心電図とVTのきほん|放射線治療技師のための読み方入門
ECG BASICS FOR RADIATION THERAPY TECHNOLOGISTS · 技術と精度
心電図とVTのきほん|放射線治療技師のための読み方入門
治療部門のLINAの疑問に、治療歴の長いラッコ先輩が対話形式で答えていきます。
治療技師が心電図に出会う場面
診断を下すのは医師です。それでも治療室では、患者さんのいちばん近くで、毎日同じ時間に様子を見ているのが私たち治療技師です。
治療技師のための覚え方|「速さ・幅・そろい」の3問
照射中のモニターで、波形の細かい名前を当てる必要はありません。私たちが判断するのは「このまま照射を続けてよいか、止めて人を呼ぶか」です。そのために、次の3つの質問を順番に当てていきます。
flowchart TD
S["モニターの波形がいつもと違う"] --> P["カメラで患者さんを見る"]
P --> Q1["Q1 速さ:100回/分を超える?"]
Q1 -- "超える" --> Q2["Q2 幅:QRSが太い?"]
Q1 -- "超えない" --> Q4["遅すぎない?1拍だけ違う?"]
Q2 -- "太い" --> Q3["Q3 そろい:形が読める?"]
Q2 -- "細い" --> N["心房側の頻拍の可能性"]
Q3 -- "読める" --> VT["VTを疑う"]
Q3 -- "読めない" --> VF["VFを疑う"]
Q4 -- "1拍だけ" --> PVC["期外収縮の可能性"]
Q4 -- "遅い" --> B["徐脈・ペーシングの異常の可能性"]
VT --> R["照射を止め、人を呼ぶ"]
VF --> R
N --> R
B --> R
技師が「止めて呼ぶ」までを判断するための目安で、診断の手順ではありません。期外収縮でも、増えてきた・続けて出る、などいつもと違えば報告します。施設の手順を優先してください。
P・QRS・Tは、電気がどこを通ったかの記録
心臓が規則正しく縮むのは、電気の配線(刺激伝導系)があるからです。右心房の洞結節が電気を出し、房室結節で少し間をおいてから、ヒス束・右脚と左脚・プルキンエ線維を通って心室全体へ一気に広がります。洞結節から始まる正常なリズムを洞調律と呼び、成人ではおおむね1分間に60〜100回です。

説明のための模式図で、実際の患者の記録ではありません。背景は記録紙と同じマス目(小さいマス1つ=0.04秒、大きいマス1つ=0.2秒)。正常なQRS波は幅が狭く、大きいマス(0.2秒)の半分にも満たない。
| 波・区間 | 心臓で起きていること | 治療室で見るポイント |
|---|---|---|
| P波 | 心房が興奮する(洞結節→心房) | QRSの前に毎回あるか |
| PR間隔 | 房室結節で電気が待たされる時間 | P波のあとにQRSが来ない拍があれば伝導の障害を疑う |
| QRS波 | 心室が興奮する(ヒス束→脚→プルキンエ線維) | 幅:細いか太いか。R波は心電同期CTの基準 |
| T波 | 心室が元の状態に戻る | QRSと逆向きの大きなT波は、心室から出た興奮のことが多い |
いちばん大事なのはQRS波の幅です。日本循環器学会と日本不整脈心電学会のガイドラインは、QRS幅120 ms未満を幅の狭いQRS(narrow QRS)としています[3]。電気が正規の配線を通れば心室は一気に興奮するのでQRSは細くなり、心室の筋肉から勝手に出た興奮は筋肉をゆっくり伝わるので太くなります。ESCのガイドラインも、心室期外収縮のQRSは「ふつう120 ms以上」と書いています[1]。脚ブロックやペースメーカのペーシングでもQRSは太くなるので、「太い=必ず心室から」とは言い切れません[6]。
