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RADIOLOGIC TECHNOLOGIST EXAM PRESS

主任者法令ドリル

― 第1種放射線取扱主任者 試験対策 一問入魂 ―
2026年7月16日 第24号 / 特定RI防護 所要 約4分 放射線技師ラボ
D値とIAEA区分

特定RIの防護規制:D値の理解

放射性同位元素の危険量を定めるD値と、IAEA区分1〜3の境界線を確認します。
ドリルに挑むLINA
本連載のナビゲーター/放射線技師1年目・LINA。読者代表として1問に挑戦。先輩のYUNが条文の一次ソースで「ひっかけ」を解説します。

放射性同位元素の安全管理には、放射線障害防止(Safety)だけでなく、盗取や妨害行為を防ぐための防護(Security)の概念が重要です。特に特定の放射性同位元素は、その危険度に応じて厳重な防護措置が求められます。

今回は、特定放射性同位元素がどのように定義され、IAEAの区分1〜3がどのような基準で分類されるのかを解説します。試験でも問われやすいポイントですので、D値とA/D比を正確に理解しましょう。

使い方:選択肢をタップすると、その場で正誤判定が出ます。答えを選んでから、下の徹底解説を読み進めてください。

本日の一問

法令(RI規制法)

放射性同位元素の防護に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ANSWER
特定放射性同位元素の防護に関する条文を確認しましょう。

特定放射性同位元素の防護の枠組み

放射性同位元素の防護(security)は、盗取や妨害行為等の防止を目的としています。この防護措置の対象となるのは、密封された特定放射性同位元素の区分1〜3を有する施設のみです。放射化物(放射性汚染物)は、物質自体が放射化されたものであり、付着した汚染物ではないため、特定放射性同位元素の防護措置の対象外とされています。

「特定放射性同位元素の数量を定める告示」において、防護措置の区分は放射能(A)とIAEAが定めるD値の比(A/D比)で定義されます。区分1はA/D比が1000以上、区分2は10以上1000未満、区分3は1以上10未満の施設が該当します。

特定RI防護とD値・A/D比
D値以上 → 特定放射性同位元素(防護対象)
A/D比 ≧ 1000 → 区分1 / 10 ≦ A/D < 1000 → 区分2 / 1 ≦ A/D < 10 → 区分3

なぜ他の選択肢は誤りなのか

残念、正解は「ウ」でした。他の選択肢がなぜ誤りかを確認しましょう。

定義の誤り D値以上が対象

特定放射性同位元素とは、指定された核種のうち、その放射能がIAEAが定めるD値以上のものであると定義されています。D値未満の放射能は通常の安全規制の対象となり、防護(security)の対象外です。

区分境界の誤り 1000以上は区分1

放射能(A)とD値の比(A/D比)が1000以上の施設は、最も厳重な防護が求められる「区分1」に該当します。区分2はA/D比が10以上1000未満の施設です。

対象範囲の誤り 全施設ではない

放射線障害防止(safety)はすべての放射線取扱施設が対象ですが、特定放射性同位元素の防護(security)は、密封された特定放射性同位元素の区分1〜3を有する施設のみが対象です。

⚠ 受験生が陥る罠

特定放射性同位元素の防護は、その名称からすべての放射線源が対象であると誤解されがちです。しかし、密封された特定核種のみが対象であり、放射化物などは含まれません。

YUN
YUN ─ 先輩・第1種主任者

LINAさん、今回の問題は特定放射性同位元素の防護に関するものでしたね。特にD値やIAEA区分といった新しい概念が導入され、試験でも頻出する重要ポイントです。どこか疑問に感じた点はありますか?

LINA
LINA ─ 読者代表・技師1年目

い、YUN先輩!「特定RI」という言葉の範囲がまだ少し曖昧で…。放射化物も放射性同位元素からできていますし、どうして防護対象にならないのかが気になりました。

ひと目でわかる ─ 特定放射性同位元素の防護規制対象

項目区分・補足判定
密封された特定放射性同位元素(IAEA区分1〜3)D値以上の放射能を持つCo-60, Cs-137, Ir-192等◯ 対象
放射化物(放射性汚染物)リニアック等の放射線発生装置周辺に生じる放射能× 対象外
放射線発生装置X線最大エネルギー1MeV未満のX線装置等× 対象外
下限数量未満の放射性同位元素通常の安全規制は対象× 対象外
📌 この1問で押さえる急所

特定放射性同位元素の防護は、その核種と放射能に応じたIAEAのD値およびA/D比に基づいて区分され、厳重なセキュリティ管理が求められます。放射化物やD値未満のRIは対象外です。

解説委員のコラム ─ 出題者の視点

この「特定放射性同位元素の防護」は、令和元年(2019年)に法改正でRI法の目的に追加された比較的新しい概念です。試験対策としてはもちろんですが、テロ対策の観点からも実務で厳しくチェックされる項目ですので、管理者として正確な理解が求められます。

放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則 第24条の2の2, 特定放射性同位元素の数量を定める告示(原子力規制委員会告示第10号)
切り取り保存 ─ 暗記カード
  • 特定放射性同位元素の防護(security)は、放射線障害防止(safety)とは異なり、密封された特定RI区分1〜3を有する施設のみが対象です。
  • D値は人体に重篤な確定的影響を生じうる「危険量」を示し、特定RIは放射能がそのD値以上である核種です。
  • 防護の区分は、放射能(A)とD値の比(A/D比)で決まり、A/D比≧1000で区分1、10≦A/D<1000で区分2、1≦A/D<10で区分3となります。
  • 放射化物(放射性汚染物)は、特定放射性同位元素の防護措置の対象外です。
NEXT ─ 次回 予告
漏えい線量測定の評価と記録
放射線施設の管理区域や事業所境界における漏えい線量測定は、法令遵守の基本です。測定値の評価方法、許可条件への換算、そして測定器の信頼性確保のための点検・校正の重要性について深掘りします。
← 前回の問題第23号|エネルギー区分と規制の境界
📚 試験全体の戦略も立てよう
配点・合格基準・学習時間の全体設計は 主任者試験 完全攻略ガイド へ。

参考文献・典拠

[1] 放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則 第24条の2の2

[2] 特定放射性同位元素の数量を定める告示(平成30年11月26日 原子力規制委員会告示第10号)

ABOUT ME
ゆん
技師歴15年。副業歴5年。投資歴5年。 資格、転職・副業などのキャリア情報と、患者さん向け情報を発信しています。