう求めています[2]
本記事のまとめ
- 2026年度の研修会:申込は2027年2月22日まで、受講は2026年12月1日〜2027年3月29日、22,000円
- 中身は23動画・689分・確認問題100問:2025年度と同じ内容。最適化計算が60分と最長
- 単位:専門技師3単位(A研修)・医学物理士10単位・品質管理士1単位
- 資格にはならない:治療計画補助者という資格は作らないと合意されている
- 令和8年度改定:遠隔の支援施設と組めば、IMRTを常勤医1名で届け出られるようになった
参考文献
- [1]日本放射線治療品質管理機構:強度変調放射線治療照射計画補助作業研修会(2026年度 開催案内)
- [2]日本放射線治療品質管理機構:強度変調放射線治療(IMRT)ガイドラインとe-learningによる研修会についての提言(2026年2月1日)
- [3]日本医学物理学会・日本放射線技術学会・日本放射線腫瘍学会:強度変調放射線治療における物理・技術的ガイドライン2011(はじめに)
- [4]日本放射線腫瘍学会:強度変調放射線治療(IMRT)臨床的ガイドライン2024
- [5]日経メディカル:2008年度の診療報酬改定、癌関連ではIMRTが保険導入(2008年2月22日)
- [6]オンコロ:放射線治療の均てん化を目指した遠隔技術の利用(JASTRO2024)
- [7]厚生労働科学研究成果データベース:放射線療法の提供体制構築に資する研究(令和3年度)
- [8]日本放射線治療品質管理機構:放射線治療計画補助研修委員会の設立と教育コンテンツについて(2025年11月25日)
- [9]厚生労働省:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日 保医発0305第8号)第83の3
- [10]日本放射線腫瘍学会:令和5年度〜7年度厚労科研大西班 分担研究班実証実験【REMOTE-IMRT trial】へのご協力のお願い(2024年10月)
確認日:2026年11月6日。研修会の日程・受講料・単位は品質管理機構の2026年度案内に基づきます。