記録紙のマス目と心拍数|300・150・100・75・60・50
心電図の記録紙は、標準の速さ(毎秒25 mm)で流れると、小さいマス1つ(1 mm)が0.04秒、大きいマス1つ(5 mm)が0.2秒になります。縦は10 mmで1 mVが標準です。12誘導心電図の記録のしかたは、米国心臓協会(AHA)などの勧告で標準化されています[5]。
心拍数は、R波とR波の間にある大きいマスの数で300を割ると出ます。大きいマス1つが0.2秒なので、1分(60秒)÷0.2秒=300、という計算です。「サンビャク・ヒャクゴジュウ・ヒャク・ナナジュウゴ・ロクジュウ・ゴジュウ」と口で唱えて覚えておくと、R波から次のR波まで大きいマスを数えるだけで速さが出せます。
この方法は、RR間隔がそろっているときにしか使えません。期外収縮が混ざったり、心房細動のように間隔がばらばらだったりすると、どの2拍を選ぶかで答えが変わります。そういうときは10秒間に入っているQRS波の数を6倍します。たとえば10秒に13個なら78回/分です。
4つのリズムを見分ける|期外収縮・VT・VF
心室から出る不整脈は、出方の頻度と続く長さで呼び名が変わります。まずは4つのリズムを並べて見比べてください。
すべて説明のための模式図で、実際の患者の記録ではありません。上から、洞調律/洞調律に心室期外収縮(PVC)が1拍混ざったもの/単形性の心室頻拍(VT)/心室細動(VF)。マス目は記録紙と同じ縮尺。
| 呼び名 | ESC 2022の定義(要約) | 速さ・幅・そろい |
|---|---|---|
| 洞調律 | 洞結節から始まる正常なリズム | 60〜100回/分・細い・そろっている |
| 心室期外収縮(PVC) | 早いタイミングで出る形の違うQRS。幅はふつう120 ms以上で、前にP波がない[1] | 1拍だけ早く・太く・T波が逆向き |
| 心室頻拍(VT) | 心室から出る興奮が、100回/分を超える速さで3拍以上続く[1] | 速い・太い・形はそろう(単形性) |
| 非持続性/持続性VT | 3拍から30秒未満で終われば非持続性。30秒以上続くか、止めるのに処置が要れば持続性[1] | 続く長さで分ける |
| 心室細動(VF) | はっきりしたQRSがなく、間隔も形も不規則な波[1] | 形が読めない・ばらばら |
| 電気的ストーム | 処置が要る心室性不整脈が、24時間に3回以上(5分以上あけて)起きる[1] | ICDの作動が何度も続く |
波形を見て、速さ・幅・そろいの順に考えてから選んでください。
ゲームの波形は毎回少しずつ速さや形を変えた模式図です。実際の心電図はもっと雑音が多く、1本の誘導だけで決めきれないこともあります。
VTの多くは、心筋梗塞や心筋症でできた瘢痕の縁を電気がぐるぐる回り続けるリエントリーで起こります。回路を1周するたびに心室全体が興奮するので、速く規則的で、形のそろった太いQRSが続きます[1]。VTが止まらない患者さんに体の外から放射線を当てる治療(STAR)も研究されていて、心電同期CTで標的を描くこの治療は心臓CTで不整脈を撃つ|VT定位放射線治療(STAR)の標的設計で詳しく扱っています。国内では2024年2月時点で未承認の治療です[4][8]。
ペースメーカの波形|細い縦線(スパイク)のあとに太いQRS
治療室でいちばん出会うのは、実はペースメーカの波形です。ペースメーカが心室を刺激すると、心電図には細い縦線(ペーシングスパイク)が入り、そのすぐあとに太いQRSが続きます。電気が刺激伝導系ではなく心筋を伝わるので、ペーシングのQRSは太くなるのがふつうです。
