【主任者ドリルNo.24】特定RIの防護規制:D値の理解

特定RIの防護規制:D値の理解

放射性同位元素の安全管理には、放射線障害防止(Safety)だけでなく、盗取や妨害行為を防ぐための防護(Security)の概念が重要です。特に特定の放射性同位元素は、その危険度に応じて厳重な防護措置が求められます。
今回は、特定放射性同位元素がどのように定義され、IAEAの区分1〜3がどのような基準で分類されるのかを解説します。試験でも問われやすいポイントですので、D値とA/D比を正確に理解しましょう。
本日の一問
放射性同位元素の防護に関する記述として、最も適切なものはどれか。
特定放射性同位元素の防護の枠組み
放射性同位元素の防護(security)は、盗取や妨害行為等の防止を目的としています。この防護措置の対象となるのは、密封された特定放射性同位元素の区分1〜3を有する施設のみです。放射化物(放射性汚染物)は、物質自体が放射化されたものであり、付着した汚染物ではないため、特定放射性同位元素の防護措置の対象外とされています。
「特定放射性同位元素の数量を定める告示」において、防護措置の区分は放射能(A)とIAEAが定めるD値の比(A/D比)で定義されます。区分1はA/D比が1000以上、区分2は10以上1000未満、区分3は1以上10未満の施設が該当します。
なぜ他の選択肢は誤りなのか
残念、正解は「ウ」でした。他の選択肢がなぜ誤りかを確認しましょう。
特定放射性同位元素とは、指定された核種のうち、その放射能がIAEAが定めるD値以上のものであると定義されています。D値未満の放射能は通常の安全規制の対象となり、防護(security)の対象外です。
放射能(A)とD値の比(A/D比)が1000以上の施設は、最も厳重な防護が求められる「区分1」に該当します。区分2はA/D比が10以上1000未満の施設です。
放射線障害防止(safety)はすべての放射線取扱施設が対象ですが、特定放射性同位元素の防護(security)は、密封された特定放射性同位元素の区分1〜3を有する施設のみが対象です。
特定放射性同位元素の防護は、その名称からすべての放射線源が対象であると誤解されがちです。しかし、密封された特定核種のみが対象であり、放射化物などは含まれません。

LINAさん、今回の問題は特定放射性同位元素の防護に関するものでしたね。特にD値やIAEA区分といった新しい概念が導入され、試験でも頻出する重要ポイントです。どこか疑問に感じた点はありますか?

い、YUN先輩!「特定RI」という言葉の範囲がまだ少し曖昧で…。放射化物も放射性同位元素からできていますし、どうして防護対象にならないのかが気になりました。
ひと目でわかる ─ 特定放射性同位元素の防護規制対象
| 項目 | 区分・補足 | 判定 |
|---|---|---|
| 密封された特定放射性同位元素(IAEA区分1〜3) | D値以上の放射能を持つCo-60, Cs-137, Ir-192等 | ◯ 対象 |
| 放射化物(放射性汚染物) | リニアック等の放射線発生装置周辺に生じる放射能 | × 対象外 |
| 放射線発生装置 | X線最大エネルギー1MeV未満のX線装置等 | × 対象外 |
| 下限数量未満の放射性同位元素 | 通常の安全規制は対象 | × 対象外 |
特定放射性同位元素の防護は、その核種と放射能に応じたIAEAのD値およびA/D比に基づいて区分され、厳重なセキュリティ管理が求められます。放射化物やD値未満のRIは対象外です。
この「特定放射性同位元素の防護」は、令和元年(2019年)に法改正でRI法の目的に追加された比較的新しい概念です。試験対策としてはもちろんですが、テロ対策の観点からも実務で厳しくチェックされる項目ですので、管理者として正確な理解が求められます。
- 特定放射性同位元素の防護(security)は、放射線障害防止(safety)とは異なり、密封された特定RI区分1〜3を有する施設のみが対象です。
- D値は人体に重篤な確定的影響を生じうる「危険量」を示し、特定RIは放射能がそのD値以上である核種です。
- 防護の区分は、放射能(A)とD値の比(A/D比)で決まり、A/D比≧1000で区分1、10≦A/D<1000で区分2、1≦A/D<10で区分3となります。
- 放射化物(放射性汚染物)は、特定放射性同位元素の防護措置の対象外です。
参考文献・典拠
[1] 放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則 第24条の2の2
[2] 特定放射性同位元素の数量を定める告示(平成30年11月26日 原子力規制委員会告示第10号)















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