照射中に気をつけたいのは、この規則正しさが崩れることです。ガイドラインは、放射線によってデバイスがリセットされてバックアップの設定に変わったり、照射中だけ雑音を拾って(オーバーセンシング)ペーシングが止まったりする動作異常を挙げています[11]。リセットのときのバックアップの設定値をあらかじめメーカーなどから集めておけば、照射中の脈がその値に変わったことに気づけて、早く見つけることにつながる、とも書かれています[11]。
説明のための模式図。上段は設定どおりの心室ペーシング(60回/分)。細いスパイクのあとに太いQRSが規則正しく続く。下段はスパイクが出ずに脈が抜けた例で、照射中にこうした「抜け」や、脈拍がいつもと違う一定の値に変わる変化に気づいたら、照射を止めて報告する。
デバイス装着患者の放射線治療|JASTRO/JCSガイドラインの要点
ペースメーカやICDなどの植込み型心臓電気デバイス(CIEDs)を持つ患者さんの照射には、日本放射線腫瘍学会(JASTRO)と日本循環器学会(JCS)が共同で作ったガイドライン(2019年10月10日承認)があります[11]。2010年のJASTROのガイドラインを、両学会で見直して改訂したものです。英語版も公開されています[12]。2026年10月末時点でJASTROの公認ガイドラインの一覧に載っているのはこの版です。
なぜデバイスが誤作動するのか
ガイドラインは、これまで報告された動作異常の主な原因を二次中性子と考えています。二次中性子は10 MV以上のX線や、陽子線・炭素線で発生し、線量が低くても確率的に誤作動が起きうるので注意が要ります。6 MV以下のX線や小線源では二次中性子は原理的に発生しませんが、過電流による誤作動は起こりえて、線量率の高いFFFビームで顕著になる可能性があるとしています[11]。
デバイスの耐容線量ははっきり決まっていません。2018年8月時点のメーカーの線量限度は多くが1〜5 Gyですが、少ない線量でも安全とは限らないこと、メーカー・機種・ICD機能の有無で限度が違うこと、多くのメーカーが本体に直接線を当てないことを前提にしていることに注意するよう求めています[11]。重い誤作動はまれですが、心肺蘇生が必要になった例や集中治療室に運ばれた例も報告されています[11]。
| リスク | 条件 |
|---|---|
| 低リスク | 次のすべてを満たす:10 MV未満の光子線または20 MeV未満の電子線/ペースメーカで、ペースメーカに依存していない/胸部に照射しない/本体線量2 Gy未満/心室細動の既往なし[11] |
| 中リスク | 低リスクにも高リスクにも当てはまらない[11] |
| 高リスク | 次のいずれかに当てはまる:10 MV以上の光子線/20 MeV以上の電子線/陽子線/炭素線/ペースメーカに依存/本体線量10 Gy超/心室細動の既往あり/ICDの作動(介入)の既往あり[11] |
| 備考 | FFFビームは病状に応じてリスクを1段階上げることを考える。小線源は光子線として扱う。ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は中性子を使うためデバイス装着患者には禁忌[11] |
より高いリスクに合わせて対応することは妨げられていません。十分な体制が取れず、命に危険が及ぶおそれがあるときは、対応できる施設に照射を依頼すべきだともされています[11]。
準備・照射中・照射後に技師が関わること
ガイドラインが挙げる項目のうち、治療技師が直接関わるものを流れに沿って並べました。ICD機能を止めるか、非同期ペーシングにするか、体外ペーシングを用意するかなどは、すべて循環器科医と事前に決めた通りに行うことになっています[11]。
- 準備 情報を集め、リスクを分ける ペースメーカ手帳でメーカーの連絡先・機種・設定を確かめ、写しを診療録に残す。エネルギー・部位・デバイスの種類・依存度からリスクを分類する。照射に関わるスタッフ全員が依存度や設定、急変時の対応を理解しておく
- 計画 本体を照射野に入れない MLCやブロックで遮るだけでなく、絞り(jaw)で囲まれる範囲に本体を入れない。できれば光子線は10 MV未満、電子線は20 MeV未満。本体への総線量を治療前に評価して記録する。計画CTは施設の診断用CTと同じ対応
- 照射前 照合撮影にも気をつける MV X線の照合写真も治療と同じく本体をjawの外に。MVのCBCTは本体が範囲に入るなら原則行わない。kVの透視やCBCTは施設の診断用の検査と同じ対応で、効果と危険を検討して決める
- 照射中 カメラと脈で見張る 全リスクで患者観察カメラで十分に観察し、毎回の照射後に自覚症状と脈拍を確かめる。中リスクは初回の照射中に心電図かパルスオキシメータで脈を監視し、必要なら2回目以降も続ける。高リスクは毎回監視する
- 終了後 循環器科で機能を確かめる 全リスクで、全照射の終了後に循環器科で機能チェックを受け、記録する。1〜6か月後にも確かめるかを循環器科医と検討する
| いつ | 低リスク | 中リスク | 高リスク |
|---|---|---|---|
| 照射中の脈の監視 | カメラで観察・照射後に症状と脈拍 | 初回は心電図かパルスオキシメータ。必要なら継続 | 毎回、心電図かパルスオキシメータ |
| 機能チェック(治療中) | 初回の照射後 | 初回の照射後・予定のおおよそ半分が終わった後(毎週行うかは循環器科医と検討) | 初回の照射後・毎週(毎回行うかは循環器科医と検討) |
| 機能チェック(終了後) | 全照射の終了後に循環器科を受診。1〜6か月後も行うかを検討[11] | ||
ICD機能を照射中に止める場合は、体外式の除細動器(AEDを含む)を準備します。照射直前に設定を変えたなら、照射直後に必要な設定へ戻します[11]。高リスクで適切ながん治療の妨げになるときは、本体の植え込み位置を変えることも検討されますが、位置の変更には4〜15%で処置を要する合併症があるとされ、本体線量5 Gy未満なら位置変更を勧めないという指針があることも紹介されています[11]。
植え込み型心臓モニタやリードレスペースメーカも、このガイドラインで取り上げられています。リードレスペースメーカは通常のペースメーカと同じように対応し、植え込み型心臓モニタも循環器科医と行うべきことを検討するよう求めています[11]。日本循環器学会と日本不整脈心電学会の2021年のガイドラインも、リードレスペースメーカについて、MRIや放射線治療の前後に感知やペーシングの閾値などを確かめるよう勧めています[13]。放射線治療とデバイスの関係は、米国のAAPM TG-203でも故障のしかたと管理の手順が整理されています[7]。
心電同期CTの最中に不整脈が出たら
心電同期CTは、R波からの時間で「いま心臓がどの位相にいるか」を推定して撮影します。この推定は、心拍が規則正しく続くことが前提です。期外収縮が1拍混ざると、その拍だけRR間隔が短くなり、次の拍は休止で長くなります。すると狙った位相がずれ、心筋の壁が二重に写ったり段差ができたりします。
全位相を集める撮り方(後ろ向きゲート)なら、乱れた拍を除いたり、R波の位置を付け直したりする心電図の編集で救えることがあります。狙った位相だけ撮る撮り方(前向きトリガ)は線量が低い代わりに、撮っていない位相は後から作れません。治療計画CTでも、撮影の直前にモニターの波形を見て、期外収縮の多さや心拍の揺れを確かめておくことが画質を守ります。デバイスを持つ患者さんの計画CTそのものは、施設の診断用CTと同じ対応で行うとガイドラインに書かれています[11]。
12誘導心電図の付け方|読みたい人だけ開いてください
治療室で使うモニター心電図は1〜3本の誘導だけのことが多く、12誘導を治療技師が付ける機会はあまりありません。それでも、急変時に検査担当を待つ間や、他部署の手伝いで知っておくと役に立ちます。手順は日本不整脈心電学会の臨床検査技師部会がまとめた手技書に沿っています[14]。
OPEN 12誘導心電図の電極の付け方(四肢4か所・胸部6か所)
まず準備。患者さんは仰向け(仰臥位)。電極が付く場所の皮膚を拭いて、汚れを落とし電極との接触をよくします。アルコール綿を使うならアルコールアレルギーの有無を必ず確かめ、かぶれやすい人には非アルコールの消毒剤か水を使います[14]。手首と足首、胸を出してもらい、寒さや恥ずかしさに配慮してタオルを掛けます[14]。
| 電極 | 付ける場所 | 色 |
|---|---|---|
| R | 右手首 | 赤 |
| L | 左手首 | 黄 |
| F | 左足首 | 緑 |
| N(RF) | 右足首 | 黒 |
| C1(V1) | 第4肋間・胸骨の右の縁 | 白/赤 |
| C2(V2) | 第4肋間・胸骨の左の縁 | 白/黄 |
| C3(V3) | V2とV4の真ん中 | 白/緑 |
| C4(V4) | 第5肋間と左の鎖骨中線が交わるところ | 白/茶 |
| C5(V5) | V4と同じ高さで左の前腋窩線 | 白/黒 |
| C6(V6) | V4と同じ高さで左の中腋窩線 | 白/紫 |
日本不整脈心電学会「12誘導心電図検査手技」表Ⅲ-1 による[14]。
位置関係だけを示した模式図。向かって左が患者さんの右側。V1とV2は第4肋間で胸骨をはさみ、V4は1つ下の第5肋間、V3はその真ん中、V5とV6はV4と同じ高さで外側へ並ぶ。
覚え方:信号機のあとに、暗くなる。手足は右手から左手、左足へ「赤・黄・緑」と信号機の順に進み、残った右足が黒(基準になる電極)。胸は V1からV3が同じ「赤・黄・緑」で、V4からV6は「茶・黒・紫」と、だんだん暗い色になっていきます。
付ける順番のコツ。V3はV2とV4の真ん中なので、V4を先に決めてからV3を付けると迷いません。第4肋間は、胸骨の上のほうにある出っぱり(胸骨角)の横が第2肋骨なので、そこから下へ肋骨と肋間を指でたどって探します。
なぜ正確さが大事か。電極の位置が間違っていると、その心電図は診断に使えません。検査者は患者さんの左側に立つことが多く、右側から付けるときは手足の左右の付け間違いや、V5・V6のずれが起こりやすいので、より注意するよう書かれています[14]。
確認問題|タップして答えを見る
Q1 6 MVで乳房に照射する、ペースメーカに依存していない患者さん。本体線量は1 Gyと見積もられた。低リスク?
胸部に照射するので、低リスクの条件(すべて満たす)から外れ、中リスクになります。初回の照射中は心電図かパルスオキシメータで脈を監視し、予定のおおよそ半分が終わったところで機能チェックを行います[11]。
Q2 R波とR波の間が大きいマス4つ。心拍数はおよそいくつ?
300÷4=75回/分です。大きいマス1つが0.2秒なので、RR間隔は0.8秒になります。
Q3 照射中、ペースメーカの患者さんの脈が、ふだんと違う一定の値に変わった。何を考える?
デバイスのリセットでバックアップの設定に変わった可能性があります。ガイドラインがバックアップの設定値を事前に集めておくよう勧めているのは、まさにこの変化に気づくためです[11]。照射を止め、循環器科医と決めた手順で報告します。
Q4 QRSの形がまったく読めず、波の高さも間隔もばらばら。まず何をする?
VFの可能性があります。照射を止め、患者さんの意識と反応を確かめ、施設の手順に従ってすぐに応援と救急対応を呼びます。
もっと学ぶなら:心電図検定
心電図を体系的に学ぶ目標として、日本不整脈心電学会の心電図検定があります[9]。放射線技師向けの勉強のしかたは心電図検定3級の攻略ガイドに、試験直前の総仕上げは3級プレチェック10問にまとめています。幅の広いQRSの頻拍をVTと上室性の頻拍に見分ける方法(1991年のBrugadaらの基準など)[10]や、心室性不整脈の治療全体[2]まで進むと、STARの論文も読みやすくなります。
本記事のまとめ
APPLICATION 心臓CTで不整脈を撃つ(STAR) VTの放射線治療で、心電同期CTが標的設計の出発点になる理由。 解説を読む →
CERTIFICATION 心電図検定3級の攻略 放射線技師が心電図を体系的に学ぶための道のり。 解説を読む →
PRACTICE 3級プレチェック10問 試験1週間前の総仕上げ。 問題を解く →
GUIDELINE 治療技師が最初に読むAAPM TGレポート TG-51・142・218・101・100の要点と読む順番。 解説を読む →参考文献
- [1]Zeppenfeld K, et al. 2022 ESC Guidelines for the management of patients with ventricular arrhythmias and the prevention of sudden cardiac death. Eur Heart J. 2022;43(40):3997-4126.(PMID 36017572・3.1節 心室性不整脈の定義)
- [2]Al-Khatib SM, et al. 2017 AHA/ACC/HRS Guideline for Management of Patients With Ventricular Arrhythmias and the Prevention of Sudden Cardiac Death. Circulation. 2018;138(13):e272-e391.(PMID 29084731)
- [3]日本循環器学会/日本不整脈心電学会:2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン(PDF 42ページ・narrow QRSの定義)
- [4]日本循環器学会/日本不整脈心電学会:2024年 JCS/JHRS ガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈治療(2024年3月8日発行・2025年5月26日更新)(PDF 41ページ・定位放射線治療の記載)
- [5]Kligfield P, et al. Recommendations for the standardization and interpretation of the electrocardiogram: part I. Circulation. 2007;115(10):1306-1324.(PMID 17322457)
- [6]Surawicz B, et al. AHA/ACCF/HRS recommendations for the standardization and interpretation of the electrocardiogram: part III: intraventricular conduction disturbances. Circulation. 2009;119(10):e235-e240.(PMID 19228822・脚ブロックとQRS幅)
- [7]Miften M, et al. Management of radiotherapy patients with implanted cardiac pacemakers and defibrillators: A Report of the AAPM TG-203. Med Phys. 2019;46(12):e757-e788.(AAPM TG-203)
- [8]Cuculich PS, et al. Noninvasive Cardiac Radiation for Ablation of Ventricular Tachycardia. N Engl J Med. 2017;377(24):2325-2336.(PMID 29236642)
- [9]日本不整脈心電学会:心電図検定(公式ページ)
- [10]Brugada P, et al. A new approach to the differential diagnosis of a regular tachycardia with a wide QRS complex. Circulation. 1991;83(5):1649-1659.(PMID 2022022)
- [11]日本放射線腫瘍学会・日本循環器学会 編:植込み型心臓電気デバイス(CIEDs)装着患者に対する放射線治療ガイドライン(2019年10月10日承認)(II章3・III章 リスク分類と準備・照射中・終了後の事項、PDF 3〜9ページ)
- [12]JASTRO/JCS Guidelines for radiotherapy in patients with cardiac implantable electronic devices. J Radiat Res. 62(1):172-184.(上記の英語版・PMC7779359)
- [13]日本循環器学会/日本不整脈心電学会:2021年 JCS/JHRS ガイドライン フォーカスアップデート版 不整脈非薬物治療(PDF 11ページ・リードレスペースメーカとMRI・放射線治療)
- [14]日本不整脈心電学会 チーム医療委員会 臨床検査技師部会:12誘導心電図検査手技―臨床検査技師部会のメソッド―(2021年7月1日発行)(第Ⅲ章 手技・表Ⅲ-1 電極装着位置、PDF 22〜23ページ)
確認日:2026年10月31日。デバイス装着患者の照射の手順は、JASTRO公認ガイドライン一覧で最新版であることを確かめたうえで原文PDFと照合しました。メーカーの線量限度や推奨は改訂されるため、照射の前に必ず最新の情報を確認してください。波形の図はすべて説明のための模式図です。本記事は技師向けの学習用の解説で、診断や治療の判断は医師が行います。










